2012年11月アーカイブ


タイムストッパー

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[ 宮崎県 三股町 ]

まさかこの時期になってもオオスズメバチがまだ活動している?

クヌギの樹液に頭を突っ込んだその姿を見て、最初は驚いた。

IMG_2639.JPGしかしこのオオスズメバチ、まったく動かないのであった。

IMG_2655.JPG近づいてよく見れば、すでに死んでいた。おそらく病菌に犯されて絶命したのだろう。

2週間ほど以前には樹液が出ていたであろう場所で、

固まったように死んでいたオオスズメバチ。樹液を吸いながら、ふと休憩しているときに

突然と死が訪れたのではないだろうか。

悶絶の瞬間、毒針を出したのだろうか?

IMG_2668.JPG( 写真: EOSキッスDX6i  EF-s60ミリマクロ ストロボ270EXⅡ )

黄葉

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[ 日南市 北郷町 ]

小雨のなか日南市の広渡ダムまで出掛けた。

スギ山の伐採作業は雨のなかでも行われていた。

ZB296339伐採と自然林.JPGその片隅にほんのわずか残された広葉樹林が紅葉していた。とても寂しい光景だ。

アブラギリの黄葉はまだそれほど進んでいない。

ZB296338アブラギリ黄葉.JPGアカメガシワの黄葉が今は見頃だが、それに比べアブラギリの黄葉は中途半端にも

感じる。そう感じるのは人間のエゴだろうけど。

自然といっても、その自然とは何かという捉え方は人によってあまりにも違い過ぎる。



Trichoptera

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[ 宮崎県 三股町 ]

今月半ばに撮影したアキアカネ♀のことが気になっていた。

午後から少し時間ができたので、我が家の林の縁で、トンボ観察をしてみた。

するとやはり、いた!アキアカネの雌雄が日光浴をしており、

しかし気温が低いので全部、手掴みで捕まえることができた。

たしかに、アキアカネであった。

アキアカネが止まっていた棒杭に静止していたトビケラ類 SP.

IMG_2593トビケラSP.JPG体全体が毛で覆われており、それで毛翅目(Trichoptera)と呼ばれる分類群に属する。

幼虫は皆、水生であり、糸を吐き、例えばキタガミトビケラのように

まるで水中ミノムシのような暮らしをしている種類も多い。

私がTrichopteraのことを意識したのは、ヨコヅナサシガメ幼虫の観察をしていたときで、

樹皮裏に隠れていたTrichopteraをブスリと刺して釣り上げた瞬間であった。






日光浴

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[ 宮崎県 三股町 ]

朝と夜はめっぽう冷え込むけれど、昼間は陽射しがあって

場所によってはかなり暖かい。 がしかし、私の仕事部屋に限っては北端にあって

終日、寒い。

ZB276266.jpg今日、敷地内で3頭のハラビロカマキリ♀を見た。皆、日光浴をしているが、

触れてもほぼ動かない。いや、動けないのだろう。

我が家のシイタケ栽培は順調どころか、間引きしないと成長阻害が出るほどにまで

過密で豊作である。

ZB276296.jpg夕暮れどき、久しぶりに霧島山のシルエットがくっきりと浮かび上がった。

IMG_2494.JPG



ヘビイチゴ

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[ 宮崎県 三股町 ]

宮崎昆虫同好会の会誌「タテハモドキ」の原稿締切はもう間近だ。

短報を2篇、投稿するつもりでいる。さっさと準備しておけばいいものを、

仕事にかまけて作業が後回しになっている。

今日は午後から西風がかなり強烈。空も暗い。

先日のウスタビガ♀が繭に残していった卵を確認してから、

アカメガシワの枝でハラビロカマキリの♀と目が合った。

ZB266175ハラビロカマキリ.JPG玄関の壁にはもう一週間前からへばりついたままの♀がいる。

ハラビロカマキリから目線を地面に移すと、ヘビイチゴの大きな果実があった。

でっかい!

ZB266176ヘビイチゴ.JPG美味しそうに見える。

( E-M5  M.60ミリマクロ ストロボFL300R )

嫁さんが探していて見つからなかった、タマネギの苗をあるスーパーで買い求めた。

100株、200円なり!!

ここのスーパーは特に野菜や果物が安く、品もいい。魚、肉類もあるが、そちらは

品薄であるが、それは仕方がない。しかし店に特徴があってそれがいい。

「お知らせ」

12月2日に予定していた都城市、安久児童館での「鱗粉転写」は

同月、1日(土曜日)午後1時~、に変更となりました。

この日は昆虫の面白いお話も、写真を使って30分ほど行います。

お時間と興味のある方は、是非、安久児童館 にお越し下さい。






[ 宮崎県 宮崎市 ]

「みやざき森づくりボランティア協議会」主催の「森づくりシンポジウム」で

講演を行った。

一週間前から会場の宮崎県県立図書館のロビーでシンポジウム解説展示に

私の写真パネルも参加。写真パネルは20点程度。

CIMG1764.JPG講演はいつもの子供達相手ではなく、久しぶりに大人の方が対象だった。

CIMG1753講演.JPG
時間調整に気を使ったが、きっちり1時間で収まり、

あと30分の質問コーナーも余裕があった。

午後5時、写真パネルを撤収し、三股町へと戻る。

今夜は伝統芸能保存会の忘年会に出席。車なので酒は飲めない。




[ 宮崎県 三股町 ]

午前8時過ぎ。メスの繭にオスが来ていた。すでに交尾中であった。

IMG_2467.JPGウスタビガ交尾.JPG左のメスは昨夜、羽化したのは間違いない。オスはおそらく深夜から早朝の間に飛来し

交尾したのだろう。メスは羽化してすぐに交尾成就となったわけだ。

このあと、オスが飛び立っていったのが午後2時過ぎ。

メスはまだ残っているが、今夜には飛び去るかと思う。

写真のオスが先日、このクヌギで羽化した個体なのかどうかは、わからない。

( 写真: EOS-キッスX6i  EF8-15ミリズームレンズ 内蔵ストロボ )



