オオカマキリの季節

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[ 宮崎県 三股町 ]


嫁さんに頼まれたNHKの「きょうの健康」今月号を買いに書店に立ち寄ってみれば

NHK出版の「里山の草花ハンドブック」 が置いてあったのでようやく購入できた。

本書の本文解説は、山形の永幡嘉之さんが書いている。

このハンドブックシリーズは写真だけでなく、文章の内容が面白く

実用的な図鑑とは違った魅力がある。


今日は敷地内でオオカマキリの成虫を3匹見た。

まだ終齢2匹がいるが、これからは成虫のほうが多くなってくるだろう。

昨日はチョウセンカマキリの終齢を近くの草むらで見た。

オオカマキリの新成虫はさすがに初々しいが、怒り方にもパワーがみなぎっていた。

B_005626オオカマキリ.JPG口の赤と前脚付け根の濃藍色のグラデーションとの組み合わせが、視覚的に恐怖心を

誘う。この効果は人だけでなく、獣や野鳥にもかなり通用するものではなかろうか。

さらに私がちょっかいを出すと、前脚を大きく広げた。

B_005623オオカマキリ大きな口.JPGそういえば、今日はヤマカガシの幼蛇が鎌首を揚げたまま、移動していた。

私の姿に驚いてのことで、威嚇しつつ逃げていたわけだが、

その後ろ姿にオオカマキリと似たような雰囲気を感じた。恐怖心とはどこから

どのようにして私たちの脳に浸透するのだろう。

昆虫写真では、このように生き物のリアルな姿を描写することによって、

ときには気落ちが悪い場面も多く提供する。頼まれもしないのに。

これが例えば、植物写真家のブログであれば、こんな気持ち悪い場面はほぼ

無いで0あろうかと思う。

動物では可愛いだけでなく、美しいだけでなく、ドロドロとした生命の

営みも表現の対象となる。

そもそもカマキリを嫌う人も多く、また一方でカッコいいと感じる方もいて両極端。

しかし、こうして人に向かっても反応をみせてくれる昆虫はそう多くはないので、

怒りっぷりの良いオオカマキリには親近感を覚える。

オオカマキリにちょっかいを出して喜ぶ私などを見て、それが人社会からの逃避であろう、

という精神分析もまた有り得る。人社会にどっぷり浸かっていれば、それも当然だ。

さて、夕方の犬の散歩でカラスアゲハの雌がねぐら場所を求めて同じ場所を右往左往

していた。ゆっくり飛翔しているので後ろ翅の青い模様がひときわ綺麗に見えていたが、

レンズ交換しているうちに、ねぐら場所の梢に落ち着いてしまった。残念。

Z9061703カラスアゲハ雌.jpgチョウは綺麗ということで人気も高いが、しかし蝶の鱗粉が舞うのが嫌い、という

人も世の中には少なくない。蛾も蝶も一緒というのは、ある意味で正しくはある。

昔付き合っていた彼女がミヤマカラスアゲハがすぐ傍まで近寄ってきたとき、

ものすごく怯えていたのが印象的だった。

彼女の「粉が嫌いなの!」という言葉には、ちょっと意外であった。

写真:EOS-7D  EF100ミリマクロ  (オオカマキリ)、


    E-M5   M.75ー300ミリズーム (カラスアゲハ)











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