2013年8月アーカイブ


運が悪い

| | トラックバック(0)
ツマグロオオヨコバイは、今がちょうど羽化期で、新成虫の姿が増えてきた。

先日、幼虫がたくさん見つかったクサギでは、その幼虫がクモの餌食となっていた。

3Z5A7867.JPG幼虫の体はクモの上顎にがっちり挟まれている。 クモは、キシダグモ科の一種だろうか。

巣網を張らない、徘徊性のクモだ。

畑の赤紫蘇では、数日前からオンブバッタの大きなメスが、ずっと陣取っている。

3Z5A7829オンブバッタ.JPGオンブバッタは様々な植物を食草とするが、赤紫蘇もけっこう好んで食べる。

オンブバッタもまだ幼虫が多く見られ、ちょうどこれから新成虫が増えてくる。


(写真:  Canon EOS 5D Mark III    EF100mm f/2.8L Macro IS USM )







昨夜、我が家の灯りに飛来したのだろう。 小さなカブトムシの♂。

しかし、運悪く、オニグモの巣網に絡んでしまったようだ。

3Z5A7771オニグモ.JPG背景左上にボケているが、イソウロウグモも寄ってきた。

おそらく昨夜は糸でグルグル巻きにしておき、今朝になって食べ始めたようだ。


(写真:    Canon EOS 5D Mark III    EF100mm f/2.8L Macro IS USM )



昨夜羽化した、ツクツクボウシの♀。 このあと、元気に飛び立って行った。

3Z5A7711ツクツクボウシメス朝.JPG♀の羽化が始まるのを待つ間、夜の林では、

タイワントビナナフシがヌルデにいた。 他にももう一頭いた。

懐中電灯の灯りに浮き上がって、結構、目立つ。夜のほうが見つけ易いと思えた。

3Z5A7548タイワントビナナフシ.JPGヒサゴクサキリ♂が、すぐ傍らのササにいた。 夜は眼が黒い。

3Z5A7588ヒサゴクサキリ.JPG林を出た庭の紫陽花では、ショウリョウバッタの交尾カップルがいた。

3Z5A7608ショウリョウバッタ交尾.JPG♂はどうして、こんなに小さいのだろう。  ♀はどうして、こんなに大きいのだろう。


そして、今日は朝から桜島の火山灰が風で飛んでくる。  掃除してもまったく無駄。

すぐに部屋中、ザラザラになる。 仕事部屋は暑いが、窓を全部閉めた。

しかし、家のどこか一箇所でも窓が開いていると、家中、すぐに灰だらけだ。

車のフロントガラスに積もった、灰。 新燃岳噴火時の、あの小石のようなでっかい

粒に比べれば、非常にきめ細かい粉状である。

3Z5A7717火山灰.JPG都城市、三股町方面がちょうど、桜島の風下になっている。

台風の接近で雨が欲しいところだ。

夕方、車を洗車したが、多分もう今頃は灰をかぶっていることだろう。



夜の劇場・第二幕

| | トラックバック(0)
午後6時20分。すでに羽化済みのツクツクボウシ♀がぶら下がっていた。

早い!

午後7時から地面に出てくる幼虫を探してみたが、ようやく一頭だけ見つけた。

しかし、その幼虫が定位して羽化脱皮を開始したのは、午後10時20分。

3Z5A7641ツクツクボウシ羽化.JPG体を起し、抜け殻に掴まる瞬間を見ているときは、緊張する。

3Z5A7662ツクツクボウシ羽化.JPGお尻が抜けて、長い産卵管が現れた。    メスである。

3Z5A7688.JPG




夜の劇場

| | トラックバック(0)
ツクツクボウシの鳴き声が、いつの間にか賑やかになってきた。

屋外撮影、室内作業をこなしながら、午後3時頃、我が家の林を歩いてみた。

毎日、フィールドをゆっくり歩きたいが、仕事の都合上そうもいかない。

寸暇の時間だけ、歩く。  寸暇であっても貴重な時間となる。

ツクツクボウシの抜け殻が目に付く。多くは地面から30センチ程度の低い位置で

見つかる。高いところでは1m30cm。

写真の抜け殻は、キツネノマゴだろうか、地上高20cmにあった。

3Z5A7137_1.JPGツクツクボウシ抜け殻.JPG抜け殻が多いのだから、羽化を見ておこうと思った。しかし、今日はやたらと忙しい。

夕食を済ませて(夕食の準備の手伝いもできず、後ろめたい)、ようやく林に出たのが

午後8時頃。やはりもう遅かった。

3Z5A7276ツクツクボウシ羽化.JPGこの♂は、すでに翅を屋根型に畳んでいる。掴まっている葉は、ヘクソカズラ。

狭い範囲で、四頭の羽化個体を見つけた。そのうち一頭が、♀だった。

いづれも翅を伸ばしきっていた。

3Z5A7313ツクツクボウシ♂羽化.JPG( 写真:   Canon EOS 5D Mark III レンズ    EF100mm f/2.8L Macro IS USM 

                             ストロボ2灯 )


パソコンに向かって作業を続けることは、肉体的にも精神的にも、非常に疲れる作業だ。

と、このところ特に感じるようになった。いや、体に頭脳に良くない。

だから本能的にパソコンから逃げ出したい気分が私には強い。

かつて、フィルム現像所に通っていたが、そこには技術者がいて、その作業を見ることは

ないにしても、人が作業をしていることがはっきりと認識できたし、

現像の出し、受け取りには、カウンターの若い女性と声を交わすこともできた。

写真とはそういうものだったし、そういう作業の中の疲れ方は、単に肉体労働の疲れだけ

だったと思う。トラブルが生じても、人がやることだから、という了解もあった。

便利になる一方の世の中に、自分は順応できないことが多いことに気付く。






雨、アカタテハ

| | トラックバック(0)
昨夜から久しぶりの雨となった。

IMG_9084.JPG雨.JPG桜島の降灰も、これで少しは洗い流されるだろう。

居間の窓サッシ網に、アカタテハが来ていた。

IMG_9063アカタテハ.JPG以前、ルリタテハも来て、盛んに口吻を伸ばしていたが、サッシ網に何が染み込んでいる

のであろう?

