ハチマガイスカシバ、ふたたび

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2003年4月に発行した「里山蝶ガイドブック」(TBSブリタニカ)は全く不人気で売れずじまい。初版で絶版となった。この写真本はフィルム時代の最後の仕事になった。数点だけ、デジタル写真も載せたけれど、当時はまだ、デザイナーさんから「デジタル写真は極力入れないで!」と釘を刺されていた。まだまだ印刷業界ではデジタル写真を受け入れてなかったのである。

売れない本を作った反省も大いにしたが、同時にこうした自然書が日本の市場では受け入れられないことも、よくわかった。「里山昆虫ガイドブック」「里山蝶ガイドブック」の2冊を出したあと、一般向けの自然書を作ることは自己満足に過ぎず、仕事にはならないので、止める決意をした。あれからもう12年。

さて、今朝のこと郵便局に出掛ける間際、目の前の花壇にクロアゲハの♂が来ていた。クロアゲハは滅多に出会えないのだからと、急いで玄関まで走り、カメラを構えた。九州南部ではモンキアゲハ、ナガサキアゲハ、カラスアゲハ、ミヤマカラスアゲハが多いけれど、オナガアゲハ、クロアゲハの割合はかなり低い。
クロアゲハIMG_5367.JPG
クロアゲハIMG_5372.JPG
うしろ翅の付け根にある白い性紋もしっかり写し止めた。つまりこのクロアゲハはオスであった。
「里山蝶ガイドブック」の中に、ボロボロでも大丈夫という見開きのコラムがある。チョウというのはでっかい翅を持っているがゆえに、翅が邪魔になることもあるが、むしろ翅を犠牲にして、生き伸びている面もある。今日も、そんな逞しいチョウに出会えた。
カラスアゲハIMG_5412.JPGうしろ翅のほtんどが欠損しているが、それでも平気で飛翔していた。撮影している間は、種名すら特定できなかったが、あとから写真を拡大してみて、腹部背面にわずかに見えた金緑色から、カラスアゲハだろうと思えた。

表題にあるハチマガイスカシバは、庭のど真ん中にあるコナラの梢で再度、目撃できた。先日羽化後間近な成虫を撮影した、すぐ傍である。しかし、すばやく飛翔し、すぐに姿を見失った。
ハチマガイスカシバは、どうやら、我が家の庭で発生してるのは間違いないようである。


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