2010年4月アーカイブ


黄砂の一日

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午前中に雨が止みようやく陽射しが出たかなと思えば、

こんどは北西の強風が吹き荒れ続けた。

そして霧島山の山容どころか四方どこを眺めても白一色。

どこかへ出掛けようなどという気になれない一日だった。

もっとも原稿書く仕事で外出どころではなかったが。

L1276199.jpgとはいえ、机に向かってばかりともいかない。

飼育虫の餌の調達で敷地内から外回りへと歩くことも。そして夕方には犬の散歩。

風に煽られカラムシの白い葉うらが波打っている。

その葉うらにしがみついている、ラミーカミキリの姿を見落とさなかった。

おお、もう出たか。久しぶりだな。

カミキリが驚かないよう、揺れる葉っぱをそっと押さえてから撮影してみた。

主脈に食痕が見える。

P4270006調整.jpgラミーカミキリの写真はオリンパスのコンパクトデジカメ、μ Tough-6020で撮影。

スーパーマクロモードにLED照明を使っている。夕日の色温度と合わないが

弱めに効いているのでそう問題とならない程度だろうか。こういうときのために

LED発光部に被せる色温度調整フィルターを用意しておきたい。

ストロボもそうだが、自然光と同調させて使う場合、できるだけ弱く当てるという

やり方でごまかしている。ほんとはこれではいけないのだが。

μ Tough-6020は、水中撮影に使えるので選んでみたのだが、

陸上の昆虫接写でも制約を熟知した上で使えば、それなりに楽しめるカメラだ。



青蜂蝿

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いやもちろん青蜂蝿(セイボウバエ)という名前の虫がいるかどうか知らない。

庭の花壇で作例写真を撮っていたときのこと。

最初はセイボウかと思った。

だがすぐにハチではなく、ハエだとわかった。

ハエはほとんどの人が大嫌いだろう。

剛毛が生えているハエの面はたしかに可愛いわけでもない。気色悪いこともある。

しかしキンバエといった綺麗な金属色をした種類も多い。

今日のヤツはそのなかでも抜きん出てメタリックに輝いていた。

P4260034トリミング.jpg初めて見るセイボウバエ!しっかり撮影しておこうとしたが、ヤツの逃げ足も速い。

花の上にいたかと思えばすぐに移動し、上の写真を納めたあと姿をくらましてしまった。

またやって来るだろうか?

(写真:オリンパス μ Tough-6020  写真はトリミングしてます)

今朝は少しだけ陽射しがあったが午後からはいつ雨になってもおかしくないような雲行き。

そしてこの原稿を書いている午後6時40分ころから雨になった。またしても雨。


三股町の春

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久しぶりの晴れ間。

午前中だけ町の山間部へと出向いてみた。

L1246031.jpgハルニレの若葉が鮮やかだ。

L12459342.jpg田んぼには水が張られている。こういう場所でのんびりおにぎりでも食べると一層おいしい。

畦道では花から花へとアオスジアゲハが跳ねるように舞う。

W22425521.jpg




またしても!?

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JX2316203.jpgするどくて なが~い。 だれ の くちばし?



JX231591調整1.jpgかるくて あたたか~い。 だれ の はね?


といってもすぐにわかってしまうが、2枚の写真はカワセミの体の一部。

くちばしの下側が赤いから、メス。

最近は天体望遠鏡などを使って野鳥の超々望遠撮影も広まっているので、これくらいの

拡大撮影もできてしまうかもしれないが、上2枚の写真は35ミリマクロレンズで撮ったもの。

夕方のこと犬の散歩から戻ってみれば、縁側にカワセミの死骸が。

あまりも鮮やかな色彩が目に入った瞬間、なんでここに?という驚きが大きかった。

L12359012.jpg
「お~い!!たいへんだあ~!」部屋にいた嫁さんを呼ぶ。

「ええ、どうして、可哀想!!」

「おかしいなあ、障子が閉めてあるから窓ガラスに飛び込むはずはないんだけど。」

ともかくもカワセミは客間の大きなガラス戸に激突死したのは疑いない。

でもなぜだろう?ガラスの反射が災いしたか?

内側に障子戸がはまっているから、部屋の暗がりが見えるわけはない。

「そういえば、昨日ゴツン!!とう音を聞いたけど、あれだったのかなあ?」

「え、聞いたの?」

カワセミの体はすでに硬くなりかけていた。

わが家のすぐ南側には池がある。

沢からの湧き水を堰き止めて作った人工池だ。

そこにはカワセミが頻繁に来ている。だからピッチー、ピピピピーという

鳴き声もよく耳にする。

「ほら聞こえたでしょ。カワセミが今日も来てるよ」などと

子供たちにもよく話していたのだが、

そのカワセミがまさかうちの窓ガラスに激突するとは。

これまでにもビンズイ、シロハラ、トラツグミと犠牲者が続いたので、

居間の窓ガラスには眼玉模様の写真を貼るという対策を去年のこと施したのだが。


(写真下:オリンパス E-P1 M 9-18ミリズームレンズ )


