チョウセンベッコウヒラタシデムシの飛行術

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足元をゆっくりと舞う姿は、最初は何だかよくわからなかった。

体の柔らかい甲虫類だろうとは思ったが、

ゆっくりとはいえ、はっきり姿を捉えることができるほどの速度でもない。

着地して歩き出したとき、なるほどと納得がいった。

     チョウセンベッコウヒラタシデムシ、だ。 

        和名は長いが、学名は、     Eusilpha bicolor 

eusilphaIMG_0989.JPG和名に「ヒラタ」とあるように、体はとても扁平である。

本種が昼間に飛翔する姿は初めて見たが、飛翔しているときの格好が気になった。

      多くの甲虫類の前翅の構え方とは、だいぶ違うのだ。

eusilphaIMG_0997.JPG     写真は飛び立つ瞬間。  前翅がめくれ、体中央で背中合わせになっている。

     したがって、写真では左前翅の裏側が見えているが、

           このままの態勢で、うしろ翅を羽ばたかせて飛翔する。

うしろ翅だけで飛翔する甲虫ではハナムグリのなかまがいる。

ハナムグリの場合、前翅は畳んだままでわずかな隙間からうしろ翅を出しているから、

前翅が空気抵抗を生じることはほとんどないように思えるが、

チョウセンベッコウヒラタシデムシの場合、前翅がどのように機能しているのか興味深い。

飛び立ったところで捕獲し、何度か飛翔シーンを狙ってみたが、

捕獲すると途端に地面走行モードに入り、ひたすら落ち葉の下などに潜り込む。

普段は地面で動物の死骸や腐食物を漁る生活をしているので、そのせいか

かなり強烈なニオイも放つ。 

飛翔モードに戻ってもらうには、しばらくケース内で落ち着かせてから草上に返すといい。

結局、飛び立つ瞬間の一枚しか撮影できず、それが最後で姿を見失った。


 さて、、、、注文していた、ルーペが届いた。

ドイツのESCHENBACH社のmobilux で、LED照明付き。 倍率は10倍。

レンズ径は35ミリあって視野が広い。そこが大事なポイント。

レンズはPXMという樹脂製非球面レンズで隅々まで鮮明に見える。

樹脂だがレンズ表面には特殊コーティングしてあり、傷がつきにくいそうだ。

ESCHENBACHは、ドイツ屈指の光学機器メーカー。

5年前にも同じルーペを購入したが、今回のはリニューアルしてさらに使い易くなった。

ルーペIMG_1011.JPG                                黒い布製箱はレンズカバー

10倍程度のルーペは各メーカーいろいろあるが、口径の大きい製品は稀。

ただし、mobilux LED 、値段は送料込で¥8800 もする。 






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