ゴマダラチョウ蛹、ふたたび

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上米公園というのはうちから5キロほどの距離にある。

緩い丘陵地の窪みは広大なパークゴルフ場。

そこを馬蹄形に取り囲む丘陵部はサクラ園とさまざまな観賞木の植栽からなる。

照葉樹林や雑木の生えている地帯はほんのわずかしか残されていない。

本来あった自然植生をうまく残し、人工林や遊歩道をバランスよく配置すれば、

驚くほど生物相の豊かな自然公園となり、観察会の場としても活用できただろう。

しかしこの公園の売りは何と言ってもサクラである。パークゴルフ場である。

そしてバーベキュー広場である。

どこにでもあるような哀しい公園だが、自然観察者にとってはそれでも

ささやかな楽しみを見出すことができる。ほんとにささやかではあるが。

昨日、羽化の瞬間を見損ねたゴマダラチョウだが、同じエノキにもう一個蛹が残っている。

今日になってこの蛹にも羽化兆候が現れた。

ゴマダラ上米さなぎ.jpg今日は草刈り作業が大掛かりに行われていた。都城森林組合の仕事だ。

エノキは道路沿いにあったので気になったが、根際の下草だけが刈られてあった。

きわどいところで蛹は難を逃れていた。

エノキ道沿い.jpg前にイシガケチョウの若令幼虫を見つけたイヌビワも覗いてみれば、

イヌビワに並んだ枯れ茎の先っこに蛹がぶらさがっていた。

おお!きみも ぶじだったかい。

イシガケチョウ蛹.jpg遠くから見れば誰の眼にもただの枯葉。近くから見てもやはり良く出来た枯葉。

明日は午前中に観察会の講師の仕事が入っている。

ゴマダラチョウの羽化をまた見逃すことになるのだろう。





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