兄妹

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アゲハの母蝶は場所を移動しながら卵を一個一個、産み落としていく。

若葉が少ないと一ヵ所に集中することもよくあるが、並べて産むことは稀だ。

このところの天候不順で産卵日が限られてくると、条件の良い日には

産卵衝動も通常よりか高くなってしまうのかもしれない。

ともかくお互いに変形するほど密着した卵を見て思わず持ち帰った。

W2202187.jpgわが家のすぐ傍にあるミカンの樹ではちょうどふ化ピークとなっており、黄色や黒ずんだ卵、

そしてふ化直後の一令幼虫などが多数見られる。もちろんどれもアゲハで、モンキ、ナガサキ

の卵はまだ見ていない。

写真の幼虫はふ化後しばらくして、自分の卵殻へUターンしている。

これから卵殻を食べようというところ。卵殻を食べる習性について最新の知見を知らないが、

少なくとも卵殻を食べなくても幼虫はちゃんと育つと言われている。

2個の卵はほんのわずかな時間差で続けて産み落とされたはずだが、

ふ化のタイミングはかなりズレている。


(写真:オリンパス E-520 14-42ミりズーム リバース改造レンズ )


本日、オリンパス ペンライト E-PL1のファームウェアアップデートが公開された。

これまでE-PL1に電子ビュワーを装着して撮影するとき、確認画面がカメラ背面モニター

ではなく電子ビュワー内に表示されていた。

今回のアップデートでカメラ背面モニターに表示が変更となり使い易くなった。






飼育ケース

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仕事部屋の窓に、アシブトチズモンアオシャクが来ていた。

XA200581調整.jpg仕事部屋の外壁には蛍光灯を毎晩灯しているが、期待した面白い虫が来ない。

そのうち水銀灯にしてみようかと思う。

さて、ヤママユ、ウスタビガの飼育ケースを外敵から守るために囲ってみた。

安売りの大きな衣装ケースを重ね、すこしだけズラして隙間を開けている。

P4210002.jpgケース内は特に蒸れ易いので、直射日光が当たらないように気をつける。

幼虫たちは2~3令の段階だが、4令以降は野外飼育に移す予定。


(写真上:オリンパス E-PL1  45ミリマクロ )

(写真下:オリンパス μ Tough-6020 )



ラッキョウ畑で営巣していたヒバリのことが気になっていた。

しかし、今日は朝からずっと室内撮影の仕事をしていて外に出れたのは午後5時半ころ。

畑に行ってみると案の定巣はもぬけの殻となっていた。

3羽いたヒナのうち1羽の死骸が巣の傍らにころがっていた。

L1205896.jpg一体何者の仕業だろうか?何者かが巣を襲ったにしろ、なぜ1羽だけヒナを残していったの

だろう?どうも釈然としない。


さて、室内撮影の仕事の合い間、庭木を見てみれば、なんと3日前に観察したオナガアシブト

コバチのメスがハラビロカマキリ卵のうで産卵をしていた。おそらく同じ個体であろうと思う。

ハラビロカマキリの硬い卵のうの中心部にまで産卵管を射し込み、確実に卵を産み落とす

という作業にはかなりの忍耐力を必要とするようだ。

これじゃあハラビロカマキリの卵がふ化できようはずもない。

XA190569.jpg(写真上:オリンパス E-P1  M14-42ミリズーム )

(写真下:オリンパス E-PL1  45ミリマクロ )





ラッキョウは収穫したあと根っこと茎を切り落とす。

その作業小屋を覗いてみた。

XA1804721.jpg3、4本を束ねてから根っこを先に切り、ついで茎をはねる。

よく切れる包丁で手際よく作業は進むが、カゴに収穫されたラッキョウの量は多い。

今日もお母さん方3名が作業をしていた。

XA1804662.jpgところで私はラッキョウ漬けが苦手で食べれない。うちの嫁さんは大好物だが、私は臭いも

嫌いだ。ところが、エシャレットは好物で酒のつまみによく食べる。

日本で流通しているエシャレットは生食用に軟白栽培されたラッキョウのことであることを

これまで知らなかった。

本物のエシャロットは別物で「ベルギーエシャロット」などという商品名で売られているそうだ。

では本物のエシャロットの味とはいかなものか?