オビカレハの卵

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[ 宮崎県 三股町 ]

スーパーカブ50で近所まで買い物に出かけた。

昨日数キロ先にホームセンター「コメリ」がオープンして、便利になった。

30キロを超えると赤い警告ランプが灯る。下り坂ではランプが点灯し易い。

ランプより警告音の方が安全かと思うが。

原付バイクというのは速度制限30キロで、車より周りの風景がよく見える。

ロケハンにはうってつけだと改めて感じた。冬はしかし無茶苦茶、寒い。

さすがに風が強い日には乗りたくない。早くゴーグルが欲しい。


さて、先日、松山の実家の庭で見つけたオビカレハの卵塊。何個あるだろう。

ZB195716オビカレハ卵.jpg枝はクロガネモチ。しかし、よくよく見ると、すでに孵化済みの卵殻であった。

つまり去年の卵で、今年の春に孵化したものだろう。

とすると、これまで庭で発生していたオビカレハ幼虫になぜ気付かなかったのだろう?

狭い庭ではあるが見落としがあったのかもしれない。まさか全部、寄生蜂にやられていた、

という可能性もあるだろうか?

( 写真: E-M5  M.60ミリマクロレンズ )



[ 宮崎県 三股町 ]

ウスタビガが例年、羽化する時期は11月後半~となる。

関東周辺の里山でもほぼ同じ頃だったと思う。

まさに秋冷のころ、紅葉が進行していく中で羽化するというのは、

ヤママユガ科の中でもっとも遅い羽化時期である。

ウスタビガの羽化そしてそれに続く配偶行動も終了すると、

ようやく冬になったなあ、と毎年、実感できる。

昨日紹介したオスは、深夜のうちに飛び立った。メスを求めての旅立ちである。

一方、我が家の林のカラスザンショウにはモンキアゲハの4令幼虫が4頭、

見つかっている。

ZB226066モンキアゲハ幼虫.jpgうっかり複葉を掴むと、葉柄からポロリと外れてしまう。カラスザンショウも落葉の時期だ。

だから、モンキアゲハ幼虫ものんびりしているわけにはいかないはずだが、

気温も低くほとんど活動休止状態である。

例年のことではあるが、この時期に残っているモンキアゲハ幼虫は終齢まで成長できても

蛹化までたどり着けず、死んでしまうのがほとんどである。

昆虫の生活は季節の進行にうまく合わせているが、全てが順調にいくわけではなく、

こうしていわゆる無駄死になる個体も数多くいる。

無駄か、それとも余裕なのか、解釈の仕方もいろいろできるだろう。

さて、本日、ポプラ社の図鑑WONDA「昆虫」の見本が届いた。

img002.JPG私も少し生態写真を提供している。251ページで、定価2000円。

こうして本の形で子供たちにメッセージが届けられるのがいい。

ネット時代になって印刷業界の先行きが不透明になってきた。

しかし、私はずっと本の世界に生きているし、この先もそれに変わりはない。

私にとって本との出会いが今の仕事に結びついているし、

結局、私はテレビ業界には全く馴染めずそこからあっさり身を退いた。

ま、それを言えばこのブログ更新も矛盾していることになり、

いづれ止めるべきかもしれない。

本作りに専念して、ブログから離れるべきかと思うことも多い。

さて、連載記事を書いている「ジュニアエラ」12月号も只今、発売中です。

CIMG1751.JPG先日、三股町内の小牧書店でも販売していることに気づき、びっくりした。

私の連載記事「昆虫バンザイ」も来年3月号で終了。2年間の連載は楽しい仕事だった。

最終テーマはまだ決まっていない。



旅立つ前の休息?

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[ 宮崎県 三股町 ]

「おはようございます!」

IMG_2284_1ウスタビガおす.JPG昨日羽化したウスタビガのオスは、今朝もまだ繭に留まっていた。

のんびりしているのも、その理由の一つくらいはわかる気がする。

焦っても無駄。つまり、目指すお相手のメスの数がまだ少ないであろうから。

それとウスタビガは餌をとらない、いや、とれない。口器が退化しているからだ。

食事は必要ないのであり、オスの仕事はひたすら、メスを探し当てることだ。

餌探しで時間を費やすこともない。

しかし、午後8時過ぎ現在、まだ動かない。

庭のツワブキにはたくさんの昆虫が訪れていた。キタテハは5頭。

ニホンミツバチの姿もあった。

タテハモドキは久々に見た。

IMG_2335_1タテハモドキ.JPG夏の間、うちの近辺ではまったく見ていない。

いや、ここ2、3年、夏型を目撃すらできていない。

秋、冬になると、必ず一頭はうちの林や庭に姿を現すのであるが。

夏型が激減している理由がわからない。

( EOSー7D 、EOSキッスX6i  EF100ミリマクロ、EF200ミリ )





[ 宮崎県 三股町 ]

松山から鹿児島までの空路は天候も良く、途中、佐田岬もよく見えた。

CIMG1742佐田岬.JPG岬を越えて対岸の大分県、臼杵まではあっと言う間だ。秋にはこの岬からサシバやヒヨドリ

達が群れをなして渡りをする様子が観察できる。私も何回か岬の灯台まで通ったことがある。

さて、鹿児島空港からバス、電車を乗り継いで我が家に到着したのは午後4時前。

庭のクヌギが気になってそろそろではないか、と覗き込んでみれば、

やはり羽化直後のウスタビガ♂がいた。

IMG_2115ウスタビガ羽化オス.JPG羽化時刻は推定で、午後3時~3時半頃ではないかと思う。

このあと翅を拡げたのは午後6時過ぎで、午後9時10分現在もまだ

繭にぶら下がったままでいる。

( 写真: カシオEXーZR300 、 EOSキッスX6i EF100ミリマクロ  )





