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台風一過

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朝から雲一つない快晴だったが、しだいに大きな雲が湧いた。
台風一過701A1693.JPG
日射しは強く、日向ではけっこう暑いが、日陰に入るとグンと涼しい。

庭のクヌギの樹液レストランには、今日もゴマダラチョウが2頭、来ていた。
一本の木に、4カ所のレストランがあるので、虫たちはそれぞれに分散している。

オオスズメバチが居ないうちにと、特等席で口吻を伸ばす、ゴマダラチョウ。
台風一過701A1741.JPG
しばらくすると、急に食事を中断した。

なんだろう? と近寄ってみれば、、、、、
台風一過701A1757.JPG
アリが口吻の先端にしがみついて、暴れていた。     まさに、アリがた迷惑。

先月末に蛹化したシロモンフサヤガ、が15日に羽化した。蛹期間は約2週間。

体に触れると、翅の裏側を合わせて脚を縮め、擬死をする。
しかも数分間以上と長い。
シロオビフサヤガIMG_1338.JPG


昨年出版した「虫のしわざ観察ガイド」(文一総合出版)。

この本に盛り込みたかった昆虫の種類はたくさんあって、入り切らなかったものや、
あるいは、予定していたのに撮影ができなかったものもある。

そのなかの一つ、オドリハマキモドキのしわざ、を撮り損ねたのが心残りだった。
本種は、小さな蛾の一種。

ちょうど今ごろ、第2化の羽化が盛んである。


ムラサキシジミIMG_7191.JPG
4枚の翅が重ならないように、ほぼ45度の角度で立てているのが特徴。
写真は後ろ姿だが、この様子はまるでクサヒバリのオスが翅を立てて鳴いているときのようだ。

本種はクヌギやシラカシなどを食樹とするが、幼虫の食痕や繭の形、すなわち「しわざ」が際立って特徴的である。

それをようやく撮影することができた。

オドリハマキモドキが多数、育ったクヌギの根元を見ていたら、ムラサキシジミの前蛹があった。
ムラサキシジミIMG_7198.JPG
アリが1匹だけ寄り添っているが、こんなに剥き出しで大丈夫だろうか?
明日には蛹化しているかと思う。

今日は、NHK宮崎放送局の番組収録があった。
スタッフの方々が到着する前に、オドリハマキモドキの撮影を大方、終了できたのは幸いだった。


先日、オオスミコガネグモを探した。26日のこと。

ハゼノキの葉裏に、シロモンフサヤガの幼虫がいた(終齢)。

シロモンフサヤガIMG_9704.JPG
体長は25ミリ程度。
持ち帰ったところ、翌日にはこんな姿に。
シロモンフサヤガ.JPG
風船のように膨らんでいた胸部が萎んで、体全体に青味がかっていた。
しかも、やたらと歩き回り、食樹のハゼノキの葉っぱを見向きもしない。

ティッシュをゆるく詰めたケースに導くと、すんなりと潜り込んで姿を消した。
そして、今日の夕方。 ティッシュをそっとほぐして拡げると、
粗く紡いだ繭部屋の中で、蛹になっていた。

シロモンフサヤガ蛹IMG_0027.JPG

蛾、2種

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おそらく羽化して間もない、ヤマトカギバ。場所は庭のクヌギ。
ヤマトカギバIMG_9711.JPG
朝見つけたときから、昼過ぎてもまだ同じ場所に佇んでいた。

たまには顔も、見せてよ!

ヤマトカギバIMG_9718.JPG先月の27日に家壁から回収したカレハガ幼虫が、今朝になって羽化していた。

その姿を見て、自分の間違いに気付きました。

リンゴカレハIMG_9696.JPGカレハガと思い込んでいた幼虫の正体は、リンゴカレハだった。

餌はスモモとサクラの葉をよく食べて、繭を紡いだ。



仕事部屋の外灯に飛来した、リンゴカレハ。
リンゴカレハ17.07.JPG
擦れ傷一つ無い、新鮮な姿。

同じカレハガ科のカレハガ幼虫が、家の外壁に張り付いていた。樹木上なら隠蔽擬態が効いて、おいそれとは見つからないが、ベージュ色の壁では数メートル離れていてもよく目立っていた。
繭やら羽化成虫も見ておきたいので、アンズとサクラの葉っぱを入れたケースに、幼虫を回収しておいた。
忘れないようにね。