ともかくエシャレットとか上品な言い方ではなく、「生ラッキョウ」でよいように思う。


作業をしていた方がラッキョウ畑で見つかったヒバリの巣場所を教えてくれた。

親鳥がヒナに餌を与えているところを間近で見たので感激したという。

さっそく畑に行ってみれば巣のところだけラッキョウが抜かずに残されてあった。

巣は写真下の矢印先にある。

JX191520のコピー.jpgヒナは見事な隠蔽色をしていて、近づいてもそこにいるように見えない。

XA1804531.jpgラッキョウの根元の地面にお椀型の巣が埋め込まれたようにある。

これまで巣を適度に被い隠していたラッキョウが薄くなり、ヒナ達は丸見えになってしまった。

カラスにねらわれたらヒナは助からないだろう。

XA1804562.jpgまた雨が続く。

ラッキョウの収穫は雨で当分できないそうだ。

電動ワイパーを備えたカメラ防護ケースが欲しいなあと思う。









寝室の窓を開けたところ、霧島山のシルエットにラッキョウのようなシルエットが重なった。

W2182048.jpgちなみにラッキョウ栽培がこの辺では盛んで今は収穫時期。根切りは手作業に

なるから人手も必要で農家の方は忙しい。うちの嫁さんもバイトに出ることがある。

さて、都城市上空を舞う気球。気球が舞い上がることはこれまでにも何度か見ているが、

今朝は一基のみだった。以前、数基が連なって漂っているのを見たことがある。

写真画面ではわからないがモニターで拡大してみれば、気球には「デイリー牛乳」と

書かれてあった。デイリー牛乳は都城市に本拠を置く南日本酪農協同株式会社

販売している。わが家でもデイリー牛乳はよく飲んでいる。もっともデイリー牛乳にしろ

他のメーカーにしても、安売りの広告に出てるタイミングでしか買えない。

嫁さんがうるさいのだ。新聞広告を睨みながら、値引きしている牛乳を買わされる。

気球は南(画面では左方向)へと流れていき、霧島山に重なっている時間はわずかだった。


庭で仕事をしていると下の畑にNさんの姿が見えた。

前からお願いしたいことがあったのでNさんの畑まで降りてみた。

「ああ、ちょうど良かった。新開さんを呼ぼうかと思っていたところよ。」

「え!?なんでしょう。」

「綺麗な蝶々が、ほらそこにおるんだけど、何という名前かね?」

Nさんの指差すところ、およそ察しはついてのだが、キアゲハが止まっていた。

羽化直後でまだ飛び立つことができない、綺麗なキアゲハだった。

XA170396.jpg「アシタバがそこに植えてありましたよね。そこにいっぱい芋虫がついていたでしょ。」

「ああ、いっぱいついてからアシタバが丸坊主になったと。あの芋虫がこの綺麗な蝶々に

なったと!?ほお~びっくりやなあ。」

アシタバは食べ方もわからんし、芋虫がいっぱいつくという理由で根元から切られて

いた。

「もうこれでアシタバは出んとよ。」

私としてはちょっと残念だったが、切られた根元の地面を見てみると落ちた種子が芽を出して

いることに気付いた。

「あ!ここにもそこにも芽が出ていますよ。これ少しいただいてもかまいませんか?」

「ああ、よかとよ。いくらでも持っていって。

あ、大根もっていき。擦りおろしで食べるとおいしいとよ。納豆にね混ぜるといいよ。」


(写真上:オリンパスE-520  50-200ミリズーム )

(写真下:オリンパスE-PL1  パナソニック 45ミリマクロ )





困ったさん

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ようやく春らしい陽射しのなか、庭木の花には無数の昆虫たちが群れ飛んでいた。

