ボロボロノキとベニツチカメムシ

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[ 宮崎県 延岡市 ]

今日はかなり暖かく風も弱い。おそらく樹上にはい登ったベニツチカメムシが少しは

見つかるだろうと予想したのだが、期待通りであった。

3Z5A2300ベニツチカメムシ.JPG地上高1mあたりで2♂を確認できた。しかし当然ながら昨年12月に観察した集団はどこにも

いない。ベニツチカメムシは周年集団を形成するのだが、それは奄美大島以南の事情であり

九州では、冬場には集団が分散し地面の隙間などに潜り込んでしまう。

くどいようだが、集団形成は越冬そのものとは無関係なのである。

以前、久留米市のフィールドで越冬成虫の様子は観察、撮影できている。

今回、はボロボロノキの観察を主眼においた。

常緑樹林とは言え冬の今は見通しがずいぶんと良い。林のなかも歩きやすい。

ベニツチカメムシの発生地で、ボロボロノキの分布をしっかり把握しておきたい。

ボロボロノキを探し歩いてみた。

ボロボロノキは山と渓谷社の樹木図鑑によると落葉小高木とある。

この「小高木」というのがどうにも理解できないのだが、今日現場で見たボロボロノキには

かなり大きな木もあり、なぜ「小高木」と表記されるのか不思議に感じる。

葉を落としたボロボロノキを眺めているうちに、ようやくこの木の特徴を目に焼き付ける

ことができた。これまで気付か無かった場所であらたにボロボロノキを見つけた

のではあるが、本種は雌雄異株であるからそこは用心せねばならない。

雄株は実を落とさないから、ベニツチカメムシの繁殖には関与しないからだ。

ベニツチカメムシを撮影したすぐ横ではアセビの花が賑やかに咲いていた。

3Z5A2310アセビ.JPG
( 写真:EOSー5D マークⅢ  EF100ミリマクロ IS )

※ ボロボロノキについて、本種は雌雄同株であるとのご指摘をいただきました。

記事では雌雄異株と書いたのは誤りでした。雌雄異株と記されていたのは

山と渓谷社の「樹木図鑑」ですが、どうやら図鑑によっても表記が違うようです。

ボロボロノキの花は「異型花柱性」といって、長花柱花と短花柱花の両タイプの花

がつくそうです。

ご指摘いただいた方に感謝致します。


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