焼酎ワンカップの使い処とは?

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黒化型キアゲハ幼虫、室内での撮影を終えたので、元いたニンジン畑に

戻した。幼虫を入れて運ぶ容器は、いつもの焼酎ワンカップだ。

頑丈で程よい容量があり、栓もきっちりできるので重宝している。

ニンジンに幼虫をリリースしたあと、空になったワンカップを見て、

ふと思いついた。思いつきが醒めないうちにさっそく実行することが肝要なり。

まずは写真をご覧あれ! コンデジ高倍率接写カメラの完成だ。

コンデジマクロ_MG_9953.JPG
焼酎ワンカップはコンデジのレンズ先端に、クローズアップレンズを取り付ける

アダプターとして使っている。コンデジはカシオのEX-ZR300。

ワンカップの直径がレンズ根元部分にちょうど合っていることに、気付いたのが、

ことの始まりであった。

アダプターを固定する金具は、L型金具を切断して拵えた。カメラ底部の三脚ネジ穴に

ネジで留める。バッテリー蓋が開くよう、写真とは別のネジ頭の小さいものに

あとで替えた。

クローズアップレンズを、ワンカップ製アダプターに取り付けるには、

49-37ミリ、ステップダウンリングがいい。

このステップダウンリングをワンカップにねじ込むには、ちょっとした技が必要だ。

説明しよう。

まず焼酎ワンカップにも、いろいろ種類がある。

今回使ったのは、蓋がクリーム色の奥の二本のうち右側。

一番小さいワンカップを除いて、どれにも筒の途中にくびれがある。

これはカップの強度維持と手に持ったときの滑り止めの役に立つのだろう。

だが、このくびれこそが、ステップダウンリングのねじ込みに必須の形状となる。

ステップダウンリングの外径49ミリはワンカップの径より若干小さい。

ワンカップを必要な長さに切り詰める際、リング外径に合わせて

くぼんだ部分で切り取るのである。だが、くぼみのどの辺りで切るかは、

1ミリ以下の精度で慎重に行う。たいへん神経を使う作業だ。

ハサミも半端なものでは、ダメだ。しっかり切れる工作鋏を使う。

この切断作業がうまくいくと、リングをガッチリとねじ込むことができ、

接着剤も要らない。まあ偉そうなこと書いているが、じつはまぐれである。

しかし、結果的に「匠のわざ」となった。 ここは自慢しておこう。

恐る恐るリングを充てがってみたら、ガッチリ嵌り、自分でも驚いたのだ。

逆に外そうとしても、抜けなくなった。 もう引き返せなくなったわけだ。

工作という行為には、進退極まりない事態が必ず生じるが、そのときの決断も

大事である。進むか、戻るか。

もっとも行き当たりばったりでやるからなのだが、、、、。

ともかく、ワンカップでレンズアダプターを作るというアイデアは、

どうやら成功というゴールが見えてきたので、そのまま進行した。

L型金具を切断するには、金属ノコでもいいが疲れるので、グラインダーを

使用。派手に火花が散るが少しの辛抱だ。

アダプターとの接続用ネジ穴を、ボール盤で空けたり、L型金具と

アダプター間にできる隙間補充のアクリル板を加工したりと、

ほんの少し時間と手間も要するが、工作としては序の口、初心者向けであろう。

工作に必要な材料は全て手元にあったもので賄っているので、買い物に

出掛ける時間的ロスは皆無だった。 これも大事だ。

ストロボに被せているのはおなじみの、富士写真乳白フィルムケース。これは、

ゴムバンドでレンズアダプター胴体に固定する。

この内蔵ストロボでだいたい光は回るが、右側からの偏ったライティングになるので、

できれば左側から、2灯目を入れたい。 無くてもいい場合もあるが、撮影条件しだい。
コンデジマクロ_MG_9956.JPG

スレーブストロボは、OLYMPUSのFL-36R、NikonのSB-30+SU-4(上写真)で、

同調発光できた。SU-4はNikonのスレーブユニット。ピヨピヨと可愛いサウンド付き。

ただ、SB-30はもう製造していない。中古でたまに出ているようだが、稀。

言うまでもないが、EX-ZR300カメラの設定はマニュアル(M)、

ズームレンズ望遠端(300ミリ)、マニュアルフォーカス、ストロボ強制発光、

などとする。シャッター速度は1/200。

ISO感度は80〜400で使ってみている。

絞りは2段階しかないので、数字の大きいほうにする。


林のササで眠に入っている、クロヒカゲ幼虫3令幼虫の頭部を、さっそく試し撮り。

マクロテストCIMG3440.JPG
スレーブストロボの逆光も効いて、複眼表面に生えている細毛もよく写っている。


次は、クスサンの繭の一部。

マクロてすとCIMG3492.JPG
べっこう飴細工のような、編み目状の繭糸である。これもスレーブストロボの逆光で

糸の透明感を表現できている。

今日は雨だったし、他の仕事もあって、

コンデジ高倍率接写カメラでの作例を多く撮影できなかった。

わずかのテスト撮影ではあったが、一番の好印象は、レンズ先端から被写体までの

距離、ワーキングディスタンスが3センチ以上もあるのが、いい感じだ。


3センチあれば、ライティングにも余裕が持てる。

クローズアップレンズは、レイノックス社の製品だが、以前、

ビデオの仕事で必要となり購入したもの。

身の回りにある、眠っている機材を活用すると、いろいろ面白い発見もあるものだ。

もっとも焼酎ワンカップは、機材ではないけど、、、。


























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