ニシキギとイロハカエデの花盛りであり、ハチやハエ、アブ類がとくに多い。

さて、今年の撮影の仕事は前にも書いたが依頼されているものが多く、

しかもどれも飼育が必要な種類でもあるので準備や世話に忙しい。

作業しながらときどき庭木を覗いてみる。

するとミツバツツジ類の枝にあったハラビロカマキリ卵のうに目が止まった。

そこにくっきりとシルエットが浮き上がったのは、オナガアシブトコバチだ。

XA160344.jpgおお!、久しぶりじゃないか、などと嬉しくなってカメラを取りに戻った。

カメラはオリンパスのペンライト。レンズはパナソニックの45ミリマクロ。

ペンライトにはサブダイヤルが無いので操作にちと手間取るが、大騒ぎするほどでもない。

使い慣れればなんとかなる。プッシュボタンの押し場所や回数で絞りや補正値の状態を

即座に操作できるようになった。つまり電子ビュワーを覗いたままで撮影設定をいじれる。

オナガアシブトコバチはびっくりするほど長い産卵管をハラビロカマキリの卵のうに突き立てて

いる。卵のう内部の中心部に詰まっている卵の一つ一つは、こうして寄生バチのゆりかごに

なっていくのである。これをハラビロカマキリの親が見たら無茶苦茶怒るだろうが、

その親たちはとっくに寿命を終えている。もう守りようがないのだ。

そういえば冬の間にせっせと集めておいたオオカマキリの卵のうがどれもまだふ化していない。

カマキリの撮影も仕事で必要なのだが、いくら天候不順な日が続くとは言えちょっとおかしい。

これもまた寄生されているのかもしれない。

呑気に喜んでいる場合ではない。

標高の高い場所か、阿蘇山辺りといった、季節の進行が遅い場所に出向いて、

カマキリの卵のう探しをしなければ。



見立て違い

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3年前に切り倒したクヌギの樹がある。

このクヌギはミヤマカミキリ幼虫がトンネルを掘り進み、かなり弱っていた。

ミヤマカミキリ幼虫を見てみたいという気持ちもあり、思い切って切り倒したわけだ。

切り倒した跡には高さが1メートルほどの切り株が残っている。

いったんは萌芽したが、さすがに翌年はもう芽を出す力を失っていた。

その切り株はカワラタケやさまざまな菌類によって朽木御殿となった。

朽木御殿は多くの昆虫を招き集める。

集まった昆虫のなかにヒゲジロハサミムシもいた。

ヒゲジロハサミムシはハサミムシのなかでももっともよく目にする種類だが、

朽木の下や樹皮の隙間などに潜りこんでいることが多い。

先月見つけたヒゲジロハサミムシは体がパンパンに張っていて、まるで妊婦さんだ。

それでてっきり産卵が近いのだろうと早合点してしまった。

このところ勇み足が多いので気をつけたいとは思うが、

自然のできごとを素早く現場で判断することが、撮影をうまく運ぶことにつながる。

さて、もうそろそろ卵を産んだかなと飼育ケースを覗きこんでみれば、

ハサミムシが2匹になっていた!!

XA160280調整.jpgでっかい子供産んだなあ!!、、、、、、なんてそれはない。

一緒に並んでいるのは脱皮殻。

ヒゲジロハサミムシはどうやら今朝早く脱皮したらしい。

もう少し早く気付いていれば純白の姿が見れたはず、残念。

( 写真:オリンパス E-PL1  パナソニックH-ES045 マクロ45ミリ 内臓ストロボ使用 )


マクロ45ミリ(LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mmF2.8 )には光学式手ブレ補正が

内臓されており、実際に使ってみるとかなり効果があることがわかった。

こうしたマイクロフォーサーズ規格レンズを使い慣れてくると、フォーサーズ規格のでっかい

レンズをアダプター介して使用する気にはなれなくなる。



オリンパスのマイクロフォーサーズカメラ、E-PL1を水中撮影で使うことにした。

水生昆虫の撮影では水深が浅いところが多く、

市販されている水中ハウジングではたいへん扱いにくい。

というか、ほとんど役に立たない。

それでE-PL1に装着できる電子ビュワーを水面上から覗けるような水中ハウジングが

必要となる。これは特注で作るしかない。

さて、マイクロフォーサーズカメラのシステムだとレンズも小さくなり好都合だが、

広角ズームレンズはともかく、マクロレンズがオリンパスからまだ発売されていない。

9-18ミリ広角ズームレンズは今月23日に発売となるが、

今のところオリンパス製マクロレンズがいつ出るのかわからない。

待ちきれずパナソニックのマクロレンズ45ミリ(HーES045)を購入した。

このレンズは内焦方式でレンズの鏡筒が伸びないし、等倍まで撮影できるので、

水中撮影に向いていると思えた。

E-P1にあるサブダイヤルが、E-PL1では無いので扱いにくいかと思っていたが

しばらく使ってみるとボタン操作に慣れてきてとくに問題とはならない。

L11657912.jpg( 写真:E-P1  M14-42ミリズーム )

マイクロフォーサーズカメラを使うなら、やはりレンズもマイクロフォーサーズ規格のレンズが

いい。機材が格段に小型化、軽量化するのでたいへん助かる。


葉蜂

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4月なかばとは思えないような寒い一日。

しかも小雨がずっと止まない。

撮影台の改造や部屋の片付け、依頼のあった写真データの蔵出しと送信、、、、、

そんな調子で今日はほとんど室内作業。

写真は昨日、庭のニシキギで撮影したもの。

ハバチの一種だが、詳しくはわからない。キコシボソハバチだろうか?