※この幼虫こそが、のちにリンゴカレハ幼虫と判明したので、訂正します。

ナツフジの花蕾は次々と成長しており、花期は長い。
ナツフジIMG_8733.JPG昨日、ウラギンシジミが産卵に来ていたが、夏に入って2世代目になるだろう。
先月、幼虫を飼育していたが、餌の花蕾を取って来ると、必ず卵や若令幼虫がついており、餌換えのたびに数が増えてしまうので、飼育そのものを断念した。


拾い物

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朝、犬の散歩からもどった嫁さんが、「林のなかで落ちていたよ」と差し出したのは
ヤママユの繭がついた、クヌギの枝だった。

ヤママユIMG_6379.JPG蛹のずっしりとした重みが、繭を振ってみるとわかった。強風で枝ごと落ちたようだ。

放飼していた繭は網掛けをしていた一個を除いて、全滅(消失)したので、この繭の拾い物は貴重である。どうやら、うちの林のクヌギ大木の高い梢で営繭したようだ。するとまだ他にも繭があるのかもしれない。もしもこの繭からメスが羽化したなら、オスの飛来を待って産卵を期待したい。

先日、産卵したコガネグモのメスは、お腹がパンパン。2回目の産卵はもうすぐかもしれない。
コガネグモIMG_6392.JPGホウセンカの花には、朝からチョウ達が次々とやって来た。
カラスアゲハ、モンキアゲハ、クロアゲハ、ナガサキアゲハ、アゲハ、、そして
小さなクロセセリ。
クロセセリIMG_6316.JPG長〜い口吻を器用に使って、吸蜜していた。

午後4時過ぎから、西側の法面の草刈り作業を行った。
法面の傾斜は一番きつい場所で45〜60度もあり、こうした場所での草刈りは、背負い式のビーバーを使う。ビーバーの刃は右から左へと振るので、左脚を軸足として
右手側が斜面。刈り取った草が斜面下に落ちるように振り子式に刈って行く。
法面では背負い式が断然扱い易い。
平面での草刈りでは肩掛け式と、使い分けており、肩掛け式は、さらにワイアカッター専用も一台あるので、我が家には、3台のビーバーがある。

昨夜、玄関の門灯をしばらく点けておいたら、次々と昆虫がやって来た。

ミヤマカミキリが毎晩のようにやって来るが、
それより一際目立っていたのが、ゴマダラチョウだった。

ゴマダラIMG_6201.JPG
今朝になってもずっと居残っていた、ゴマダラチョウ。
本種が夜の灯りに来るのは、初めて見た。

クヌギの樹液(コウモリガ幼虫巣)近くで、ハラビロカマキリ幼虫が獲物を抱えていた。

ハラビロIMG_8609.JPG獲物がスカシバ蛾の一種であることはすぐにわかった。
すでに、頭部はほぼ食べ尽くされていた。

確認するために、ハラビロカマキリには申し訳ないが、獲物を剥ぎ取った。

ハラビロIMG_6223.JPGやはり、予想は的中。獲物は、ハチマガイスカシバのメスだった。

ササの葉上で脚をもがいており、よく見ると産卵管が伸びては産むべき場所を探している。

ならばと、頭部の無いハチマガイスカシバをコウモリガ幼虫巣のパッド上に置いてみた。

ハラビロIMG_6266.JPG産卵管の伸縮運動は相変わらず続いたが、卵が実際に産み落される瞬間は観察できなかった。

おそらく、ハチマガイスカシバがここで産卵している最中に、ハラビロカマキリ幼虫に襲われたのは間違いないことだろう。産卵中は無防備だったのだろう。

そして、もう一つ確かなことは、ここからハチマガイスカシバの卵が見つかるであろうことだ。少し時間をおいてから、探査してみよう。

今日の昼間、うちの林で、アブラゼミとクマゼミの鳴き声を今夏初めて聞いた。いづれも一鳴きで終わったが、つまり、初鳴きには違いない。
ただし、クマゼミはおそらくどこからかの、流れ者であろうかと思う。


