ケヤキに集う

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三股町 田上

シイタケの様子を覗きに林に降りてみた。すぐ傍
に生えているケヤキの幹には、多数のアブラムシが集まっていた。みんな有翅虫でほとんど動かない。
ケヤキヒトスジワタムシIMG_0918.JPG根元近くから、見える範囲で3メートル程の高さまで集団が点々とくっついている。地衣類の白い所がお気に入りのようだ。なぜだろう?

ケヤキヒチスジワタムシIMG_0922.JPG黒っぽい体の有翅虫は、ほとんど動かない。
ところが、その有翅虫の間を、黄色と緑色の小柄な無翅虫がウロチョロしている。

ケヤキヒツスジワタムシIMG_0936.JPGまだきちんと調べていないので、仮にこの有翅虫がケヤキヒトスジアブラムシの無性世代だとする。
すると、黄色と緑色の無翅虫は、同種の子供らで、有性世代ということになり、
この有性世代はやがて交尾をして、卵を産むことになるのだろう。

以前、真冬に幹の皺の間に産み込まれた卵を多数、見ている。

ケヤキヒトスジアブラムシは春になって、ケヤキの葉っぱに、ケヤキハフクロフシというよく知られた虫コブを形成する。その虫コブから成長して飛び立つ有翅虫は、夏になってアズマザサやクマザサの根元へと移動し寄主を替える。さらに秋になって、ケヤキの幹に戻ってくるわけだ。

アブラムシは季節によって寄主間移動をし、無性世代と有性世代まであり、生活史が複雑なため、一年を通して暮らしを追いかけるという観察は、かなり困難を極める。

アブラムシの生活を判り易く語る、というのは、おいそれとは実現できそうにない。

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