しきりと花蜜を舐めていた。

W2141913.jpg正面から見た顔は、キカマキリモドキを想わせる。

真似したのかどうかは知らないが、カマキリモドキ類の姿はハチに良く似ている。

W2141894.jpg宮崎に来てから、まだカマキリモドキ類に出会っていない。

うちの辺りなら、オオカマキリモドキやツマグロカマキリモドキがいるはずだ。

こういう掴みどころのないような昆虫種を相手にするには、それなりの覚悟も必要だ。

今年は、例年より依頼撮影の項目が多い。

それに加えて自分で見出した撮影テーマもかなりの量がある。

それら全てを一年でこなそうというのは、少し無謀にも思える。

しかもこれまでほとんどおざなりにしてきた水生昆虫の野外撮影にも力を入れるつもりだ。

写真展も予定している。これは2ヶ月間。

いろいろ忙しい状況を考えてみると、逆にわくわくしてくる。

自然界の生きものを相手にしていると、かならず予想外の出来事も多い。

明日は新しいレンズが届く。こういうのはちょっと気分転換になっていい。


ぐるりん

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気持ちよさそうに日光浴しているニホンカナヘビ。

W21418693.jpgぐるりんと丸くなれば、受けた日光の熱が効率よく体全体に行き渡るのだろう。

それに長い体をこうして晒しているのだから、丸くなっていたほうが危険にいち早く対処できる

ように思う。

今の瞬間、カメラを構えた私が接近しているが、ニホンカナヘビはほとんど動じない。

カナヘビが慌てないのは、私の動作がゆったりしているからだ。

「どんな顔つきしているんだい?」そっと地面にはいつくばって覗き込む。

するとほんのわずかに顔をうごかす。 よほど心地良いのか瞼?を閉じた。

人間と違って瞼は下から上にせり上がる。

W21418782.jpgこの様子を「まどろむ」、と表現していいものか考えてしまうが、やっぱり気持ちいいんだろう。

尻尾に顔を乗せてスヤスヤ寝ているうちの飼い犬とどこが違うと言えるだろうか。

いやしかし、よ~く瞼を見てみれば瞼中央のくずんだ部分は模様なのか、

それとも眼が透けて見えているのか?ちょっと判断しかねる。

そんな些細なことに今日は初めて気付いた。

寝たふりして、じつは薄っすらと外界が見えているのかい?




水の外と中

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近くの公園にトンボ観察に出掛けた。

この公園には大きな人工池があるが、子供が落ちると危ないという苦情などがあるらしく、

池には水を入れていない(管理作業している方から聞いた話)。

空っぽの池がそのまま、というのも妙な光景だ。

しかし、池に流れ込む水路がひな壇状にあって、そこにはわずかだが水が溜まっている。

深いところでも水深はせいぜい20~30センチで、ほとんどがそれ以下である。

P4110057.jpg浅い水溜りではあるが、トンボにとってはうってつけの生息地となっている。

さて、その水溜りを覗き込んでいるとイモリがたくさんいて、

婚姻色となったオスがメスに求愛している場面もあった。

そこでオリンパスのコンパクトデジカメ「 μ TOUGH-6020 」を水中に入れてみた。

体が大きいほうがメスだが、メスは落ち葉の下などに潜みかなり警戒心が強い。

オスは比較的のんびりしているから、カメラを近づけても平気。

P41100331.jpg画面右に写りこんだのはジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)だ。ここの公園にもたいへん多い。