カメムシ

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[ 愛媛県 松山市 ]

実家の庭の柿は樹齢35年くらいだろうと思う。

屋根を越し、そして塀を越してしまったので、今日はバッサリ剪定した。

いやじつは昨日から始めたものの、鋸の切れ味が悪く今日に持ち越したのである。

生木を切るのは結構、たいへん。ホームセンターで生木用の鋸を買った。

剪定作業の副産物がイラガの繭で、かなりの数が集まった。

実家の傍の草むらにヒメジョオンだろうか。

ZB195766ヒメジョオン.JPG数株しかないが、よく見るとカメムシ類がいくつか来ていた。

ZB195788カスミカメ01.JPG綺麗なカスミカメムシの一種。

※本種は、アカスジカスミカメムシ Stenotus rubrovittatus のようで、

図鑑記載写真よりかなり赤味が強いが、色彩紋様に個体差が大きいのであろうか?


さて、電気自動車、日産リーフだが、やはりエンジンルームを見たくなる。

CIMG1722リーフフロント.JPGエンジンルームは意外とガソリン車と変わりがないように感じる。

特に右に見える通常の車載バッテリーはこれは何に使っているのだろう?

まさかエンジンモーターの供給用ではないはずで、オーディオや室内装備用だろうか?

CIMG1720エンジンルーム.JPG眺めていても全く理解できないのですぐに蓋を閉じた。マブチモーターの親分みたいのが

入っているかと思っていたが(嘘です)、まるでガソリンエンジンみたい。

※ 4日間、リーフを運転してみたが、モーター駆動音、走行音が極めて静粛な他は、

ガソリン車の運転感覚に近いものがあって、ガソリン車から乗り替える人に配慮した

設計なのかと感じた。

エンジンのように見えている画面左の灰色の四角いパーツはインバーターで

ここで電圧400Vまで昇圧するようだ。駆動モーターはかなり小さくインバーターの下に

隠れている。モーター電源供給用の電池、リチウムイオン電池は乗車室の底部に

でっかいのが収まっており、通常は見ることができない。

街中で買い物をしたりと遠出をしなかったので結局、一度も充電が必要なく、

返車する時点での走行可能距離はあと30キロあまりであった。

もちろんフル充電にする必要はない。

ガソリン車だと満タン返しであるからガソリン代にして1500円前後の

余分な出費が発生する。初乗りの時点で走行可能距離は180キロだった。

急速充電ができる場所は実家近くのコンビニが2軒あり、いづれも充電費用は無料。

有料でも500円程度のようだ。

リーフは3ナンバー。私としては小型車がいいと思う。24時間充電できる場所が

ほとんどのコンビニでOK、というまでインフラが充実したなら、電気自動車は

買いだと思えた。それと自宅での充電には制約があるようなので、その点も是非、

改善して欲しい。




一昨日の夜。日本昆虫分類学会の総会後の懇親会ではあまり食べないよう心がけた。

なぜなら、締めにラーメンを楽しみにしていたからだ。

二次会の居酒屋を出て、一人、ラーメン屋まで歩いた。

松山に来たら、ここ「珍珍軒」、で決まり。

CIMG1718珍珍軒.JPGああ、看板がテープで補修されて惨めです。

でもまた食べたいですね。




[ 愛媛県 松山市 ]

実家近くの正友神社。

ZB185633ヒオドシ蛹殻.JPGシンジュサンの繭を探しに出かけてみたが、クロガネモチの木が伐採されていた。

境内を歩いてみれば、ヒオドシチョウの蛹殻があちこちにぶら下がっていた。

本種はエノキにもつくが、この辺りでは昔からアキニレで繁殖することが多い。

私が高校生の頃、この神社の近くでハナミョウガの葉裏に蛹が鈴成になっていた。

アキニレの幹表面にズラリと蛹が並んでいたこともあった。もう一度そのような光景に

出会ってみたいものだと思う。

ZB185673アキニレ.JPG夕方、ムクドリが塒に入る前、電線に次々と集まっていた。それぞれの群れは頃合を見て

土手の林へと飛び込んでいく。

ZB185691ムクドリ2.JPG
( 写真: E-M5  M.60ミリマクロ 、M.40-150ミリズーム )



日本昆虫分類学会 

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[ 愛媛県 松山市 ]

11月17日(土曜日)。朝から激しい雨。

東京の出版社からの電話待ち。午前11時20分、タクシーで松山の中心街へ出る。

雨でなければ2キロ先のバス停まで歩くつもりでいた。

松山城ロープウェイ街にある、うどん屋「車井戸」でてんぷらうどん(530円)を食べる。

あっさりした汁。天ぷらは揚げたてで、舌を焼いた。

大街道の明屋書店(はるや)に立ち寄る。書店内の放送でポプラ社の新刊のお知らせが

流れていた。ポプラディア大図鑑「WONDA」の紹介だった。

12時30分。愛媛大学、城北キャンパスまで歩く。

日本昆虫分類学会 第15回大会」に参加。案内に書いていた愛媛ミュージアムの

建物に行くと別の学会の会場しかなかった。正門まで戻って守衛さんに聞いてみると

別の建物であることがわかった。

一般講演が終了し、特別講演が始まるまでの休憩時間で「愛媛大学ミュージアム」

見学。

CIMG1715愛大ミュージアム.JPG大学進学を考えている高校生にとって、このミュージアムはわかりやすい指標になるだろう。

愛媛大学各学部の研究室の研究成果に基づいた展示が綺麗にレイアウトされており、

全部しっかり見学すると1時間半はたっぷり掛かるそうだ。

講演の内容はどれも興味深く拝聴したが、吉富博之先生の

「ビワコブオオアブラムシ(仮称)の日本からの発見」、と

「小笠原列島母島での採集調査」は特に

自分の興味や体験に近いこともあって印象的だった。


私は仕事で1ヶ月間、小笠原に滞在したことがあるが、それは1987年のことで、もう25年

も昔のことだ。母島にも一週間ほど滞在し、鍾乳洞にも潜った。

私の仕事は映画撮影(16ミリ)の助手と写真撮影+生物コーディネーター。

重い三脚機材を担いでの山歩きはかなりキツかった。結局、昆虫撮影はほとんど

できなかった。助手業が忙しいからだ。

母島の無人島へは漁船をチャーターし(当時もチャーター料は一日5万円だった)

