山の幸

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[ 宮崎県 三股町 ]

一昨日、ハチ採り作業はキャンセルとなったが、あとで理由を聞けた。

「明日は午前10時に掘るから。10時な!」

と別れたあと、HさんはYさん(大将)と共に巣場所の下見に行ったそうだ。

巣の埋まっている辺りをよく調べると、すでに一度掘り起こされた形跡があった。

つまり別のハチ採り屋に先を越されたのであった。

しかし、複数の働きバチがうちの林に来ては盛んに砂糖水を運んでいる。

どうやらどこぞの大将は、一旦は堀り起こしたあとまた埋め戻したのである。

巣の状況からまだ採り頃ではないと判断したのだろう。

Y大将、「あっちに採られてしまう前に、採っちまえ!!」

昨日の朝、二人が林の奥から出てくるのを遠目に見掛けた。

私は観察会の現場に向かう方角を変えて、二人の乗った軽トラに追いついた。

大将、Yさんのお宅でハチの巣を見せてもらった。

B_008646オオスズメバチ巣盤.JPG「空き部屋がまだいっぱい残っちょる。掘るには早すぎたなあ。」

「もうちと先でないとなあ。」

「じゃが、アッチに採られてしまうのは癪やからなあ、ハハハハ。」

まさに蜂採り合戦、である。

先を越されて収穫がゼロになるよりか、わずかでも「山の幸」を我が物にしたい。

一旦、別の採り屋の手がついた以上、もう放っておけない、というわけだ。

うちの林には砂糖水の入ったペットボトルが継続してぶら下げてある。

別の巣から働きバチが通うことを期待して、Hさんは毎日、様子を窺いに来る。

昨日の夕暮れどき、Hさんがやって来た。

「バターで軽く炒ってから、ニラかネギと一緒に砂糖醤油で煮ると、うまいよお!」

と言って、自家製の蒟蒻もいただいた。

ZA062913蜂の仔.jpg私は掘ってすぐの蛹を生のまま食べてみたが、甘く濃厚な牛乳そのものの味であった。

もちろん今夜の肴は「蜂の仔料理」に決まりである。

Hさんは軽トラに積んだワタリガニも見せてくれた。

「今朝早く獲ってきた。これもうまいよお!」

山遊びに忙しいよ、とHさんはにこやかに笑いながら自分で改装した軽トラに乗り込んだ。


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