でっかいカメムシ参上なり

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「お前さんと顔を合わしたのは、今日で二回目であろう。」カメムシ。

「たしか前にお会いしたのは、寒~い冬でしたね。」シンカイ。

「お前さん、あんとき、わしのことを、オオヘリカメムシと書いたのう。憶えておるか。」カ

「はいはい、憶えてますよ。スミマセンね、あんときは知らなかったのです。」シ。

「わしが、ミナミオオヘリカメムシ様と、知らなかっただと!阿呆たれ!」カ。

「ミナミがつくか、つかないかの、微差でしょ。」シ。

「大バカタレ!!犬と猫を一緒にするのと同じ、誤ちじゃあ~!!」

「種が違うのじゃ!わしとオオヘリ野郎とを一緒にするなあ!」カ。

Z6103821.jpg「じゃあ~、オオヘリさんと、どこが違うのですか?」シ。

「アホか! よ~く見れば一目瞭然じゃろうが。」カ。

Z6103828.jpg「あ!ギザギザがあるw!肩のとこ。 」シ。

「世界観が違うとでも言っておこうかのう、オオヘリ野郎とはのう。

わしらは、暖かい場所に棲んでおるのだ。好みの餌も当然、違うのう。

教えんけどナ!」カ。


はい、そこまで♪

ミナミオオヘリカメムシ Molipteryx asahinai は成虫越冬だから、今の時期に

出会うのは冬を越して活動に入った成虫で、これから繁殖期であろうかと思う。

近似種オオヘリカメムシの卵は拙著「カメムシ観察事典」に載せたと思う。

飼育下ではあったが、フキの茎に産卵したものだ。

体が大きいので、卵もでっかい。  でも、頭(顔)は小さい。

かなり昔の話だが、

東京にいた若い頃、オオヘリカメムシを撮影したくて、どこに行けば本種に会えるのか

ある方に教えてもらったことがある。

ある方G氏の職業は昆虫標本商で、店はなんと原宿にあった。

東京に住んでいても、私と原宿との接点は皆無だったが、

G氏と会うためには、原宿に行くしかなく、場違いな雑踏をかき分け、

とあるマンションの一室の扉を開ける。

すると、そこはまるでドラえもんの「どこでもドア」の先の世界、みたい。

回りの世界とは隔絶された、異次元だった。

ナフタリン臭のなか、G氏から教わったオオヘリカメムシの生息ポイントは、

裏高尾であった。

「10月かなあ、秋だよ。アザミの仲間を見ていけば、必ずいるよ。」G氏。

「ありがとうございます!行ってみます。」シ。

で、私は教えてもらった通りに、はじめてオオヘリカメムシと出会え、

興奮しながら、でっかいカメムシを撮影することができた。

今更ながらですが、Gさん、あのときは、本当にありがとうございました。


今朝のこと、アサガオを植えた花壇に、ホオズキカメムシの卵塊があった。

ホオズキカメムシ15A_4724.JPGアサガオは、ホオズキカメムシの宿主植物の一つだが、

卵はアサガオの葉ではなく、離れたイネ科植物に産んでいる。

ホオズキカメムシの卵はこうして、宿主からわざわざ離れた別の植物に産み落とされる

ことが多い。 それは、なぜか?

答え? それは、みんなで考えましょう。

  使用機材:      OM-D E-M5 M.60ミリマクロ FL-300R (オオヘリカメムシ)

   Canon EOS 5D Mark III レンズ    EF100mm f/2.8L +M250 600EX-RT (卵)

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