撮影も今日はスタジオで。あとは一日中、パソコンに向かっての作業だった。

( 写真:  Canon EOS 6D レンズ    EF70-300mm f/4-5.6L IS USM  

                       EF100mm f/2.8L Macro IS USM    )




お歯黒

| | トラックバック(0)
我が家の林のコナラ。樹齢は40年以上だろう。

アブラムシが大発生し、おかげで葉っぱの表面が黒く煤けたようになり、

あまり近づくこともなかったのだが、久しぶりに覗いてみれば

もうドングリが大きくなっていた。

IMG_9033コナラどんぐり.JPGクサギの葉っぱには、ツマグロオオヨコバイの幼虫が多い。

そろそろ羽化の時期が迫っている。

IMG_9012.JPGツマグロオオヨコバイ幼虫.JPGハラビロカマキリの新鮮な♀がいた。その前に♂もいたのだが、♂はすぐに逃げてしまった。

メスは気が強く、威嚇してきた。

IMG_9050ハラビロカマキリ♀威嚇.JPGオスの威嚇行動も一度だけ、埼玉県飯能市で撮影したことがあるが、そもそも

オスの存在は影が薄く、出現期間も短いために観察する機会が少ない。




足下の世界

| | トラックバック(0)
さすがに、体のあちこちが筋肉痛となった。

今朝は、いや昨日もだが、我が家の林で土掘り作業を行った。

正確に言うと、もう数ヶ月前から続いている作業だ。

その成果が出るまでに要した時間は、5時間。 長い、じつに長い。

5時間と言えば、うちから大分市内まで、車だとその位掛かるし、

あと1時間足して6時間だと、電車に乗って博多まで行けてしまう。

いっそ、博多で一杯やりたくなる。

気の遠くなるような作業をしながら、私は何を考えていただろうか?

あまり考えていると、こうした作業はうまく続かないものだ。

成功した場面ばかりを描いて、そのゴールの瞬間の感激を想像していると

疲れるだけで、作業の効率は上がらない。

無心に掘る、それしかない。目標に向けて、ひたすら掘る。

掘る手つきも、休憩の取り方も、だんだん板についてくる。

ああ、これがプロの仕事かもしれん、と自分に酔う。それも危ない。

しかし、思う。

昆虫写真家の仕事とは、儲からん稼業だ。これは言っておく。

昆虫写真家になりたい、などという人は稀有だろうが、忠告しておく。

もしも、私の仕事場に厳格な経理の人間がいたら、事務所からすっ飛んできて、

即「止めなさい!」と叱咤されることは間違いない。

幸い、経理の人はいないので、誰かに怒られることはないが、

家族はとっくに呆れており、私との関わりを避けている。

「お父さん、また変なことばかりしている。」 「あれが、仕事け?」

それはともかく、痛風発作で半月ばかり、掘る作業ができなかったのが痛かった。

掘っている間に、目の前のカラスウリの葉に、ミナミマエグロハネナガウンカがいた。

IMG_8868.JPGミナミマエグロハネナガウンカ.JPGハネナガウンカの視線を感じたとき、

「焦るなよ。」と、自分に言い聞かせたのである。いつものセリフであまり効果はないが、

こうして気分転換するのは、大事なことだ。


今日は写真展の撤収作業もあったが、撤収はすぐに終わった。

なごり惜しい、という役場のある女性の言葉が、耳に残った。

主催は三股町役場であるから、私の意思とは別ではあるが、

少しでも多くの方が自然に関心を寄せて欲しい、とは思う。

都城市も三股町も、その土地柄か、自然に興味を抱く人は少ないと感じる。

虫だけでなく、虫をきっかけにして、自然観察の楽しみに気づいて欲しい。



午後4時半頃。 

我が家の林で作業をしていたら、大きなトンボの交尾カップルが

すぐ頭上を通過した。目で追うと、近くのケヤキの枝に止まった。

慌てて望遠レンズを仕事部屋まで取りに行って戻ってみれば、交尾カップルはまだいた。

オニヤンマだ。

IMG_8856オニヤンマ交尾.JPG数年前にもこの場所のすぐ傍で、交尾カップルを撮影している。

オニヤンマの♂が♀をキャッチして交尾が成立する場所も、毎年ほぼ同じ場所であり、

そこから程遠くない場所に一度は落ち着くようだ。

高さは4mほどだが、ケヤキの生えているところは崖っぷちの先端で、

枝はさらに崖から離れており、どうやっても距離を詰めることができない。

脚立を立ててできるだけ目線に近いところで撮影してみたが、300ミリ望遠でここまでが

限界。脚立を立てる位置も一箇所しかなく、カメラアングルの変化もつけることができない。

ともかく、証拠写真にはなった。※少しトリミングしてます。

( 写真:    Canon EOS 6D   EF70-300mm f/4-5.6L IS USM 600EX-RT )

