キアゲハとカノコガ

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午前7時23分。アカショウビンの清らかな囀りが、すぐ近くから聴こえてきた。
玄関を出て、鳴き声の場所を探ってみたが、残念ながらアカショウビンの姿は見えなかった。これまでで一番近い場所での囀りだった。「おかしいなあ、すぐそこにいるはずだよ」と嫁さんに話し掛けながら、道路先の杉林を未練がましく眺めていたのだが。

ある本の仕事で、休耕田に通っている。いや、昆虫写真家という仕事は、何はともあれフィールドに通う毎日ではあるのだが、時間帯を選び、季節を選び、とその稼働メニューはじつに複雑である。これをあらかじめ、スケジュール表に現すのも不可能だ。五感と過去のデータの蓄積とを照らし合わせながら、フィールド巡りのスケジュールを考える。狙った被写体探しもあれば、撮影のタイミングを計るだけの下見もあれば、新たな出会いを求める冒険にもアンテナを立て、そんないろんな作業を伴っている。
ばったり出会った方から。「何かいい写真撮れましたか?」という質問もよく受けるが、返答に困る。

今、通っている休耕田は湿地に近く、セリの大群落に覆われている。おそらく今朝のこと、羽化したのだろう。キアゲハのオスがいた。この場所のセリで幼虫が育ったのだと思う。
キアゲハ♂_MG_0918.JPG私が近寄ると飛び立ってしまうが、しばらくしてすぐに降り立ち、翅を休める。まだウォーミングアップが足りないようだ。できる限り刺激を与えないよう、何度も諦めず寄って行くと、やがてすぐ間近でも撮影できるようになった。
キアゲハ♂_MG_0914.JPG
同じ休耕田には、カノコガの新成虫も数頭いた。
カノコガ_MG_0978.JPG

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