クロコムラサキ、ミカドアゲハ、庭に来る

| | トラックバック(0)
台風12号の影響で断続的に雨が降り、西風も少し強め。
しかし、庭の花壇やイヌザンショウの花には昆虫たちがひっきりなしに来ていた。夏型は少ないミカドアゲハが、訪花しているのを食堂の窓から見た。黄紋型だった。すぐにカメラを引っさげて外に出たが、折しも雨脚が強まったばかり。しかし、チョウたちは平気で吸蜜している。雨脚が弱まったところで駆け寄ってみた。
ミカドアゲハ701A3147.JPGミカドアゲハは結局、この一頭が一度訪れただけだが、アオスジアゲハは4、5頭がほとんど常にいるほどの賑わい。
アオスジアゲハ701A3224.JPG
イヌザンショウには、イシガケチョウ、アオバセセリ、カラスアゲハ、ミヤマカラスアゲハ、ヒメウラナミジャノメ、スジグロシロチョウ、ナミアゲハ、も来ていた。ナミアゲハは吸蜜だけでなく、産卵を何度も繰り返していた。

イヌザンショウのすぐ傍にある、クヌギ樹液を覗いてみれば、クロコムラサキ♀が来ていた。南九州では多いらしいが、私は初めての出会い。翅はだいぶ傷んでいた。「おお、これがクロコムラサキかあ!」
クロコムラサキ♀701A3195.JPG
さて、クヌギ樹液のうち観察し易い木は庭にある2本。その2本とも、昨年、事情あって幹の途中から伐採している。西側にあるクヌギはこちら。写真は昨日、撮影したもの。
クヌギIMG_5093.JPG昆虫たちの集まりは、ここ数年の中では種類数も個体数も良いほうだと感じる。昨日の親分は、ヒラタクワガタの♂だった。一番良い場所を独占しており、しつこいカナブンに腹を立てたか、いきなりカナブンの前脚を大アゴで挟み持ち上げるという場面もあった。
樹液701A3110.JPG宙に浮き上がったカナブンはうしろ翅をはばたかせ、もがいていたら、ようやく解放された。

昆虫たちの顔ぶれも、数も申し分ないのであるが、いやそうとも言い切れない。その理由とは、一昨年からの傾向なのだが、スズメバチ類、とりわけオオスズメバチが夏場にほとんど、いや全くといっていい程、やって来ない。春先、女王バチは何度か見かけているが、その後、パッタリと姿を見せない。
オオスズメバチの樹液レストランでの役割は大きい。もちろん、彼女らは樹液を独占することも多いが、樹液が滲み出る孔を、強靭な大アゴで咬み削って拡張工事を行う、という点では多くの昆虫達にとって結果的には有り難い存在なのである。今ある樹液レストランは、どれも間口が狭いため、食事を堪能できる昆虫の数には制限があり、それゆえの闘争も多い。

私の敷地周辺ではオオスズメバチが減っているのではないか?その原因として、思いつくのは「ハチ採り」による採集圧。地元では「ハチ採り」が毎年熱心に行われ、町外からも数組の採集人が入り、いわゆる「ハチ採り」の激戦区でもある。もっとも、その「ハチ採り」のおじちゃん達も首をかしげる。「ほんと、すくのうなった」と。おじちゃん達の長年の経験からしても、オオスズメバチがなぜ減ってしまったのかは謎のようだ。採り過ぎで減った、とは考えられないようだ。昔からずっと「ハチ採り」は続けてこられたからだ。採ったから減ったではなく、別の要因があるとしたら、何であろうか?この問題は真剣に突き詰めてみる必要を強く感じる。  オオスズメバチは、なぜ減ったのか?いや、ほんとうに減ったのか?も含めて

« ねぐらのオナガアゲハ       ハシブトガラス、カブトムシを狩る »