今日の「しわざ」の主は?

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三股町 田上

駐車場の隅に生えているエノキは、コンクリートの狭い隙間に根を張っている。したがって、幹は隙間の巾以上に成長できないのだが、それゆえか枝葉の繁茂が尋常でない。車を停めるときも邪魔になるので時々剪定しているが、切れば切るほどに、まさに倍返しのごとく枝葉が伸び広がる。一昨年だったか、思い切って根元ギリギリで幹を切り詰めてみたが、それも逆効果でさらに元気を盛り返した。そこで、さすがに私もエノキの逞しい生命力に匙を投げた。「好きなだけ枝葉を広げてよ。邪魔なとこだけ、刈らせてもらいますから〜」

今朝のこと、そのエノキの前を通り掛かってふと見れば、若葉の縁に「しわざ」を発見。それも数多くあった。
エノキのしわざ701A1303.JPGこれはもしかして、と葉を裏返してみれば、いました。            しわざの主が。
エノキのしわざ701A1331.JPGホシアシブトハバチの若令幼虫が、体を丸めている。

よくよく見渡すと葉の縁にしがみついて食事中の幼虫や、葉表を堂々と歩いている者もいた。食事をするときは体をピンと伸ばしているが、危険を察知するやいなや上写真のごとく、とぐろを巻いた姿勢になる。

2〜3週間ほど前、うちの林や近所で、ホシアシブトハバチの♀が盛んに飛び回っているのを見ていた。いろいろな木々の葉に止まっては飛び立ち、を繰り返してエノキを探し求めていることがわかった。すぐ近くにエノキがあるのに、なかなか到達できないので、見ている方がイライラした。

じつは一昨年の春、うちの林のエノキでホシアシブトハバチの産卵を目撃し、撮影もうまくいった。産卵は移動しながらかなりの時間を掛けていたので、幼虫の観察を期待していたが、どういうことか、その後、しわざ一つ見当たらなかった。結局、幼虫は一匹たりと見つからないままに終わった。

今年は産卵行動こそ見れなかったが、庭のあちこちのエノキで、幼虫が多数見つかっている。

さて、ホシアシブトハバチ若令幼虫の食痕に、そっくりな、しわざもあるので要注意。ミノムシの一種も同じエノキの葉で、まったく見分けがつかない食痕を残しているからだ。ともあれ、数多く食痕が並んでいたら、そっと葉を裏返して確認してみよう。
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