昨日、昆虫写真家の尾園暁さんのブログでも、オニヤンマの交尾写真が載っていた。

神奈川県と宮崎県南部で、ほぼ同じ頃にオニヤンマの交尾が観察されたわけだ。

尾園さんの「湘南むし日記」を毎日、拝見していると、こちら宮崎方面の昆虫の種類との

違いや、出てくるタイミングのズレなど、いろいろと興味深いことが見えて面白い。


望遠レンズを付けたカメラをしばらく庭に置いてたら、いつの間にか火山灰を被って

白くなっていた。車にもかなり積もっていた。桜島の火山灰だ。

宮崎県内でも火山灰がこれほどひどく降る、という情報は事前に知り得なかった。

引っ越してみてびっくりだ。活火山を身近に意識できるということでは、降灰ほど

わかり易いものはないし、ときには噴火音と空振も半端ではないので、

地球というものを地学的に見直したり、あるいは哲学的に思考したり(嘘だけど)

という時間も捨てたものではないが、ひとたび、こんな火山灰など生活のマイナス面に

こそなれど、何の足しにも役にも立たんと腹立てるようになれば、それは地獄に

住んでいるような気分にしかならないであろう。

しかし、狭いニッポン、地震からも活火山からも、逃げようにも逃げ出せないのが、

現実である。現実であるならば、これを受け入れるしかない。

って、まるで某民放ラジオの人生相談で毎日流れるセリフみたいになった。







一昨日、20日の正午頃。  愛媛県、松山市、南高井町の正友神社、境内。

樹林内に入ったり出たりする、ナガサキアゲハの♀がいた。

産卵木を探しているのだろう。この神社の社殿には、一本だけミカンの木がある。

冬場には、クロアゲハの越冬蛹が見つかることもある。

ナガサキアゲハの動きを追っているうちに、目の前のサンゴジュに

ヤンマがぶら下がっているのに気付いた。

「エッ!!いつの間に!?」 

たしかさっきまでは何もいなかった、サンゴジュの幹に、大きなヤンマが。

寸胴の体型、これは ネアカヨシヤンマ !

701A2891ネアカヨシヤンマ♀.JPG2回シャッターを切って、レンズを替えようとほんのわずか目を離した隙に、

ネアカヨシヤンマは忽然と姿を消していた。 落ち着ける場所ではなかったのだろう。

高所の枝に移動したのではないか、とずいぶん探してみたが、見当たらず。

翌日もまた昼間に同じ場所を探ってみたが、ヤンマの姿はなかった。

                まさに一期一会。

( 写真:   Canon EOS 5D Mark III     EF100mm f/2.8L Macro IS USM 270EXⅡ )


※ 三股町文化会館エントリーホールで先週17日から開催中の写真展は、

明日で終了。午後4時頃から撤収作業をする予定。

明日、新開は午後1時過ぎから会場に居る予定です。

クスサンの繭をもう少し回収しておきたいので、外の植え込みでウロウロしているかも

しれません。



入道雲

| | トラックバック(0)
高校野球、決勝戦のラジオ中継を聞いていたのは、

ちょうど国道10号線を南下し、大分から宮崎県、延岡市に入る頃だった。

電波状況が悪く、ところどころで中継の声が途切れてしまうのが、いい。

「ええ!?どうなったの?」と聞き耳を立てていると、しばらくしてまた

ノイズいっぱいの音声が流れてくる。緊迫した試合展開が

スリリングな演出効果のもと、聞けるのであった。

試合結果は、東九州道サービスエリア「川南」に入った直後に聴けた。

宮崎県、延岡高校が負けた。優勝したのは群馬県前橋の育英高校。

前橋には仕事でずいぶんと通ったこともあり、全く知らない土地でもない。

川南を出てしばらく進むと、尾鈴山あたりに大きな雲が掛かっていて、

ときたま雨が降っていた。

三股町に戻ってみると、都城盆地の北に大きな雲海があった。

IMG_8806nyuudougumo.JPG局地的にあちこちで、雨が降っているのだろう。

久しぶりにイヌの散歩に出てみれば、トノサマバッタがやけに多くなった。

犬のチョロはバッタ狩りに夢中になる。どうやら、余程、旨いらしい。

近所の畑のゴマもだいぶ実ってきた。

IMG_8827ゴマ畑.JPG
あちこちの草むらでは、スズムシが鳴いている。

私の仕事部屋の周りでも、先週頃からスズムシが鳴くようになったが、

このブログを書いている時刻には、アオマツムシの騒音が酷くなってきた。


クマゼミの産卵

| | トラックバック(0)
松山のクマゼミもそろそろ終盤。

「シャワ、シャワ、シャワ♪」の大合唱も勢いが衰えた。

地面にころがる死骸の姿も増えた。

センダンの枯れ枝では、クマゼミのメスが産卵していた。

701A3278クマゼミの産卵.JPG
昨夜は、持ち歩いていたヤママユの繭の一つが羽化した。 

Z8201729.jpg今回はビデオ撮影をした。

大気が不安定になって、雷雨があるかも、と天気情報では毎日告げているが、

一度も、ちょっとも雨は降らない。雨乞いしたくなるような日々が続く。








鳴く虫

| | トラックバック(0)
松山の実家の夜。

マツムシと、エンマコオロギの合唱。そして、しばらくすると、ミツカドコオロギの奏でる声。

アオマツムシは、はるか遠くでうるさいけれど、ほとんど気にならない程度だった。

マツムシの優しい、涼しげな声で、眠りについた。

IMG_8768.JPG近所の正友神社では、ナガサキアゲハの交尾カップルがいた。

メスは翅がボロボロだ。おそらく多回交尾をしているのだろう。

が、ボロボロのメスだからといって、多回交尾と決めけるのも問題かもしれない。


今夜は、ヤママユの羽化が始まりそうだ。

(※ 午後7時前、メスの羽化が始まった)




