アベマキとナンジャモンジャノキ(その1)

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松山城のロープウェイ街通りを北に進むと、東雲神社へ登る階段がある。

久しぶりにヒトツバタゴ(別名「なんじゃもんじゃのき」)を見ておこうと思い、

急な階段をゆっくり登った。
東雲神社CIMG3263.JPG最初の鳥居を過ぎて平坦になった狭い場所に、ヒトツバタゴの雌木と雄木が並んでいる。

白い花を無数に付けるが、まだ小さな蕾だった。花期は5月だから少し早かった。

しかし花が満開の時期に、ここを訪れるチャンスはほぼ無いかと思う。

ヒトツバタゴCIMG3232.JPG東雲神社に行きたくなった理由はほかにもあって、古い想い出に惹かれたからでもある。

古いというのは、小学生の頃と高校生の頃との、二つ。

神社の境内に立ってみると、40年、50年とびっくりするほどの時間の隔たりがあるのに、

妙に一瞬一瞬の鮮明な画像が浮かび上がってくるから、不思議だ。あまりにもリアル過ぎて

自分でも呆れるほどで、とくに高校生のときの、同級生のある女子の笑顔が

スローモーションで動画サイトのごとく 目の前に流れる。

名前がどうしても出てこないのに、その笑顔、振る舞いまでがこと細かく次々と

蘇ってくる。 今さらだが、いかにもイヤラシイ目つきで同級生を盗み見していたのではないか

その自分の目つきは悟られないように気を遣ってはいたが、

相手にはきっと見破られていたのではないか、などと気恥ずかしくなったりして、

そう感じる自分のアホらしさも滑稽で、そんな自分を笑ってみた。

名前をその場ではついに思い出せず、宮崎の自宅に戻って本棚から卒業アルバムを

引っ張り出した。

よせばいいのに、そのアルバムを開いてしまった。 








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