アケビコノハ、ふたたび

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三股町 田上

アケビコノハの♀が産卵した卵を回収してみた。採卵網に付いていた卵は約50個。網はアケビコノハにとって安定した足場になったのだろう。卵は、実体顕微鏡下で濡らした面相筆を使ってそっと掬い取ると簡単に外れた。50個も丁寧に眺めたおかげで、アケビコノハの卵は嫌でも目に焼き付いた。イメージが新鮮なうちにと、さっそく家の前の薮に繁茂するアケビを覗いてみた。今春、開いた若葉だ。
アケビ_Z5A3532.JPG
葉っぱを手にとってみるとすぐにも、怪しいしわざを発見できた。食痕である。
アケビにしわざ701A0716.JPGこの時期、アケビの若葉をかじる虫では、ナナフシ幼虫も多く見る。したがって、これがアケビコノハのしわざと即断はできない。できないけれど、すぐ傍で幼虫が見つかった。しわざの主は、アケビコノハ幼虫だと思われる。まだ2令あたりかと思う。体長は体を曲げている状態で、1センチ程度。
アケビコノハ2令_Z5A3525.JPG若令幼虫がいるのなら、ふ化の遅れている卵が近くにあってもいいはず、と期待したが、このあといくら探しても卵は見つからなかった。何十枚という葉っぱの裏表を舐めるように見てみたのだが。おそらく、母蛾はここで産卵したあとさっさと場所換えをしたのではないだろうか?それとも天敵に補食されたか。
そういえば、庭のイヌビワに多数産卵されたイシガケチョウの卵だが、ふ化できた幼虫は一匹しか確認できず、しかもその一匹も先日、姿を消していた。イモムシが生き残れる確率は極めて低い。

アケビコノハの卵を拡大撮影してみた。アゲハの卵と違って、透明感が強い。発生が進行するとどう変化するか楽しみだ。
アケビコノハ卵701A0730.JPG写真は少しトリミングしている。使用レンズはズイコーマクロ20ミリ。カメラはCanon EOS-5D Mark3。
すっかり忘れていたが、EOS用にマウント改造したOMエクステンションチューブがあることをつい最近思い出した。卵のように動かない被写体なら充分使える。



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