カツオドリの撮影をしたが、撮影後、カメラマンが勿体ないから釣りを楽しもうと言い出し、

キハダマグロのはえ縄釣りを1~2時間ばかり行った。

「旦那、引いてるよ!」と言われてキハダマグロを喜んで釣り上げた記憶がある。

しかし、私は短パンにTシャツ姿。みるみるうちに両足太ももが真っ赤に日焼けした。

民宿に戻ってみると足がパンパンに腫れ上がりひどい発熱。

膝を曲げることもできず足の痛みで熟睡することもできなかった。

私の足を見た民宿のおばちゃんにはえらく叱られた。

たしかに貼り紙にも「長ズボン、長袖を着用し、日焼けには注意!!」とあった。

小笠原では過去に日焼けで死者も出ているのだ。

そもそも私は肌白で日焼けにはめっぽう弱い体質である。

間が悪いことに母島の診療所は休日で閉まっていた。しかも明日には父島に

戻らねばならず、その前に乳房山での映画撮影の仕事が残っていた。

宿で休んでいるわけにはいかない。

カメラマンと一緒に乳房山登山に出掛けたが、下山するころには最悪の状況。

足を擦るようにしてゆっくりとしか歩けなくなった。太ももの皮膚はミミズ腫れして

所々はズボンの生地で擦れて破れ、リンパ液が溢れ始めた。

オガサワラシジミもチラリと見たが、すでにカメラを手にする気力も無かった。

まさに「乳房山、死の彷徨!」と心の中で叫んでいた。

カメラマンは飲み水も切れたので、先に下山。じわりじわり、と歩く私を登山口で迎えてくれた。

父島に戻って岸壁に降り立つと送迎の人だかりがあった。

ゆっくりと歩く私の両足が皆の注目を浴びたのは言うまでもない。

痛みがヒドイため、長ズボンが履けないのだ。

すぐさま病院に駆け込み治療を受けた。

と、小笠原での思い出といえば、この日焼け事故のことが強烈に蘇る。

母島の鍾乳洞内はかなり広く、初めての洞穴探検でもあったのでそれも印象に

強く焼きついているが、ともかく三脚、バッテリーを担いでの登山で昆虫をしっかり

観察できなかったのは残念だった。

吉富先生の講演の中で、小笠原の昆虫相が某著に変化し始めたのが1990年で、

その年を境に激減、絶滅が加速したという話があった。

その原因はいろいろあるだろうが、外来生物の影響が大きいことは疑いないだろう。

1987年当時、民宿周辺では普通にグリーンアノールが徘徊していて、

当時は珍しさしか感じず、休憩時間にこのトカゲを追いかけ、

捕食シーンでも撮影できればと躍起になったが、今思えばとんでもないことであった。

小笠原から戻ってからしばらくして、オガサワラゼミがトカゲの捕食で激減している、

という記事を科学雑誌で読んでびっくりした。

またこの当時、私はアリアスアブの生態にのめり込んでいた時期で、

じつは孵化幼虫をトビイロケアりの人工巣で飼育していた。

その成長過程を観察、撮影せねばならなかったが、

そのときに小笠原ロケの仕事が舞い込んできたのだ。私はたいへん迷った。

で、小笠原にも興味が湧いたが自分の抱えているテーマを見放すこともできず一度は

断ったのであるが、助手が他にいない、と説得されてしぶしぶ受けたのであった。

丸々一ヶ月、家を空けている間に、人工巣の中でアリスアブ幼虫は一匹だけだが

成長していた。

今思えば、あの当時は昆虫写真家としての自分を育てているような時期でもあり、

稼ぐ仕事とのバランスでいろいろ悩むことも多かった。

ある意味、必死だったのだろうと思う。



さて、今回の旅は公共交通機関のみで移動。特に撮影の予定を抱えてはいないので

機材は最小限とした。荷物はこんな程度。

CIMG1643バッグ類.JPG右の薄茶色のバッグがHUGGERの小型カメラバッグ。英国製。

造りがしっかりしてコンパクトな機材を収納するにはちょうどいいが、価格はかなり高め。

ノートパソコンはザックの収納スペースに入れてあるので、ザックもカメラバッグも機内

持ち込みとなる。ノートパソコンをカメラバッグに収納できれば、ザックを手荷物預けできるが

そうなるとカメラバッグが大きくなってしまう。カメラバッグはそれゆえ、目的に合わせて

慎重に選びたい。

今回の機材はこれだけ。カメラはOM-EM-5、一台とコンパクトのEX-ZR300のみ。

CIMG1699機材.JPGレンズは標準ズーム、望遠ズーム、マクロ60ミリ、そして魚ロ目8号。

ストロボ用、アームは分解してカメラバッグの底に収納できる。

自作ディフューザー2個は、サイズに大小をつけて二つを重ねてカメラのレンズに

被せる格好で収納。強度を確保したディフューザーは小さくならないが、

重ねることでスペース節約ができる。昔、市販のディフューザーで風船方式のものが

あって使ったことがあるが誰もが想像つくように穴が空いて、すぐにおしゃかになった。

今はペットボトルの底を切り抜いて何個も予備を作っているし、出先で紛失しても材料を

すぐに調達できる。ゴム紐、と若干の工作工具があればいい。ペットボトルに被せる

白布ディフューザーは市販のもので、無ければトレペや代替品を工夫できるが

色温度を考慮する必要がある。


愛宕小学校で講演

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[ 長崎県 長崎市 ]