水深は10センチあるかないか。カメラを沈めてレンズを少し上向きにすると、

モニターは鏡面となってまったく視認できない。つまりノーファインダーで適当にシャッターを

切った。

上の絵柄では水中の雰囲気が判りづらい。いろいろカメラアングルを工夫してみたが、

イモリにうまくピントがこなかった。モニターを覗けない水深という条件下でたいへん難しい。

イモリを追いかけているうち、足元にオオアメンボが寄ってきた。

P4110027調整2.jpg間近で見るとオオアメンボの長い脚にあらためて驚く。ほんとうに長い。

この長い脚を縮めて長い長い冬を何処で過ごしてきたのだろう。よく折れたりしないものだ。

そして体はたいへん綺麗だ。泥一つついていない。

秋に羽化した新成虫なんだろうなあ、と感じる。


水面を泳ぐアメンボ類を撮影するにも、できるだけアメンボ目線の低い位置から撮影したい。

そうなると通常のカメラではレンズやボディの一部が水没することになる。

水中はもちろんのことだが、水面上の昆虫撮影でもしっかりした防水対策が必要となる。

以前はアクリル水槽にカメラを入れたりしたこともあるが、手そのものが濡れてしまうため

どんなに用心していてもカメラが濡れてしまう危険性があった。

そこでやはりカメラを完全防水するための水中ハウジングを使うことに決めたのである。

今はその準備段階で、とりあえずコンパクトデジカメ「 μ TOUGH-6020 」を使って

水中撮影の手慣らしをしている。手慣らしというのも変だが、水中撮影そのものの経験が

少ないから、いろいろな問題点をおさらいしておきたい。

コンパクトデジカメ「 μ TOUGH-6020 」を購入したのは、水中撮影だけでなく、

このレベルのコンパクトデジカメでどの程度まで昆虫撮影が楽しめるのか、

それを把握しておこうと思ったからだ。

今度出る予定の本で、このコンパクトデジカメ「 μ TOUGH-6020 」を使った

「昆虫写真の楽しみ方」の原稿も書くつもりだ。



で、公園からうちに戻ってみれば、庭で羽化したと思われる綺麗なベニスズメに出会った。

P4110019調整.jpgベニスズメの写真はスーパーマクロ+LED照明のモードで撮影した。

空が画面に入るので、露出は+0.7オーバー補正している。

LED照明はレンズのすぐ右側からだが、けっこう柔らかい光となり、

上の画面のような条件ではキツイ影も出ない。発光部にディフューザーを被せればさらに

柔らかい光になって、条件が悪くても影を薄くすることができる。

今日の写真は全て、コンパクトデジカメ「 μ TOUGH-6020 」で撮影したもの。


今日のお客さん

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カラスノエンドウ花外蜜腺の続き。

今日のお客さんは、ニジュウヤホシテントウと、

IMG_1378.jpgクロヒメクビボソジョウカイ↓

JX1011952.jpgニジュウヤホシテントウは蜜腺に没頭している様子だったが、

クロヒメクビボソジョウカイの方は、かなり神経質だ。

ちょっとした振動でも辺りを警戒していた。

JX1012051.jpg
玄関を出るとすぐにミヤマカラスアゲハのメスが目に入った。

IMG_1322.jpg花はほとんど終わりかけて、どれもヨレヨレだ。

このツツジはミツバツツジなのか、ハヤトミツバツツジなのか、はたまた別ものなのか

よく判らない。今年の春は花盛りの時期を逃ししてしまい、花の綺麗な写真が残っていない。

昨日にも書いたように、雄しべの数が、花によって6~9本までバラつきがある。

一つだけ5本というのもあったが、ミツバツツジが5本だ。

このツツジの樹には、何種かのミツバツツジ類が同居しているのだろうか?

ともかくも、うちの庭には春と秋には必ずミヤマカラスアゲハがやって来る。

これはなんだか嬉しい。憧れのチョウだったからだ。

キハダを植えておけば、産卵してくれるだろうか。




花外蜜腺と昆虫

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カラスノエンドウの花外蜜腺には、いろいろな昆虫が訪れている。

一番多く目にするのは、クロオオアリやクロヤマアリなどアリの仲間。

テントウムシの仲間やアブ類の姿もよく見かける。

昨日はマルムネジョウカイが来ていた。

IMG_1284.jpg交尾中だが、下になっているのがメスだろうか?こういう場合、食事をしている方がメスで

あることが多いと感じているが、どうだろう。



さて、新しいカメラが届いた。

オリンパスのマイクロフォーサーズカメラ、EーPL1

L1095761.jpgこのカメラを購入した理由は電子ビューファインダーが着くこと、

ボディが小さいこと、内臓ストロボがあるといった特徴を活かした撮影で使うため。

まだマイクロフォーサーズレンズが出遅れているので、今月末に出るレンズを待たないと

いけない。

マイクロフォーサーズ規格のカメラはすでにE-P1を使っているが、

こちらは風景とベローズ高倍率撮影の専用として重宝している。

で、E-PL1の使用目的は、水中撮影。この目的に適うカメラとして選んだ。

水中ハウジングは特注するつもりでいる。

このE-PL1、早く水に入れてくれ!と言っているように私には見える。

(写真上:キャノン EOSキッスデジタルN マクロ100ミリ )
(写真下:オリンパス EーP1 Mズイコーデジタル17ミリ )




初めて出会う虫

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庭のツツジだが、種名ははっきりと判らない。

JX0711146.jpg花は満開となり数日前にはミヤマカラスアゲハが来ていた。

葉っぱの方も展開し始めたが、まだ柔らかい若葉だ。

そこに一匹だけヒメクロオトシブミがいた。

JX0711033.jpgヒメクロオトシブミ特有の食べ痕が透けて見える。

これからもう少ししたらゆりかご作りに励むのだろうなあ、と思っていたら、

もう、ゆりかごが地面に落ちていた。

JX0711091.jpg虫の姿も爆発的に増えてきた。

クヌギの朽木には、初めてみるヒゲナガゾウムシ科の一種がいた。

JX0710675.jpg体長は10ミリ以上あるから、かなり目立つ。

背面からの写真も撮っておくと図鑑で同定するときに役に立つ。

JX0710724.jpg本種は、フトヒゲナガゾウムシ属の一種であるようだが、この属には似たようなのが数種あり

判別が厄介だ。クロモンフトヒゲナガゾウムシあたりかと思われるが、確かではない。

細かく調べるには標本が必要だ。

(写真は全て: オリンパス E-620 35ミリマクロ+2倍テレコン サンパックB3000S )


写真上のツツジは、ミツバツツジではないかとのご指摘をいただきました。

そこで雄しべの数を調べてみたのですが、5本が一個、それ以外のほとんどが7、8、

9本とバラつきがありました。

分布域から見ると、ハヤトミツバツツジ、トサノミツバツツジなどもありますが、

これらは雄しべが10本です。そしてミツバツツジの雄しべは、5本です。

うちの庭のミツバツツジは雑種なのでしょうか?





草刈り孝

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出版社へ送信した写真データファイルが先方で開けなかったり、

あるいは私のうっかりで送り忘れていた写真データがあったりして、バタバタしたが、

今日は久しぶりにフィールドへ出てみた。といっても主な目的は下見。

大容量データ送信無料サービスは、ときどきファイルが開けないというトラブルが生じるので

できるだけ使わないようにしているが、急ぎのときには止むを得ず使ってしまう。

三股町の山間部にはまだまだ立ち入っていない場所が多いので、あちこち気になっていた

林道を巡ってみた。

「椎八重公園」(しいばえ)のツツジの咲き具合なども覗いてみる。

L10656911.jpg品種によってはほぼ満開のものもあるが、全体としてはもう少し先が見頃だろうと思う。

しかしこの椎八重公園、ツツジばかりを植えているので、ツツジの花の時期にしか

人が訪れない。これではいかにも勿体無い。なぜ、いろいろな木々を植えないのであろうか?