※ 始まりがあれば、必ず終わりもあります。

昨日、当ブログの終焉を今年の11月1日としました。
まだ少し先のことになりますが、敢えて告知しました。
そろそろ終わりにしようとは、1年以上前から考えていました。

このブログでは、昆虫を主人公に見立てて自然観察を楽しむ、というメッセージをずっと発信してきました。その役目を少しくらいは果たせたかな、と思っています。




「刑務所の中」

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九州地方は今朝、梅雨明けした。日射しが厳しく、朝から猛烈な暑さだ。

我が家にはエアコンが無い。(撮影スタジオにだけ設置しているが、ほとんど使っていない)

なので窓という窓はできるだけ開けて、すだれで直射日光を遮り、風通りを良くすることだけが、暑さ対策だ。もちろん扇風機は使うので、電気代がタダというわけでもない。

開けっ放しの玄関の網戸で、ウラギンシジミが盛んに口吻を伸ばしていた。
何かがダブったようにシルエットがいびつだったので、何だろう?と近寄ってみれば、チャスジハエトリがにじり寄っていた。

ウラギンシジミIMG_8287.JPG
しかし、刑務所の面会室みたく、お互い網戸の反対側にいるので、ハエトリグモの狩りは叶わず、ウラギンシジミは全く気にすることもなく、チュウーチュウーしていた。


ヤブガラシには、セスジスズメの幼虫が多い。若令から亜終齢まで、ステージも様々。
大きめの幼虫を眺めていたら、同じ株の葉っぱには、点々と卵がついていた。
セスジスズメIMG_6006.JPGはたして、周辺のヤブガラシの葉っぱには、裏にも表にもやたらと卵が産み付けられていた。
セスジスズメIMG_6368.JPG卵は形の面白さとしては物足りないが、これをいっぱい集めて束ねて、マスカットに仕立ててみたくなる。


一体何日ぶりだろうか? 今日は、久しぶりに洗濯物を天日干しできた。
予報では曇りだったが、青空も出て夏日となった。

ゴマダラカミキリのメスの活動が盛んだ。

ゴマダラIMG_8056.JPG
ソメイヨシノの細枝には、ヒメニシキキマワリモドキがいた。それも2頭。
1頭は警戒してポロリと落下した。
ヒメニシキIMG_5474.JPG体長9ミリ程度。 見た目通りに写真で再現するのは難しいが、現場でしつこく撮影してみた。ま、家から数十歩の場所ではあるが。

本種は、ゴミムシダマシ科Tenebrionidaeに属す。
ゴミムシダマシ科は国内で300種以上が記載されていて、全世界ではなんと16,000種もいるそうだ。
このグループは「ゴミダマ」と呼ばれ、そこそこ人気があるようだ。

さて、午後から草刈り作業をするので、その前にと、庭のクヌギで観察を続けていたら、目の前に、ハチマガイスカシバがやって来た。今夏、二度目の遭遇だ。
ハチマガイIMG_5569.JPGしゃがみ込んでいた私の目線の先には、コウモリガ幼虫巣のパッド(蓋)があり、ハチマガイスカシバは一直線にそこへ向い、着地するとすぐさま、お尻を曲げて産卵行動に入った。
ハチマガイIMG_5573.JPG数回、産卵をした(実際に産卵したかどうかは?)あと慌ただしく飛び去ったが、この途中にもう一頭のハチマガイスカシバも飛来した。あとから来たメス(おそらく)は、先客がいたか、とばかり別のクヌギへと飛び去った。

今日のところは、観察したままのことだけ書いておこう。
ハチマガイスカシバの生態は未知とされている。

午後1時半から、林の観察路を中心に草刈り作業を行った。2時間掛かったが、これくらいが限界。2回休憩をとったものの、作業を終えたあとは食欲が無くなるほど疲れる。
全部終えるには、あと一日は必要。






ハチマガイスカシバGlossosphecia contaminata、を見るのはこれで二度目。
ハチマガイIMG_7919.JPGちょうど目線の高さにいたが、うちの林の中。この1カットを撮影したあとさらに寄ったところで、飛び去ってしまった。

画像を拡大してみるとかなり新鮮な個体だが、警戒心は強く逃げ足が早かった。

2年前の同月20日にも撮影しているが、どうやら我が家の敷地内で繁殖していると考えてもいいのではないだろうか。