 




もういい加減、出発せねばという時刻。

パサ!パサ!パサ!と、乾いた羽音が聞こえた。その方角には、

8メートル先にクヌギの大木があって、もがき暴れるアブラゼミがいた。

701A2770ハラビロカマキリ.JPGアブラゼミを抱えていたのは、ハラビロカマキリ成虫。

アブラゼミはメスなので、喚くことはなく、ただひたすら翅をバタつかせて逃れようとしていた。

しかし、すでに右目は齧らて無い。けれど、自分は生きるのだ!という信念?

を捨ててはおらず、懸命に脚をふんばって歩き逃れようとしていた。

こういう場合、私はどちらにもエールを送る、しかない。

本日から、愛媛県松山市に滞在。


さて、三股町文化会館で開催中の写真展、月曜日は休館でした。

この告知が抜けていました。申し訳ありません。

昨日、日曜日の午前中。UMKテレビ宮崎の放映をご覧になって、宮崎市内から

来ていただいた親子連れの方がいらっしゃいました。小学1年生の男の子は、

将来、昆虫博士になりたいそうです。せっかくなので、一緒にクスサンの繭探しをしました。

男の子は夢中になって探してました。

このあと、都城市の島津邸内で昆虫観察会がありました。

小学生の子どもたちと父兄の方、それと中学生かな、大勢で一緒に歩きました。

小学生の女の子で、熱心な子が二人いて、ずっと私にくっついていました。

限られた環境でしたが、1時間半、皆さんと一緒に楽しい観察ができました。

外に出て歩けば、子供たちは、ゲームしているより、もっと目が輝いています。








写真展二日目。

会場の外に出てみた。広大な敷地はほとんどが、駐車スペースだ。

そしてほんのごくわずかだけ、遊歩道沿いに植栽がある。

まるで砂漠の中のオアシスみたいだ。

CIMG2406.JPGモミジバフウを見上げていると、次々と昆虫観察ができる。

まずは、イチジクヒトリモドキ。

CIMG2327イチジクヒトリモドキ.JPG羽化直後だろう、触れると、お尻からおしっこを大量に排泄した。

本種は名前の示すように、イチジクの害虫でもある。駆除の対象となる。

なぜか、マンサク科のモミジバフウにいた。

近くに食樹である、イチジクもイヌビワも見当たらない。

次に驚いたのが、クスサンの繭だった。いっぱいついていた。

CIMG2343.JPGこんなのは敷地の管理者からすれば、ただの害虫でしかない。そこで、繭はできるだけ

私が回収しておいた。

もっと多く目に付いたのは、キマダラカメムシ。宮崎ではどこに行っても多い。それも

街中の植栽にである。山間にはほとんどいない。

CIMG2391.JPG写真上は、キマダラカメムシの幼虫。幼虫も成虫もいたが、成虫はどれも羽化して間もない

若い個体ばかり。

スーパーマクロモードでも撮影してみたが、このカメラでは周辺部がかなり流れてしまう。

オマケ機能と割り切ろう。

CIMG2358キマダラカメムシ幼虫.JPGカメムシでは、チャバネアオカメムシだろうか?2令幼虫群がいた。

CIMG2383.JPG三股町文化会館の敷地はものすごく広大なのに、ここに町民の憩いの場所となるべく

森が無い。真夏には日陰となる木立が、ほとんどない。

だから皆、冷房の効いた図書館に駆け込む。

都城市も三股町も、ここ6年ほど住んで感じるのは、森が無い。ゆったり歩ける、森が無い。

いわゆる自然公園という発想が見受けられない。公園はあっても、人工的な植栽ばかり。

本来あった森を再現したような、そんな自然公園が皆無だ。

三股町文化会館の広大な敷地も、イベント会場としての広場だけでなく、

せめて三分の一程度でも、かつてこの地域にあった、壊滅に追いやられた森林環境を

再現するような企てがあってもいいかと、思う。

綺麗な花だけ、何万本、何千本と植えるような、極めて人工的な花壇公園は

必要ない。

未来を支える子供たちの多くが、虫採りにも夢中になれるような、そんな自然公園を

造って欲しい。そういう、発想が欲しい。

( 写真全て: カシオEX-ZR300 )









午前9時~、三股町町立文化センターのエントリーホールで

写真展の設営を行った。

午前11時過ぎ、なんとか形になった。

エントリーホールは天井も高く、こうしたイベント用に設計されているわけではない。

L1170392.jpgその片隅を利用させてもらった。    画面左奥が、町立図書館の入り口。

図書館があるので、訪れる人は多い。午後3時から、講演を行った。

遠くは日南市、志布志からも来ていただいた。 

午後1時には、民放テレビMRTの取材もあった。

明日は午前中、そして、午後は3時半頃~、会場にいる予定。

私のことを収録した映像が、今日の夕方の番組UMK「Uーdoki」で放映された。

家族と一緒に観たが、息子たちも嫁さんも、大笑いしていた。

私のしゃべり言葉が低音過ぎて、聞き取りにくい、という批判もあった。

家族とは、ほんとうに残酷である。






濃い霧が立ち込める、朝だった。

L1160389霧の朝.jpg
(写真:OLYMPUS E-P1 M.ZUIKO DIGITAL 17ミリ )