何万株も植えて花が無茶苦茶多いことを誇る公園は全国に多いが、その単調さに疑問を

感じる人は少数派なのかもしれない。四季を通じて散策を楽しめるような公園造りは

行政からも、大衆からも嫌われるのだろうか?

L10657312.jpg山すその民家で何箇所か立ち止まってみた。今にも草木に埋もれてしまいそうな家が多い。

そう、ほっとけばうちの家などもあっという間に草や樹に占拠されそうだ。

今年初めての草刈り作業を夕方になって少しやった。

今夜は雨になるというので、2台の草刈り機を使い分けてかなりの面積を刈った。

写真の肩担ぎタイプにはワイヤーカッターを着け、背の低い草を刈る。

カッコは悪いが、カッコがどうのこうのと言ってられない。白いヘルメットは父親の遺品を整理し

ていて出てきたもの。ゴーグルをつけてはいるが、石が跳ねて顔面に当たることもある

ほんとうはフェースマスクを使ったほうがいい。

背負い式の草刈り機には金属丸刃を着け、背丈の高い草や斜面の草を刈る。

休憩もとらず遮二無二に1時間半、草刈りをやるとさすがに疲れる。


(写真上、中: オリンパス E-P1 M14-42ミリズーム )

(写真下: オリンパス μ TOUGH-6020 )



早朝のふ化

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冷蔵庫から出しておいたヤママユ、ウスタビガ卵のふ化が始まった。

卵の数はそれぞれ20~30個以上はある。ふ化はそのうちの3割位だ。

一番早いのは午前4時にウスタビガで、ついでヤママユのふ化も午後5時頃から

ぞくぞくと続いた。

ここ数日、寝床から出るのは午前4時頃。早起きは苦にならない。

待ってましたとばかり、撮影に入る。

JX0508952.jpgウスタビガのふ化を撮影したのは何年ぶりだろう?

フィルム写真がたっぷりあるから、もう写真はいいだろうとも思うが、新鮮な気持ちで対峙する

ことも良しとした。ビデオにはもう興味が無くなった。

JX0509471.jpgふ化幼虫は捻転運動を数回繰り返したあと、コナラの新芽に落ち着いた。

さて、先日4月1日に紹介したヤママユの卵塊7個のうち、最後の卵が今朝になって

ふ化した。一番早いふ化から遅れて5日目にふ化したことになる。

産卵日は同じでも、ふ化するタイミングはこうして数日ズレる。


今朝早くまで雨が降っていたが、午前7時ころには止んだ。

しかし、すっきりしない空模様の一日で、ようやく青空が安定したな、というのは

午後5時過ぎの夕方であった。

犬の散歩から戻ってうちの林で西の方角を望めば、

マムシグサの花も一緒に夕日を浴びていた。

L1055670.jpg
(写真上、中:オリンパスE-620 35ミリマクロ+2倍テレコン )

(写真下: オリンパス EP-1  M14-42ミリズーム )











目撃者

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午前7時少し前のことだ。

寝室のカーテンを開ける。するとガラス窓の向こうに人影が見えた。男性である。

距離は40メートル位先なので顔つきまでは判別できないが、年齢は50後半~60前半

と思える。

道路沿いにタラノキが植えられてある。男は高枝バサミで次々とタラノメを切り落としていく。

少々焦っているようだ。

P40400141.jpg毎年、タラノメが採れるころに地主の方がテープを張り巡らせる。

銀色に輝くテープは、注意勧告を意味していることは誰の目にも明らか。

立ち入るベカラズ。タラノメを採るベカラズ。暗にそう書いてあるようなものだ。

高枝バサミを操る男性もその勧告を充分に意識しているのだろう。

辺りを気にしている。一台の車がやってくると、すかさず道路の反対側の窪みに身を伏せた。

なかなか反応が素早い。

車が通り去ると、タラノメを抱えるようにしてテープを跨ぎ、猛烈に走り出した。

ハハア~ン!?車の置き場所にも用心したナ。通りから死角になった細道の

奥に男の車は止めてあった。

わが家の寝室の窓はタラノキのある場所からはどう見えているのだろう?

気になって出向いてみた。逆方向から見ると寝室の窓は白く反射し室内に人がいても

特にじっとしてれば全くわからない。男が私という目撃者があったことには気付きようも無か

ったろう。

タラノキを仔細に眺めていると、モズのはやにえがあった。ガの一種だ。

P40400122.jpg冬のあいだこのするどい棘に注目していたのだが、はやにえは一つも見つからなかった。

ガは春先に活動するキリガ類だろうか?先日、アブラナの花でも吸蜜していた。

ふと見れば先ほど男が使っていた高枝バサミがころがっている。

P40400103.jpgおや?いくら焦っていてもまさか、さっきの男が忘れていったものではあるまい。

この高枝バサミは地主のKさんが置いたものではないだろうか?