JR長崎駅のすぐ前のホテルからタクシーに乗り、愛宕小学校へ向かった。

中央通りを抜けてすぐに坂道に入る。

長崎は坂の街とは言われるが、そのことを今回はあらためて実感した。

グングンとタクシーは坂道を登る。途中、目にするのはバイクが多いこと。

そして自転車はきわめて少ない。いや日常生活のなかで自転車は使えないのである。

そしてタクシーもやたらと多い。

愛宕小学校は山の上にあった。

講演まで時間がたっぷりあったので、スタッフのお母さん達と一緒に

学校近くの彦山に登ってみた。ヒロセさん、イチムラさん、サトウさん。

登り口は住宅の隙間にあって、地元の人でなければわからないほど狭い。

少し歩き始めたところでムラサキシジミが現れ、そのすぐあと、マテバシイの葉で

ムラサキツバメの越冬集団も見つかった。数は少ないが、あっさりと見つかった。

で、次にはシンジュサンの繭も見つけた。

彦山は標高386メートル。

CIMG1667彦山.JPG頂上にはでっかいアンテナ施設があって不気味だが、そこからちょっと下った場所では

長崎市の眺望が素晴らしかった。

CIMG1674長崎眺望.JPGサトウさんに撮影してもらった。登りの最後のほうはキツく、汗だくになり上着を脱いだ。

露岩の舞台があって、そこから長崎市の中心部を一望できる素敵な場所である。

CIMG1688.JPG長崎には平地が少ないので、住宅街が山の斜面を埋め尽くしている。

山を埋め潰してしまいそうな勢いで住宅が増殖している。

ただし、佐賀県からずっとそうだったが、長崎では杉や檜などの植林がきわめて少ない。

山のほとんどが、自然林だ。もっともそれは二次林で、少し遡れば、畑か薪炭林として

活用されていたのだろう。どの木も樹齢は若い。

でも杉や檜の植林でないぶん、林は明るく見た目にも穏やかで心なごむ

ものがある。植生が豊かであることには違いない。

講演を聴いてくれたのは、愛宕小学校の全生徒500名以上の子供たち。

講演後の質問では、手を上げてくれるお友達が多く、ちゃんと講演を熱心に聴いてくれた

ので嬉しかった。

講演終了後、長崎駅から「特急白かもめ」で博多まで移動。約2時間で博多駅着。

そこから地下鉄で福岡空港までは5分程度。

福岡空港から松山まで移動。福岡空港はしかし、やたらと歩かされる。

とくに松山便の第一ターミナルは地下鉄の改札口からかなり遠く、なおかつ搭乗口を

抜けたあと飛行機の待機している場所までこれまた長い廊下をひたすら歩かされた。

松山空港でレンタカーを借りた。いつもの日産レンタカーだが、今回は

電気自動車の日産リーフにしてみた。料金はマーチと同じ。

走行音は静かだ。馬力にいささか物足りなさもあるが、必要以上の加速や

制限速度オーバーも抑えることができて、安全運転ができて電気自動車は

いいのではないかと思えた。

充電場所もいくつかある。さて、松山に滞在中、充電することがあるだろうか?

(写真: カシオ EX-ZR300 )










長崎

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[ 長崎県 長崎市 ]


昨日は三股町、JR餅原駅から長崎駅まで、電車で移動した。

無人駅の餅原駅構内ではルリチュウレンジの幼虫がツツジを食べていた。

CIMG1620ハバチ.JPG鹿児島中央駅から九州新幹線に初めて乗車。新しい車両の上、通路が広く座席もゆったり

していて、快適であった。

CIMG1649新幹線.JPG餅原駅から約4時間42分で、長崎駅終点に到着した。

長崎に来るのは40年前の修学旅行、そして15年ほど前、雲仙市、田代原に仕事で

訪れたことがあるだけ。少し市内の街中を歩いてみた。

CIMG1657橋.JPG「長崎女神大橋」が夕焼けに浮かんで綺麗に見えた。湾内には豪華客船がよく入港するそ

うだが、その船着場を眺めていたら、クラシックな蒸気船がゆっくりと目の前を通り過ぎた。

CIMG1654蒸気船.JPG宮崎市内と違って、長崎の街には人が多たいへん賑わっている。

中華街からアーケード商店街を歩いてみたが、活気に溢れていた。

CIMG1659中華街.JPG夜の会食。

CIMG1660お造り.JPG魚料理を中心に美味しい夕餉であった。ご馳走様でした。

焼酎は「壱岐の麦」25度が、最高でした!

メニューには載ってないので、店員さんに聞かないと出てこない酒。

( 写真: カシオ ZR-300 )









オオカマキリ

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[ 宮崎県 三股町 ]

夕方の犬の散歩は少し早めに出た。

草むらから出てきたオオカマキリ、外見はくたびれていないが低温ゆえか動きが鈍い。

くたびれてはいても、私や犬に対して威嚇行動をとる。

IMG_2080オオカマキリ.JPGもうしかし、かなり弱っている。

我が家のシイタケ、グングンと大きくなってきた。

IMG_2030しいたけ.JPG( 写真: EOSキッス X6i    EF-s 60ミリマクロ  ストロボ270EXⅡ  )

今年はメインパソコンの2台が続けて不調となり、廃棄せざるを得なかった。

それで9月に新規のパソコンを導入したものの、一台では万全ではないので、

本日、ようやくメインパソコンの2台目を準備できた。

OSは同じだが、パソコンのメーカーは別にしてある。写真データのバックアップは

別々のパソコンで吸い上げて保管する。手間は掛かるが、仕方が無い。

じつはあってはならないことだが、保管してある撮影データの一部が損傷していることが

判明した。特定のフォルダー内のみ、データが0KBになっていたり、あるいは明らかに

壊れていてRAWデータが展開できないという症状が確認された。

取り込んでしばらくは正常だったデータがいつの間にか壊れてしまった。

そこである有料の復元ソフトを使ってもみたが、まったく復元できないどころか、

奇妙なデータを吐き出すだけに終わってがっかりした。この手のソフトはいっぱいあって、

どれが適正なのか、見極めるのも難しい。

部分的なデータ損傷だったので(失って痛いデータもあるにはあるが)