午後から明後日に予定している観察会の下見に出掛けた。都城市内の島津邸内である。

邸内には大きな池があり、ハグロトンボがやたらと多い。

サクラにはキマダラカメムシの成虫、幼虫ともに見られた。しばらく歩いているうちに

木柵の上に落ちた鳥の糞に口吻を刺している、2匹の幼虫を見つけた。

701A2748キマダラカメムシ鳥糞吸蜜.JPG
( 写真:     Canon EOS 5D Mark III    EF100mm f/2.8L Macro IS USM )

2匹とも、激しく頭を揺すりながら盛んに吸汁していた。キマダラカメムシはこれまでにも

ずいぶんと観察してきたが、幼虫が樹木からわざわざ離れてまで、鳥の糞に食らいつく

とは、驚いた。彼らの嗅覚は余程、優れているのだろうか。






写真展、明日から

| | トラックバック(0)
新開さんの虫めがね2013.JPG
明日、17日(土)の午後~、三股町町立文化会館、エントリーホールにて

私の写真展「いきものがたり」が開催されます。

当日、午後3時~講演。 写真展は、24日(土)、午後5時で終了。

18日(日)は午後1時~、都城市内で昆虫観察会の講師を務めるので不在しますが、

午前中および、午後3時半~は会場にいる予定です。

文化会館には町立図書館も併設されています。


この施設の駐車場はものすごく、広いです。

JR三股駅から歩くと、10分程度かと思います。

触角

| | トラックバック(0)
「触角」を「触覚」と誤植した、苦い経験がある。

今日の写真は、ノコギリクワガタ♂の、触角。

Z7241275.jpg
私たち人間にも、触角があれば、それはそれで面白い場面がいっぱいあったはずだ。

例えば、「こんにちわ!」というフレーズ以前に、お互いの触角でピコピコ触れ合うとか。

そう、触れ合うことができるのである。

どんな大女優やアイドルを目の前にしてでもいいのだ。ピコピコの挨拶だ。

アリさんとアリさんが、ごっつんこ、の世界だ。  


痛風というのは、恐ろしい。なぜかといえば、発作が発症すると、激痛のあまり

歩行困難となるからだ。しかし、昨日から左足の腫れは劇的に治まってきた。

今朝は、昨夜の盆祭り会場の撤収作業に参加。1時間半ほどで終了。

こうした地区の催しで浮き彫りになるのが、世代の違いにおける考え方の溝である。

この溝は深い。

なかなか厄介な問題だが、ことさら波風立てまい、という風潮も強い。

田舎暮らし、7年目。良い事、悪いこと、いろいろだ。

今夜は独り、高知の純米大吟醸酒「美丈夫」を堪能。

これも、旨い!!






写真展「いきものがたり」は、今月17日午後~24日午後5時、まで、開催。

場所は、三股町町立文化会館、エントリーホール。

初日の17日には、文化会館の町立図書館多目的ホールで、午後3時から講演。

2009年の夏から毎年、JR三股駅にある「みまたんえき」ギャラリーで写真展を

開催してきたが、今年は少し場所が移動して、町立文化会館となった。

写真パネル数は40点ほどで、例年と同じだが、

今回はキャプションにも関連写真を入れ、文章のボリュームも増やした。

17日はほぼ終日、18日は午前中と午後4時~、会場にいる予定。

新開さんの虫めがね2013.JPG






土を掘る道具は、大きなシャベル(スコップ)と、ピッケルである。

デタラメに掘るのではなく、狙いを定めて、それも慎重に掘る。

そして出てくるのは、ニイニイゼミとツクツクボウシの幼虫であった。

ニイニイゼミ幼虫は目が白く、終齢とは思うが、地上に出るのは来年であろう。

ツクツクボウシのこの幼虫は、この夏には羽化するだろう。

701A2722tukutukubousi.JPG幼虫がいた場所は、ケヤキの根元から1メートルほど離れた、地下20センチの深さ。

幼虫が口吻を刺していた根は、ケヤキの根である。

(写真:EOS-5D マークⅢ EF100ミリマクロ )

