25年前の写真

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ここのところ、ポジフィルム写真を整理している。残すべき写真を厳選し、できるだけ身軽にしたい。宮崎に来てから、カビの被害も増大した。防カビ対策のためにも、量は減らしておいたほうがいい。
で、残すポジ写真も、できるだけデータに変換しておきたい。仕事上ではデータを要求されることがほとんどだ。しかし、本格的なスキャニング機材は持っていない。現状では、簡易ヂュープで凌いでいる。

今日の写真は、25年前の4月に撮影した、モズの♀。松山の実家のすぐ傍で、モズの生息密度が極めて高い環境だった。
モズ♀199204.JPG使用機材は、Nikon F3 に600㎜レンズだったが、カメラもレンズも処分してしまった。25年前の当時は、モズの撮影のために東京からわざわざ松山に戻っていた。もっとも冬から早春にかけての時期に限定していたが、滞在日数は2週間前後だった。当時は東京〜高知間のフェリーがあったので、機材は目一杯積んで移動できた。

さて、写真のモズだが、表情がかなり特異に見えるのは、冠羽を逆立てているからだ。一瞬のことで、同じポーズをさらに撮影しようとしたが、こういうチャンスは滅多にない。モズは餌として様々な小動物を狩っているが、なかでも昆虫類は多い。モズの目を通して昆虫を見ることができないだろうか、そんな思いもあって、モズという鳥にこだわってきた。25年前、情熱を注いだ撮影現場は、環境が激変してしまい、モズの暮らしには適さなくなっている。地主さんに許可を得てあちこちにブラインドを設営した草地環境は、今では薄暗い密林に覆われてしまい、一歩も踏み込むことさえできない。
モズのポジ写真を整理しながら、やり残したことがあまりにも多いことに焦りを覚える。
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