データ復元に時間と労力を注ぐことを断念した。今は忙しくてそれどころではないのである。

むしろ、今後このようなことが再発しないよう、できるだけの対策をとることにした。

それと、むやみに撮影すること自体も自制すべきかと考え直している。

あとあと整理が追いつかないほど撮影しても、結局は写真データを活かしきれないのは

見えている。撮るだけ撮って、あとで考えればいいや、というこれまでの態度を

私は見直さねばと、反省している。

したがって、ビデオを回してそこから写真カットをチョイスするというようなやり方は

技術的に可能になったとしても、私には全く縁が無い世界であろうかと、思うのである。

情報データも数限りなく増えてきているが、個人の脳力でそれをどこまで処理できるか?

自分の能力の限界を知ることも大事かと思う。

ネット情報もできるなら、必要最小限に留めたい。パソコン画面を見つめる時間は

少なければ少ないに越したことはないと思う。






[ 宮崎県 三股町 ]

先日、うしろ半分を脱皮したダンゴムシが、

本日の夕方、こんどは前半分を脱皮した。

ZB135592.jpg脱皮直後の新皮は、光沢のある黒色。脱いだ殻は真っ白。後ろ半分は灰色。

脱皮のとき、ダンゴムシは「三色団子」と、なるのである。

( 写真: E-M5  M.60ミリマクロ )

今日は急に雨雲が広がって雨が降ったり、陽射しがあったり、強風があったりと

めまぐるしい空模様であった。

そんな中、注文してあったホンダのスーパーカブ50が届いた。原付バイクである。

スーパーカブは今年の5月にモデルチェンジして、これまで国内生産だったのが

中国工場での生産になってしまった。スタイルもエンジンも様変わりしたのだが、

驚異的な燃費は維持しているようだ。リッター、100キロ、いやそれ以上かもしれない。

私がかつてスーパーカブを乗っていたのは学生時代であり、

今日またがるのは30年ぶりのこと。それでも体はちゃんと覚えていた。

まずは自宅の駐車場内をグルグル試乗してみた。ギヤチェンジが硬いよ、

と言われていたが、そうでもなく順調にいけた。

初乗りは街中の銀行まで、と思っていたが、風が強く寒いこともあり、ゴーグルも

まだ無いので、今日はすぐ傍の農道で慣らし運転をするだけにした。

いや何よりも室内作業の仕事で忙しいという事情もあったのだ。





クヌギカメムシ

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[ 宮崎県 三股町 ]

シイタケの様子を見るのが近頃の日課となっている。

雨が降ってシイタケの成長は目に見えるほど速い。

ほだ木の傍ら、クサギの葉上にクヌギカメムシのメスがいた。

IMG_2012クヌギカメムシ♀.JPGお腹は卵で、はちきれんばかりに膨らんでいる。

クヌギカメムシはこうして、秋になって姿を見るようになり、やがてクヌギに戻って来るが、

5月頃に羽化してからかれこれ半年もの間、林の梢やどこかしこを渡り歩いてでもいるのだ

ろうか。真夏にひょんな場所でその姿を見かけることもあるが、葉陰やどこかにじっと

身を隠していることも多いのだろうか。彼らの生活もよくわからないことが多い。

( 写真: EOSキッス X6i   EF-s 60ミリマクロ ストロボ270EXⅡ )


今日は、宮崎市の県立図書館ロビーで写真パネルの飾り付けをしてきた。

今月、25日に「みやざき森づくりボランティア協議会」による「森づくりシンポジウム」が

開催され、私はそこで講演を行うことになっている。


ダンゴムシ

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[ 宮崎県 三股町 ]

ダンゴムシは昆虫ではないが、児童向け昆虫図鑑ではクモと一緒に必ず登場する。

さて、私は二人の子供の保育園の送迎をほぼ十年間やった。

朝夕、身支度をさせ保育園に行き来するのが私の務めであったのだ。

幼い子供たちが、まず最初に身近な生き物として接するのは、ダンゴムシである。

動きが鈍いこと、地面という目線の低い環境にいること、そして触ると丸くなる、という

習性がなおさら子供の興味を惹きつけるわけである。

保育園に毎日通っていると、ダンゴムシが子供のお友達になる、ということが

直に伝わってくる。そういえば、自分の幼いときはどうだったかなあ、と

思い起こせば、なんだか汚らしい生き物くらいにしか感じていなかったように思う。

それはもしかしたら親の反応の影響を強く受けていたのではないか、とも思う。

伊予弁では「きしゃない!」と言われた。つまり「汚い!」である。

ダンゴムシは汚い生き物、という親の認識をそのまま受け継いでしまったようだ。

まあ、親のせいにするのも何だか気が咎めるが、今の時代ほど

「環境うんぬん」という意識はきわめて低かった時代であった。

ゴキブリを気持ち悪い、と極端な反応をするのも、おそらくは家庭環境にあるかと

思う。

飼育していたダンゴムシが脱皮していた。

ZB115559だんごむし.JPGダンゴムシはまず後ろ半分を先に脱皮し、日をおいて前半分を脱皮する。

なんでそんな面倒臭いことするのか、わからないが、脱皮殻は必ず食べてしまう。

ZB115570だんごむし.JPG小さな口で上品に食べるので、殻を全部食べきるにはずいぶんと時間が掛かる。

だから2回に分けて食べるのかどうかは知らない。殻といっても結構分厚いように見える。

食べごたえがあるんだろうなあ、とも思える。

ダンゴムシという生き物は、飛んだり跳ねたりと、派手な動きはできないが、

丸くなったり、脱皮を2回分割したり、子供を産み落としたり、いろいろな餌を食べたり、

青い色の派手なのがいたりとか、意外と話題豊富で、人気者ではある。

(写真: E-M5 M.60ミリマクロレンズ ) 