今日は、地区の盆祭りだった。

私は焼き鳥と焼きそばの担当となったので、この日は午後4時から参加した。

ひたすら鳥肉を焼き、焼きそばをパックに詰め、焼きそばは一つ200円で販売。

焼き鳥は来場者へサービス品として配られる。

痛風の炎症がまだ少し残っているので、ビールは飲まなかった。アルコール抜きで

会場を後にした。

盆祭りの祭りらしい風情が、今は無い。

3年前までは、浴衣姿の踊り手もいたが、その姿が消えてしまい、祭りそのものが

寂しくなった。来年は、私が浴衣を纏おうかと思うが、それも虚しい気がする。








飛んでもない、虫

| | トラックバック(0)
午前中、暑くなるのが早い。風があっても、生温い。

西側の庭では、毎朝、オニヤンマがあっち行ったり、こっち行ったり、

まるでロープか糸でも張ってあるかのように、同じコースを何度も正確に往復する。

IMG_1865オニヤンマ飛翔.JPG写真は静止した瞬間なので、翅はブレて躍動感はそこそこあるが、

単に浮いているという絵だ(今朝ではなく、だいぶ以前に撮った写真です)。

できれば飛翔中を流し撮りして、スピード感を表現したいものだ。

アサガオにはキアゲハがときたま来る。これもはやい、はやい。

来てからメラを携え駆けつけたのでは、もう間に合わない。

IMG_8647キアゲハ.JPG証拠写真程度しか撮れていない。


先週、再発した痛風だが、徐々に痛みは和らいできて、腫れも少しは小さくなったが、

しかし今日の午後から、歩くと軽い突き指のような痛みを再び感じるようになり、

腫れもいくぶん大きくなった。 また激痛を伴う発作が出るのでは、と嫌な予感がする。

一日中、パソコンに向かって作業していたのも良くなかった。足がうっ血するし、

精神的ストレスも痛風発症の引き金になるようだ。

発作が出ている状況で、乳酸値を下げる薬の服用はタブーとされている。







| | トラックバック(0)
UMK テレビ宮崎の番組収録ロケが、我が家で行われた。

樹液レストランはここのところ枯れていて、唯一、撮影できたのは

アカメガシワのヒラタクワガタだけだった。賑やかさに欠けていたのは残念。

番組放送予定は、17日土曜日の午後5時56分~「U-doki」。

スタッフの方がクロコノマチョウを録画している間、

私の足元に現れたリュウキュウベニイトトンボ♀。小さな虫を食べていた。

701A2598リュウキュウベニイトトンボ♀.JPGそのすぐ傍では、ゴイシシジミがゆったりと舞っていた。

701A2591ゴイシシジミ.JPG打ち合わせでは、昆虫写真の撮り方の実践を私が演じることになっていたが、

それは現場で取り止めとなった。

女性アナウンサーの方は虫が苦手ということで、どんな虫であれ、

手で触ることができない。それでも、クロコノマチョウ幼虫やヒラタクワガタなど、

コンデジでマクロ撮影をするうちに、可愛らしさを発見できたようだ。

積極的に虫と関わろうとしたことがない人にとっては、虫を触るということだけでも、

とんでもなく高い障壁があるのだろう。虫嫌いでいることは、人生において損であると思う。

できれば虫の世界の面白さに気づいて欲しい。

一方で、虫嫌いには嫌いになるだけの、感覚的な繊細さがあるとも言える。

虫なんか平気だけど、虫なんかどうでもいいさ、と振り向こうともしないより、救いが

あるようにも思えたりする。  なんでも、きっかけが大事なのかもしれない。

私の場合、昆虫少年に嵌っていったきっかけは、本の世界だった。

( 写真:    Canon EOS 5D Mark III   EF100mm f/2.8L Macro IS USM )









本の紹介

| | トラックバック(0)
昆虫写真家、山口進さんの、新刊本。

『世界クワガタムシ探検』(岩崎書店)。

献本025.jpg本書を読んでいると、海外へ行きたくなる。探検記の語り口に惹かれ、最後まで

一気に読んでしまった。活字が太く、私のような老眼でも眼鏡なしで読めるのが

嬉しかった。

今は誰もが簡単に海外旅行できる時代になったが、

本書に登場するクガタムシのいる場所は、それなりの情熱と覚悟が必要のようだ。

「おわりに」の中で、山口進さんは、

「生物を考えるには、その生物が実際に生きている場所で観察することが重要だ。」

と書かれていた。昆虫好きの子供たちが、この言葉をどう受け止めてくれるだろうか。

フィールド探検は、海外だけではない。身近な場所でもできる。

探検の精神が、自然観察者には必要なのだ。







避暑地

| | トラックバック(0)
「好きな虫は、なに?」と聞かれることはよくあるが、

「嫌いな虫は、なに?」と、聞かれたことはあまりない。

ないけれど、嫌いな虫のことを思い出した。


今夜のこと、我が家の林で、アオマツムシが鳴き始めたのである。

例年より早いが、 

虫そのものが嫌いというより、その鳴き声が不快なのである。

しばらくすると、クツワムシがすぐ傍で鳴き始め、不快音をかき消してくれた。


たしか25年前頃だったと思うが、東京から松山に帰省した折、

アオマツムシの鳴き声は全く無くて、スズムシとマツムシの涼しげな

鳴き声に、実家は囲まれていた。実家は重信川の堰堤の傍なので、

マツムシ、スズムシが多かった。星の数の多さといい、

鳴く虫の繊細さといい、ここは天国か!と思ったほどだ。

今はしかし、松山の実家周辺でもアオマツムシが増えてしまった。

宮崎のこの我が家でも、2007年に転居してきたときは、

アオマツムシは極めて少なかったが、年々、その数が増えてきている。

アオマツムシは全国的に分布を広げているが、その勢力拡大にはいろいろ要因が

あるようだが、一つには人社会の流通に負うところもあるようだ。

分布拡大のルートを探ると、それが幹線道路などを主軸に広がっている、

というレポートをNHKテレビの番組で観たことがある。

アオマツムシは都会から隣の都会へ、都会から地方へ、地方から隣の地方へ

と分布を広げているようだ。

さて、部屋の温度計を見れば、33度!これはたまらんなあ、と汗を拭きながら

展示用写真パネルを準備。  水分補給も頻繁になる。

台所とリビングを何度も往復しているうちに、

ふと、窓辺のオオカマキリと目が会った。

701A2584オオカマキリ幼虫.JPGさては、涼みに来たわけでもあるまい。

おそらく、私が外の倉庫へ何度も足を運んでいたおり、あるいは、カメラを携えて

庭の木々を眺め歩いたおり、

ヒョイ、と私の肩か背中に取り付いたのではないだろうか。

私は知らぬ間に、オオカマキリの幼虫を部屋へ運んでいたのでは、あるまいか。

虫は、人をキャリアーとして、巧みに利用しているのかもしれないし、

あるいは、単にそれを迷惑がっているのかもしれない。

( 写真:    Canon EOS 5D Mark III    EF8-15mm f/4L FISHEYE USM )







