ミヤマセセリ、蛹となり、マムシグサ伸び上がる

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飼育ケース内に糸を張り、ハンモックのなかで前蛹となったのは4日前のこと。蛹化脱皮がなかなか始まらないので、かなり心配になった。昆虫の変態では、脱皮が途中でうまくいかなかったり、始まらなかったりと、トラブルがつきものだが、まさかこのミヤマセセリも!?と見守っていた。ところが昨夜遅くになって、わずかだが体の収縮運動が断続的に見られるようになった。前蛹期が4日というのはやけに長い。長過ぎるので何かあるのでは?と半信半疑、夜中は1時間おきに様子を観るだけにした。そして、今朝のこと、午前9時過ぎにようやく、蛹化脱皮が始まった。
ミヤマセセリ蛹化701A6387.JPG体を覆っていた薄い皮がゆっくりとお尻へ、たぐり寄せられていく。尾端まで脱ぎ終えるまでにほぼ10分だった。
ミヤマセセリ蛹化701A6404.JPG
尾端まで脱ぎ終えると、腹部をくねらせて脱皮殻を外す。尾端はたくさん張り巡らしたゆりかごの糸に自然と固定された。
ミヤマセセリ蛹701A6414.JPGさて、前蛹期間が4日間と異様に長かった(種類によって差はあるが一晩〜2日間程度が多い)理由が低温下の条件によるのではないか、と思えた。前蛹を保管していたのはスタジオだが室内とはいえ暖房は入っておらず、なおかつプラケースごと机の上に置いてあった。本来の自然条件下では、地面の落ち葉布団の中で蛹化が行われる。屋外とはいえ、落ち葉の中はけっこう気温が上がることもあり、昼夜の温度差があるにしても、前蛹は暖められる時間がたっぷりあるはずだ。低温がずっと続くことで脱皮が抑えられているのでは、と思い直し、今朝は撮影場所にストーブを置いて暖めたのであった。すると、やはりだろうか、ストーブの熱気が伝わり始めた瞬間、断続的だった前蛹の収縮運動が急激に活発となった。

夕方、雨が止んだので犬の散歩に出てみた。昨日はずっと雨だったので観ていないが、少なくとも一昨日にはなかった場所に、マムシグサが突き出ていた。高さは30センチもある。
マムシグサP3070005.JPG

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