ホバリング

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[ 宮崎県 三股町 ]

一週間ほど前かと思うが、ジョウビタキのオスのホバリングを目の前で見た。

時間にすれば、ほんの4秒間前後だったと、思う。距離は2メートル先。

居間の窓越しだったのだが、目線の高さでジョウビタキは空中の一点に静止していた。

何といってもそのとき、ジョウビタキの頭部は微動だにせず羽と体だけが激しく動いて

いたことが印象的だった。まるでハチドリのホバリングそっくりだったのに驚いた。

さて、昆虫の飛翔の撮影で初心者向けの被写体と言えるのが

ハナアブ類のホバリングであろうと思う。

庭のツワブキの花にはたくさんのハナアブ類が集まっており、飛翔撮影の練習には

うってつけと言えるだろう。

IMG_1864.JPGストロボを使うとこのように翅の動きまでピタリと止めることができる。

ストロボは暗い場所の照明として使うだけではなく、こうして被写体の動きを写止める

役割も大きい。ストロボをどういうときに使えばいいのか迷う方は、

今一度、カメラの基本を復習して欲しい。デジタルカメラになってから、写真の基本を

飛び越えて撮影する人は多いが、それが必ずしもいけないということではないが、

写真がどうやって出来上がるのか、基本原理は知っておいたほうがいいのである。

IMG_1828.JPGこちらの写真は↑は、翅の動きがブレている。

これは自然光の影響があるからで、こうした表現のほうが肉眼で見た状況に近いとも

言える。今朝は天候が悪く、陽射しが無かったので自然光のみでの撮影ができなかった。

ISO感度を上げて自然光のみで撮影すれば、もっと臨場感のある写真の撮影も可能。


今日は二回、更新しています。

下にスクロールしてご覧下さい。

 ( 写真: EOSキッスX6i EF-s60ミリマクロ 270EXⅡ モードはすべてマニュアル ) 









気になるハエ

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[ 宮崎県 三股町 ]

一昨日訪れた都城市、神柱公園(かんばしら)でクヌギカメムシの観察もした。

まだオスが数頭、ウロウロ歩いている程度で

交尾カップルも、産卵するメスもいなかった。

ヨコヅナサシガメ幼虫の吸血による犠牲者もまだわずかだったが、

ちょうど見上げた梢で捕食されている最中だった。

IMG_1539.JPGクヌギカメムシの体内は空っぽになるほど、吸血されていた。

で、気になるのがクヌギカメムシの腹部に止まっているハエである。

ピクセル等倍で拡大視してみると、公園内に多く見られたキモグリバエ科の集団バエと

よく似ている。同じ種かどうか、確証はないが、もし同種だとすれば

葉っぱに集団を形成するキモグリバエ類の生態は全く知らないので、興味深く感じた。

IMG_1554ハエ軍団.JPGこのような集団はあちこちにたくさん見られたが、そっと近づいてカメラを少し構え直した

程度でも敏感ですぐに散ってしまった。できるだけ規模の大きい集団を探してみたが

どの集団も落ち着きがなく、こちらの動作を余程しっかり見ているのか、

サッと散るのであった。したがって写真の集団は数が少ないが、もっと多い集団もいた。

( 写真: EOS キッスX6i  EF-s60ミリマクロ ストロボ270EXⅡ )





コマユミ

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[ 宮崎県 三股町 ]

庭のコマユミの実が真っ赤に色づいたのはここ数日のことで、その様変わりに驚いた。

IMG_1705コマユミ.JPGついこの間まで薄緑色だったのになあ~、と不思議に感じるほど季節の進行は速い。

キバラヘリカメムシの姿も消えてしまった。

ナツフジの実にはホソヘリカメムシが来ていた。

IMG_1717.JPG庭のほだ木ではシイタケの子供たちが育っている。

IMG_1675シイタケ.JPGこのほだ木に打ち込んだ菌は、じつは購入してから一年間冷蔵庫に保管していたもので、

コマ打ちはしたものの、シイタケは育たないだろうと、諦めていたのである。

しかし、コマ打ちをしてから2年後の今、次々とシイタケが出てきた。

先日、胞子の舞を撮影したのも、このほだ木のシイタケなのであった。




ヒメツルソバ

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[ 宮崎県 都城市 ]

公園の風景撮影のため都城市の町に出た。

以前、ニホンミツバチが営巣していたコンクリートの隙間を覗いてみたが

すでに空家となっていた。しかし、そのすぐ前のヒメツルソバに働き蜂が来ていた。

お腹にはたんまりと蜜を蓄えているようだ。どこか別の場所に営巣しているのだろう。

IMG_1513ニホンミツバチ.JPGヤクシマルリシジミも来ていたが神経質で寄れなかった。撮影できたのはヤマトシジミ↓

IMG_1518ヤマトシジミ.JPGヒメツルソバは一年中、花を咲かせるらしい。ヒマラヤ原産の花というけれど、

いったいどんなルートで日本に入って来たのだろう。

真っ赤に染まった株もあった。

IMG_1519ヒメツルソバ.JPG[ 宮崎県 三股町 ]