クロモンサシガメ

| | トラックバック(0)
たしか自分が大学2年生の時だったと、思う。

初めてクロモンサシガメに刺されたのは。  場所は愛媛県、松山市の五明牧場。

どの指だったかは思い出せないが、あの激烈な痛さだけは、忘れられない。

痛みは刺された瞬間だけでなく、その後、10日間ほど続いた。

IMG_8635クロモンサシガメ.JPG地面に横たわった朽木を起こした下に、クロモンサシガメはいた。暗がりに逃げ込むところを

すかさず、手で掴んでしまったのだ。あの痛さを経験してから、本種を素手で扱うことはない。


昨夜、机に向かって写真展の準備作業をしていたら、灯りに飛んできた。

屋外ではたまに見かけるが、室内で出会うのは初めてかもしれない。

彼らの首は細く伸びており、なるほど頭部がけっこう自在に動かせるだろう。

背中側から彼らを摘んでも、クルリと頭を回して鋭い口吻を突き立てる。

刺されたあとに残る「ズキン、ズキン」という痛みは、痛風発作の激痛にも似ているような

気がしてきた。

プラケースに拉致したクロモンサシガメを眺めながら、

懐かしいようでいて、どうしても鮮明に記憶が蘇ってこない、もどかしさを感じた。

( 写真:    Canon EOS 6D    EF100mm f/2.8L Macro IS USM )



オオカマキリ

| | トラックバック(0)
今夏、オオカマキリの新成虫を見るのは、これで2匹目。

家庭菜園にいた。今朝あたり羽化したのだろうか?、体はまだフニャフニャだった。

IMG_6333オオカマキリ.JPG近寄ると、暗がりへと逃げて行く。

IMG_6327.JPG
しかし、多く目にするのは幼虫の方だ。   ほとんどが、終齢ではあるが。

IMG_6346.JPG
( 写真:EOS-Kiss X6i   EF40mm f/2.8 STM+GYOROME8 270EXⅡ )


台所に立って洗い物をしていると、クツワムシの鳴き声が聞こえてくる。

「これは、近いね。」

カメラをセットしてサンダル履きで、外に出てみた。

庭の片隅で、クツワムシが鳴いている。

奥の林内でも、数匹が競うように鳴いていた。

左足はパンパンに腫れ上がり、靴が履けない。氷を縛り付けたのでは歩けないので、

冷却湿布を貼っておく。

クツワムシは、紫陽花の上で鳴いていた。

IMG_8607クツワムシ褐色型.JPG最初は懐中電灯を照らすと嫌がって移動したが、光量を弱めると落ち着いた。

日を追うごとに、クツワムシの数が増えている。

ともかく足の調子を早く治して、配偶行動の撮影をしたい。

(写真:   Canon EOS 6D     EF100mm f/2.8L Macro IS USM 270EXⅡ+FL-600R)

前にも書いたが、FL-600RはスレーブモードにするとLEDが点滅する。

その点滅がけっこう強い。夜間の生き物を撮影する上では邪魔で、

この点滅をキャンセルできるといいのだが。


アオツヅラフジの蔓にヒメエグリバの幼虫がいた。

IMG_8236.JPG   かなり成熟している。         と、思っていたら数日後には繭の中に姿を消した。

IMG_8322繭.JPG繭は2枚の葉っぱを引き寄せ、その隙間にあった。繭壁は茎の表面を小さく齧りとった

ものを綴り合わせている。よくよく見ないと、気付かないだろう。

同じアオツヅラフジを食す、アカエグリバの幼虫は茶褐色で地味である。

写真は数日前に撮影したもの。

( 写真:   Canon EOS 6D    EF100mm f/2.8L Macro IS USM、
                                      シグマ50mmMacro )




