お知らせ〜新刊本

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三股町 田上

濃い霧の朝だった。
ウメ_Z5A2096.JPG細かい水の粒子がサラサラゆったり漂う。こういうとき、カメラのレンズには長めのフードがいい。
庭も林も、クモの巣網展覧会が盛況。写真はオニグモの一種の円網。
ウメ_Z5A2139.JPG
これまで見落としていた、コガネグモ幼体が次々と巣網の上に浮き上がる。思った以上に個体数が多い。

来月はじめに発売予定の写真絵本は、「うまれたよ!クモ」「うまれたよ!カメムシ」(岩崎書店)。

うまれたよクモ.JPG
拙著写真絵本に「クモのいと」(ポプラ社)があるが、そこでは触れることができなかった、コガネグモの出のうや、子グモの暮らしなどを中心に構成している。

ポプラ社の「クモのいと」は、宮崎に移転して最初の撮りおろし作品だったので、撮影時の思いなどかなり印象深いものがある。そもそも、クモをテーマに決めたのは、引っ越した今の土地には、コガネグモがたくさん棲息していたからであった。
東京から、全く見知らぬ土地に移住を決意したとき、コガネグモの卵嚢が家壁に何個もぶら下がっていたこと、ヤママユの繭殻が風に揺れているのを窓から見えた、こと(2月)という二つのことに、私は強く確信を抱いた。
「ここなら、なんとかやって行けるのではないか!」
もちろん、不安もあった。新天地でもって思惑通りに仕事ができるだろうか?と。冬場の情景だけで判断していいものか?と。

コガネグモというクモには、だから思入れがある。今度刊行される「うまれたよ!クモ」では、主人公をコガネグモと早い段階で決めた。ナガコガネグモも候補として挙げて迷ったこともあったが、やはりやるならコガネグモとなった。ナガコガネグモのほうが、より普遍的に見られるからとか、産卵シーンの面白さなど、魅力もあったが、コガネグモの姿(成体)のもつインパクトの強さにおいては、敢えて比較するなら、ナガコガネグモより抜きん出ていると、私もそして編集者の方もそう判断した。

追記:昨日、書きかけて消失してしまった記事内容は、明日に持ち越します。
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