いやそうだとすれば、これは「どうぞ、どうぞ、タラノメをお採りください。」

と言っているようなものだ。

Kさんが置き忘れたのかもしれないが、ここを通り掛かった男は高枝バサミがあるのを見て、

「これはチャンス!」と飛びついたのも当然の成り行きであったのかもしれない。


宮崎に移住して3年目の春を迎えた。

これまでの3年間にいろいろな出来事があったが、盗難、不審人物、不法投棄といった

ことに関わる事例も多い。これは全国どこでも似たようなことだろうと思うが、

わが家の周辺はのどかな田舎風景であり、人の出入りは都会や町に比べればはるかに

少ない。だが一見誰も来ないような場所にも、常に誰かの視線が注がれていることがよく

わかる。人の目が少ないからこそ、むしろ不法投棄も平気な輩が後を絶たない。

先月だったか、うちのすぐ近くにある農家の方の納屋から耕運機が盗まれた。

盗まれた夜、わが家全員は松山の実家に帰っていて、夜も灯りが消えていたという。

納屋はうちから見下ろせる位置にあるから、灯りがともっていれば盗難はなかったのかも

しれないし、人気が無くなるのをねらっていたのかもしれない。

不審人物の一人は最近になって現れるようになった。

何をもって不審と見做すかは問題だが、同じ場所の路上に車を止めてはしばらく

そのままじっとしているだけ。それを不審としてどこまで取り沙汰するかだが、

まあしばらくは静観するしかないようで、私以外に近所の方もずいぶん気になさっている。

同じ場所に車を止めるといっても、その時間帯や留まっている時間の長さに規則性が無い。

通勤途中とか営業の出先という見立ては当てはまりそうに無い。やはり不可解だ。

歳のころは30代前半だろうか。ともかく若い男性だ。町内でその男の運転する車と

すれ違うことが2回あったから、同じ町内に住んでいる可能性もある。

わけがわからないと、やはり人は不審ではないか、との気持ちがつのる。

脇目もふらず虫を探し歩き、たまに殺気すら帯びてしまう私。

その私を知らない方が目撃したなら、はたしてどう感じるだろうか?

いや想像するまでもない。

「なんやそこの道に、不審人物がおるでえ~!!警察に電話せいや!!」












キムラグモ

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仕事で急遽、キムラグモを撮影した。

危険を察知して脚を縮めた格好が面白い。何かに似ている?

JX030375調整2.jpgキムラグモはもっとも原始的なクモということだ。生息地は九州南部。

うちの家の近くにちょっとした崖があり、キムラグモはそこに住居を構えている。

宮崎に引っ越して来てすぐに見つけたのが、このキムラグモだった。

JX0303622.jpg秘密の扉を開けると、

JX0303631.jpg横穴は10センチ程度の深さがあり、その一番奥にキムラグモが潜んでいる。







噛み付く蛹

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今朝、5時50分頃、ヤママユが一匹ふ化した。

昨日、隣の林のコナラで見つけた7個の卵のうちの一個だ

さて、先日見つけたヘビトンボの蛹。

JX0202121.jpg

ちょこんと触ってみれば、すぐに反応してよく動く。

JX0202072.jpg
いや過敏に動くだけでなく、大アゴで噛み付いてくる。

蛹部屋に隠れてはいるが、もし外敵が侵入したとしても反撃することができるのだろう。

もっとも、この頑丈な大アゴは防衛手段のためというよりか、

蛹部屋の壁を破って脱出する際に必要となるのであろう。




生暖かい一日だった。

外の様子も気になるが、室内でやるべきことが多い。

午後3時頃になってようやく外を少しだけ歩けたが、晴れ間はわずかだった。

銀色の芽吹きが目立つようになったコナラの梢を眺めていると、

すぐにヤママユの卵が目に入った。

アレ!?この樹は冬に何度も舐めるようにして探したはずだが。

JX0100553.jpgこんなに目立つ場所であるのに、なぜ見落としたか?  でっかい卵を、、、、。

よく見てみれば7個の卵のうち、3個には大きな穴が開いていて、ふ化済み。

ならばと、枝先へ視線を移動させるとやはりヤママユの1令幼虫が3匹いた。

JX0100792.jpg体の太り具合からして、ふ化後2、3日は経ているだろう。

銀の筆のような若葉を食べてはいるが、ヤママユのふ化時期としては少し早めのように

思える。

JX010120.jpg冬の間に採集しておいたヤママユとウスタビガの卵は、

先日冷蔵庫から出したばかりで、まだふ化は始まっていない。

例年、採集した越冬卵は風通しの良い網籠に入れて庭木に吊るしておく。

3月に入ってから卵は冷蔵庫で保管し(乾燥には注意する)、

コナラやクヌギの芽吹きの様子を見ながら取り出すタイミングを計る。

さて、今日見つけたヤママユの卵のどれかは、明朝になって必ずふ化するはずだ。