プリンターの調子が悪く、インク汚れがヒドイ。クリーニングをやっても解決しない。

そのうち、あるハガキ用紙ではどうやっても筋状の汚れが出て、他の用紙では

問題ないことがわかった。しかし、そこに至るまでかなりの用紙と時間を浪費した。

写真展用のデータを揃えてプリント発注するまでにもえらく時間が掛かってしまった。

結局、今日はカメラを触ることなく一日を過ごした。

左足の腫れがまだ治まらない。痛みも少し出てきた。




今朝は待望の雨となった。

強い雨ではないが、午前中はずっと降り続いた。

一日中、陽射しもなく過ごし易かったが、午後から蒸し暑くなった。

家庭菜園のトウモロコシはすでに収穫を終えたが、懐中電灯の灯りに

クロコノマチョウ幼虫の姿が浮かび上がった。

IMG_8386.JPG事情を知らない人が見れば、「ナメクジ」と感違いされそうだ。

やっと猛暑から解放されたので、倉庫を開けて写真展の準備作業に取り掛かった。

パネルは小さくてもA2サイズで、全体の三分の一はA1サイズだ。

数量があるので結構な重さとなり、出したり戻したりの作業は炎天下ではやりたくない。

今日はちょうどいい作業日となった。

夜空を見上げれば、たくさんの星が並んでいる。

「 ガシャ、ガシャ、ガシャ~♪ 」、家の周りはクツワムシの鳴き声で溢れている。

あんまり暑いので、ランニングシャツ、短パン、スリッパ、という格好で

撮影に出てみた。マムシがいることもある草むらだが、ガサガサ音を立てて歩けば

大丈夫だろう。多分。

※自然観察者の心得として、こういったいい加減な格好で、しかも夜間のフィールド
を歩くというのは危険であり、決してお奨めするわけではありません。
いや絶対やってはいけません。
まあ、真似する方はいないと思いますが。
我が家の庭はそのまま近隣の草むらや林に繋がっており、日頃から地形や
植生の様子を熟知している、という特殊な事情があります。


クツワムシは人が近づくと鳴き止んだり、草深い場所へと潜り込むが、

たくさんいる場所では、懐中電灯で照らしても、ガサガサ草を揺らしても、

みんな平気で鳴き続ける。競い合って鳴いているからだろう。

そういう場所にはメスの姿も多い。

メスは全部、褐色型で、オスも圧倒的に褐色型が多かった。

写真の個体は特に赤味が強い。翅を震わせているのがわかる。

IMG_8594.JPG緑色型でも色味は薄く、褐色型と緑色型の中間型だった↓

IMG_8444クツワムシ.JPGクツワムシの羽化も最初から最後まで撮影できた。

IMG_8497クツワムシ羽化.JPG羽化間近の様子からタイワンクツワムシかと思い、それなら羽化シーンの写真はすでに

あるので、撮影はそこそこで取りやめるつもりだったが、やはりクツワムシとわかった。

タイワンクツワムシも同じ場所にたくさんいたが、成虫はまだ未熟なのか、

鳴いているオスはいなかった。

クツワムシの交尾を見たかったが、オスが別のオスに交尾しようと迫ったのが

一回きりだった。

狭い場所で数匹のクツワムシが鳴いていると、耳が痛くなるほどの音量である。

( 写真: EOSー6D   EF100mm f/2.8L Macro IS USM 430EXⅡ )

今朝は、宮崎市内の倉岡小学校で観察会と講演を行った。

猛暑の中、土中にいるアブラゼミの幼虫を探してみたが、まったく見つからなかった。

羽化穴の多さからして羽化ピークをすでに過ぎたのだろうか?

オオカマキリのメス成虫も一匹だが子供たちが見つけた。羽化不全ではあったが。

ともかく、南九州地方では雨が欲しい。カラカラ天気がずっと続いている。





鰐塚山に行く。アブラギリでオオキンカメムシの卵塊を確認。

3Z5A6654オオキンカメムシ卵.JPG先日、油をとるためのシナアブラギリ(オオアブラギリ)を栽培している方から声を掛けて

いただいた。その方の庭にはシナアブラギリが植えてあって、外からもよく見える。

シナアブラギリの実はアブラギリより一回り大きいので、よく目立つ。

昔は油をとるためにシナアブラギリの栽培が盛んな地域もあったようだ。

オオキンカメムシはシナアブラギリでも繁殖する。

犬の散歩時間。

クロアナバチが、ヤブガラシの花でしきりと吸蜜していた。

IMG_8310クロアナバチ.JPG午後6時13分。ねぐらにつく前の食事であろう。

クロアナバチのことは、拙著「里山昆虫ガイドブック」(当時、TBSブリタニカ)のコラムでも

書いたことがある。あの当時のあのフィールドにはいっぱいクロアナバチがいた。

今となっては夢のようだ。

ヤブガラシの花にはクロアナバチがよく来ているが(今日は2頭)、

どこに巣穴があるのだろうか?



今朝、延岡で出会った昆虫たち。

目の前を、シオカラトンボが重そうに飛んでいた。

獲物はウスバキトンボだった。

IMG_8268シオカラトンボ.JPG      バリ、バリ、バリ、頭はすでに平らげていた。

       全部食べるのかどうか、見届けたいとは思ったが、時間が無かった。

       食べ切るだろうか??



 ブ~~~~~~~~ン!!

               私の胸、目がけてタマムシが飛んできた。

701A2425タマムシ.JPG            「 これって、何か良い事あるんじゃない!? 」

         
701A2523.JPG              箪笥に入れたりせず、

                            大空へ飛んで行ってもらった。

             あっという間に林の梢へと姿を消した。


(写真: EOSー5DマークⅢ、EOSー6D EF100ミリマクロ )



延岡から、自宅に戻って室内作業をしていると、

某テレビ局から取材の申し込みがあった。 電話での会話は疲れる。

休憩を少しとってから、思い切って草刈作業をした。  暑い!!

1時間ばかりやった。草刈機の馬力が上がったので、だいぶ楽になった。

数日前まではとてもこんな作業はできなかった。

ようやく体調が戻ってきたようだ。  左足の腫れもほぼ引いた。

延岡で重いカメラザックを担いで、ゆっくり足慣らしをしたが、猛暑の中でも

結構歩けたし、撮影も変わりなくできた。水分はこまめに摂った。

シリーズ3冊のうち、一冊の形がだいぶ出来てきた。