ジョロウグモの脱皮

| | トラックバック(0)
松山の実家のすぐ傍、

いつも観察に訪れるエノキ大木は、3本並んでいる。

もともと、その場所にはクロマツの大木2本が植わっていたが、

松枯れとなって倒木の危険性がある、ということで私が高校2年のときだったか、

( 訂正:当時18歳、高校を卒業した年の12月でした。 )

切り倒された。重信川河川敷に沿って並んだ二本松は、どこからもよく見えて、

実家に戻るときは「二本松まで」と言えばタクシーの運転手にも通じたのである。

大勢がロープを引き、巨木のクロマツがいよいよ倒れるという瞬間に

立ち会った私は、妙に悔しく悲しかった。それまでは、目印としての存在くらい

にしか思っていなかったクロマツだが、幼少の頃から見慣れていた風景である。

残念な気持ちが急に湧いてきて、しかも伐採作業に馳せ参じた団体の方々が

嬉しそうに楽しそうに作業する姿が、恨めしかった。

当時、地面に落ちていた松ぼっくりを持ち帰って、わざわざ鉛筆でスケッチした

ことを、今日になって想い出した。あのときは、けっこう感傷的になって、

やるせない気持ちで一杯になったのだと思う。

伐採されたあと、とくに何を植えていたわけでもなく、神社の石碑が

二つ並んだ草地になっていたが、10数年経たのち、実生から育ったエノキが

大きく枝を広げるまでになり、今日に至っている。

ここにはセンダンの大木も二本、あって、狭い土地ながら毎年、クマゼミが

数多く羽化している。アブラゼミは劣勢で少なく、300メートル北にある

神社境内では、逆にアブラゼミがもの凄い密度で発生しており、そちらでは

クマゼミは滅多に姿を見ない。

伐採されたクロマツのことを思い出したりしていたが、目線のすぐ先で、

ジョロウグモのメスが脱皮を始めているのに気付き、我に返った。

ジョロウグモ脱皮IMG_5232.jpg
あいにくと風が吹き続けていて、振り子のごとく揺れていた。

写真撮影にはシンドイ状況だった。しかし、刻々と脱皮は進行する。

メスの脱皮の間、画面の上で見えないが、オスがじっと見つめていた。

ジョロウグモ脱皮IMG_5276.jpg
完全に体が抜けきるまで、ずいぶん長く感じたが、実際にはわずか8分程度だった。

したがって、クモ類の脱皮を偶然に撮影できるチャンスはそう多くない。

個体数がきわめて多いササグモなどは脱皮に立ち会える機会もよくあるけれど。


今日の写真は、昨日、愛媛県、松山市で撮影したもの。


さて、WiMAX接続が使えるノートPCは、私の場合、VAIOだが、

松山に持って出たのは、MacBook Air。軽くて薄くて、持ち歩くなら

MacBook Airがいいやと、軽い気持ちでいたのだが、

MacBook AirにはVAIOに内蔵されたWiMAX接続ユーティリティというものが

無いことにハタと気付いた。
« 小さなカマキリ       ヒガンバナ、咲き始める »