隠蔽術

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三股町 田上

2ヶ月以上前の、10月13日に紹介した、カレハガ幼虫を再び見ておいた。ウメの枝や幹にピタリと貼り付いていた幼虫達だ。
カレハガ幼虫701A9972.JPG
若干、場所を移動したものもいたが、数はそのままで減ってはいなかった。来春まで生き延びる幼虫がどれだけになるだろうか。野外で継続観察をするのはなかなか厄介ではあるし、成果が得られる保証はどこにもない。

〜「虫のしわざ観察ガイド」はじめと終わりのない物語②〜

「フィールドサイン」、というよりか「しわざ」という言葉を選んだのは、本の企画を立ち上げた当初からだった。それは10年前くらいのこと。それ以前に(2000年)『里山大百科』という共著を出したときには、フィールドサインのコラムページに虫のしわざも含めていた。その当時はまだ、虫の生活痕を他の動物のものと区別はしていなかった。しかし、獣や鳥などのフィールドドサインとは、視座を替えないと、なかなか見えて来ないのが、「虫のしわざ」と改めて気付いた。サイズが小さい、ということもあるが、それ以上に虫の場合はステージが違えば同種であっても、まるで別種のしわざになり、かつ、巣や繭、マインなど、巧妙な造形物が多彩でもあるからだ。それは、フィールドサインという表現では納まり切らないものを感じさせる。本の企画が決まってからしばらくして、講演のテーマにも「虫のしわざ探検」など、積極的に「しわざ」を紹介するようにしてきた。
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