朝鮮人参の香り

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けたたましいアブラゼミの鳴き声が窓の外から聞こえてくる。

アブラゼミを捕らえたのはたぶんハラビロカマキリだろうと、確かめに出てみた。

アカメガシワの幹上でがっちりと押さえ込まれたアブラゼミは身動きがとれない。

ハラビロカマキリは鳴き叫ぶセミの体に悠然とかぶりつく。

今の時期に多い光景だが、数日前にはアブラゼミを取り逃がした現場も見ている。

鎌脚でセミの両翅付け根を首尾よく押さえ込めればいいが、掴みどころが悪かった。

猛烈に暴れるアブラゼミはカマキリ自慢の腕を払って、逃げたのであった。

なんとなく後味の悪いようなカマキリの表情が印象的だった。

さて、庭に出たついでに畑のニガウリを覗いてみたら、シロオビノメイガが吸蜜していた。

IMG_2562.jpgニガウリの棚にはオオカマキリ幼虫がいたはずと探していたら、

サトイモの葉に、タイワントビナナフシがいた。

IMG_2563.jpg見慣れない人の目には、わらクズか何かに思えてまさか虫とは気付かないかもしれない。

たぶんそうだろう。

タイワントビナナフシは毎年こうして庭で出会う。なのにまだ出かけた先のフィールドで

目撃したことがない。探してこい、と言われても困る虫の一つだ。

今年の春はクヌギの梢でかなり小さい幼虫を見ている。クヌギの葉も食べて育つようだ。

虫である証拠写真をと、顔わかるように撮影しておく。

IMG_2584.jpg前脚と触角を前方に伸ばし、ピタリと揃えているので眼だけはわかるが、顔がどこやら

はっきりしない。化け上手なのだ。

レンズがすぐ近くに寄ってみても微動だにしない。

IMG_2582.jpgV字型に開いた前脚の間から、触角がはみ出している。

前脚よりか長~い触角は、タイワントビナナフシの際立った特徴の一つ。

で、やはり動きが見たいので、そっと体を摘んで持ち上げてみた。

すると摘んだ瞬間、ほのかな香りが漂ってくる。

漢方薬の朝鮮人参の香りによく似ている。

人参を漬け込んだ焼酎をずいぶんと昔にちびちびと賞味したことがあるので、

その香りはよく憶えている。

嫁さんの父親が大事に飲んでいたものを、こっそり盗み飲みしていたのだ。

ある日あまりにも量が減っているので、嫁さんにえらく叱られたこともあったなあ。

「少しならイイよとは言ったけど、こんなに飲んじゃって、お父さんにバレるでしょ!!

どうすんのよ!!」

「焼酎足しておけば、いいじゃん、、、、、」と私。


( 写真: EOS-7D  EF-S 60ミリマクロ  )



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