スズミグモ、ふたたび

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[ 宮崎県 三股町 ]

玄関前の植え込みにはスズミグモの巣網がある。

先日、紹介したばかりだが、今日は巣網の様子がわかり易い写真を

撮ってみた。背景は我が家の外壁で煩雑となるため、スタジオ用の黒バックを

置いた。

Z9021139スズミグモ巣網.JPG富士山型の巣網が不規則網で支えられている。

主のクモは傘の中央頂部に仰向けになって構えている。獲物が掛かればたちまち出動する。

今日はイナゴの一種が餌食となっていた。糸でグルグル巻きにしてから、

長い時間を掛けて食事をしていた。

Z9021172スズミグモ食事.JPG昆虫の生活を追いかけていると、いろいろな生き物との関わりがよく見えてくる。

植物との関わりが多いが、クモ類との関係も深く、クモについても知らず知らず興味を

抱くことになる。宮崎に引っ越して、最初に作った写真絵本が「クモのいと」(ポプラ社)

だった。

今住んでいる家の周辺にはコガネグモがたくさんいて、感動したからに他ならない。

昨日は自然環境の貧困さを書いたが、隙間の自然というものもある。

一見、貧弱に見える風景のなかでも、そのちょっとした隙間環境にかろうじて

たくましく生きる生き物が必ずいる。それは逆に見ると、生き物を根絶やしにするなど

そう簡単なことではないのである。

まさにその隙間環境に生き延びているコガネグモに魅入られてしまった。

もっとも、先の写真絵本はコガネグモの生活史で綺麗にまとめることができず、

ご批判を受けていることは承知している。それでも批評していただける、ということは

たいへん有難いことである。


夕方、犬の散歩に出ると、近所の草むらで今年初めて、スズムシの鳴き声を聞いた。

涼しい音色を聞くと、もう秋だなあ、と感じる。もう秋がいっぱいだ。

庭の植え込みでオオフタオビドロバチの交尾カップルを見つけた。

撮影しているうちに、メスの腹部の様子がおかしいことに気づいた。

よく見るとネジレバネの寄生を受けていることがわかり、慌てて採集した。

これまでキイロスズメバチやコガタスズメバチに寄生したネジレバネは見ているが、

ドロバチ類では、初めての観察である。

( 写真: E=M5 M.75-300ミリズーム 、ライカ45ミリマクロ )

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