ツマナミツマキリヨトウと、高価な図鑑

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[ 宮崎県 三股町 ]


2010年、11月15日の記事で掲載した蛾の幼虫だが、

ようやく今日になって種名がわかった。ヤガ科のツマナミツマキリヨトウ

IMG_1212_ツマナミツマキリヨトウ.JPG眼玉模様があって、いかにも曲者だが、講談社の『日本産蛾類生態図鑑』をめくっていて

そのものズバリの図版を見つけた。本種の食草はシダ植物のノキシノブやマメヅタである。

私は地衣類を食べているのではないか、と思っていたが、それは間違いだった。


『日本産蛾類生態図鑑』はかつて秋津町(東京都)の秋津書店で購入したのだが、

新本で4万円ほどだった。書店に注文してから届いたという電話をもらい、本を受け取りに

行ったら、ボールペンをくれた。やはり高価な本を買うとサービスしてくれるのかなあ、と

不思議に感じたものだ。ま、たかがボールペンではあるが、その志しは少し嬉しかった。

その秋津書店は、とっくに店を閉じてしまって今はどこに書店があったかも定かでない。

秋津駅周辺の商店街の様相はすっかり変わってしまい、

もう昔のイメージを思い浮かべるのは不可能なくらいだ、と

昨年の12月に久々に歩いてみて感じた。

本屋さんは全国で、どんどん消えていく。寂しい、というか、もう世は終わりか?

とでも感じるほどだ。

それにしても高価な図鑑を買い求めた当時の私は極度の貧乏で

よくもまあそんな本を買えたものだ、と今更ながら懐かしい。

どうやってお金を捻出したのか、今もって思い出せない。

まだ結婚してから子供もいない頃だから、少しの無理はできたと思うが、

あまりにも稼ぎがなく、仕事もあるようでないような立場では、

せめて嫁さんが帰宅するまでに夕食の準備をしておくこと、

そして洗濯物はきちんと畳んでおくことなど、気を遣っていた。

結局、その生活習慣は今でもそうたいして変わってはいないのだが。


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