踊る胴体

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朝食後、窓からクヌギの幹上にカマキリの姿が見えた。

家から20メートルは離れているだろうか。

しかしなんだか様子がおかしい。これは何かある。

クヌギの近くまでゆっくりと近づいてみた。ゆっくりと近づくには訳がある。

相手は視覚の優れたカマキリだからである。

状況がわかったので、そっと現場を離れカメラを用意した。

さて、慎重に行動したつもりだが、

やはりカマキリの眼にはしっかりと私の姿が捉えられていた。

脚立を立ててゆっくりと登る私。それを睨みつけるカマキリ。

カマキリは警戒して動きだした。

残念ながらねらった通りの写真は撮れない。両者にピントを合わせることができないからだ。

IMG_4420.JPGじつはハラビロカマキリのメスが、共食いをしていたのだった。

喰った方の鎌脚には相手の鎌脚が抱えられていた。接近する私を警戒してハラビロカマキリ

はさらに樹の上へと逃げていく。

で、喰われた方のハラビロカマキリといえば、ヨタヨタ右に行き左に行きしていたが

やがて踏み留まり、そこでユラユラと体を揺らしている。頭と胸部はすでに相手の胃袋の

中に消えていた。

IMG_4422.JPGハラビロカマキリの残された胴体は、まるで自分が襲われて半身を食べられてしまった

ことに気付いていないかのようだ。

脚をふんばりゆっくりと揺れる姿は、なんとも奇妙ではある。

人によってはこれをたいへん不気味に感じることと思う。

私はこういう現場をかなり見てきた経験があり、最初は気味悪いこともあったが、

今では不気味さを感じることがない。むしろ、なぜこういう結果になってしまたのか、

その直前の状況を知りたい気持ちが強い。なんで、食べられてしまったのだよ!?

カマキリのなかまでは共食いは珍しくない。秋深まって産卵が盛んになるころ、

オオカマキリのメス同士の共食いなども多い。

オオカマキリの幼虫を探しに近くの山に入ってみたが、ここでも空振りだった。

クズの花も咲き誇り、もう秋の気配がどんどん迫っている。

JX025685.jpg展望台から都城盆地と霧島山が眺望できる。

あいにく高千穂岳には雲が掛かっていた。

JX025711.jpg
(写真上2枚: EOS-7D  EF-S60ミリマクロ )

(写真下2枚: E-620   14-54ミリズーム )











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