シイタケほだ木に水分を補給し、黒幕シートをかけ直しておいた。昨日とは別アングルから

撮影。

IMG_1618シイタケほだ木.JPGほだ木が混み合い過ぎて、せっかく出たシイタケが隣のほだ木にぶつかり、

いびつな形になることもあった。それと風通しも大事なようで、夏ほど陽射しを避ける

必要もないことがわかった。乾燥はもちろんあまり良くない。

傘がまだ丸い若いシイタケをサクっと切り分け、日本酒に少し浸してからホイルで

包み焼きにする。

もうこれだけで絶品の味わい。柔らかくても適度な歯ごたえがあり、酒の肴に合う。

バター焼きにするなら、ワインに添えたいところだ。

今夜の夕餉は笊蕎麦。そこへ昨日掘ってもらった山芋のおろしを入れて、山かけ蕎麦と

した。これも美味しかった。残ったとろろに蕎麦の汁を掛けてズルズルといただく。

自家製ネギもまぶして最高の味わいだ。

IMG_1629.JPG夕方の犬の散歩。犬はバッタを嗅ぎつけることに集中して歩く。

その様子を眺めていると、バッタの多い場所の傾向がわかるような気もする。

クンクン、匂いを嗅ぐ音がだんだんと鼻歌のように聞こえてくる。

尻尾はちぎれんばかりに振れているから、ご機嫌なのだろう。

でも私が先に見つけることもある。タイワンクツワムシのメス。

IMG_1647タイワンクツワムシ.JPGフェアではないので、遠くへ逃がしてやった。


( 写真: EOS-キッス Xi6  EF17-40ミリズーム、EF-s60ミリマクロレンズ  )






山芋を掘る

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[ 宮崎県 三股町 ]

「新開さあ~ん!」

犬が激しく吠えるので来客があるとわかったが、

久しぶりにMさんの顔が玄関の窓ごしに見えた。

シイタケほだ木の様子を見に来てくれたのだ。

「ありゃあ~風通しが悪かとよ。ほだ木も詰めすぎよ。黒幕シートも

もっと離して張替ないとなあ~。夕方には水を掛けてやらんとね。」


ZB075519.jpg覆っていた黒幕シートを一旦はずして、ほだ木の並べ替えを行った。

ブっといほだ木なので、重いこと!重いこと!  坐骨神経痛の私は痛みをこらえながら、

ほだ木を抱え上げては移動させたが、こんな自虐的なことしていいんだろうか?

ほだ木は重いが、しかし太いぶんシイタケの出る時期も長い。

ほだ木の混んだ場所にはニジゴミムシダマシ類が集まっていた。

ZB075517.jpg「クヌギ切るのはねえ、来年でよかとよ。まだシイタケ出るからね。

また今度の秋にね、切ろうよ。」



昼食を終えたころ、Hさんがやって来た。

「山芋を掘るかねえ~。あ、懐中電灯あったら貸してね。」

IMG_1496.JPG山芋堀のための特製スコップ。

2メートル程のガス管の先に小型シャベルを取り付けている。

かなり重いが、この重量を活かして掘ることができる。懐中電灯は笹にくくりつけて

掘り進む穴を照らすようにした。

掘り進んだあと、これまた特製の小型スコップで土を掻き出す。

IMG_1495.JPG先日あたりをつけておいた場所は笹だけで木が近くに無い。

したがって根っこが邪魔にならず掘り易いわけだ。どんどん掘り土の山ができた。

土はシラスでありたしかに掘り易いのはわかるが、Hさんは汗びっしょり。

20分もかからないうちに山芋が見えてきた。

IMG_1503.JPG途中で曲がっていたので先のほうが少し残ってしまったが、ほぼ全部を掘り出せた。

長さは80センチ以上あり、重さは2キロはある。

Hさんによれば7キロもある山芋を掘り出したこともあるそうだ。

でも充分に食べごたえのある量である。いや全部は多すぎる。

さっそく擦りおろして夕食に添えてみた。うまい!そして弾力が凄い!

まるでお餅みたいだ。

掘ってもらって申し訳ない気がしたが、有り難くいただいた。

特製シャベルは穴掘り作業には威力を発揮する。私も作ってみたくなった。

これって今やっている土掘りにも使えるよなあ~。重いけど強力だ。

道具ってのは、ちゃんと選んで使い込まないといけないねえ。

使ってみていろいろ調整して、という繰り返しでいい道具ができ上がるんだ。

Hさんの手作り道具は、いかにも使い込まれて手に馴染んでいた。








[ 宮崎県 三股町 ]

ヨレヨレになったオオカマキリのメス。

「お疲れさん!」とでも声をかけたいくらいだ。

今ひとつ迫力に欠けるのだが、精一杯、威嚇してくる。

IMG_1433オオカマキリ.JPG眼の色も褐色になって変色しているようだ。

さて、画面右側に見えている藪は、うちの山の一部である。

南西方向にとんがった岬のごとく伸びている。ここの土地は5年前に引っ越してから

ほとんど手付かずの場所で、整備が後回しになっている。

笹薮が密生しており本来なら岬先端に出る道もあったようだが、そこを歩くこともできない。

この冬には少しでも藪を払って、なんとか道を復活させたいと思う。

オオカマキリの写真は昨日撮影したもの。アップロードしておきながら紹介し忘れていた。

過去にもアイテムに上げておきながら、未使用の写真が結構ある。

( 写真: EOSキッス Xi6 EF8-15ミリ魚眼レンズ 270EXⅡ+自家製ディフューザー )

EOSキッス Xi6 をしばらく使ってみると、

EOS-7Dの操作性の良さがあらためてよくわかる。

しかし、重厚な7Dに比べて一回り小さく、何といっても軽いのがキッスの良い点である。

キッスの通常の撮影操作はモニターのスーパーコンパネ上でほとんど出来る。

コンパネ表示は大きめですっきりしておりとても見易い。タッチパネル操作も便利だ。

初代キッスデジタルからすればスペックの向上甚だしく、もはや比較するべくもない。

サブカメラとしてミラーレスEOS-Mも検討しなかったわけではないが、

ミラーレスカメラはオリンパスですでに充分な態勢にあるし、

7Dのサブとして使うなら、キッスが最適であろうと思った。

防塵防滴でないことを除けば、およそ文句のつけ所がないくらいだ。

それと、オリンパスのアングルファインダーVA-1が取り付けることができるのもいい。

キッスの背面モニターは可動式だが、やはりファインダーを覗きたい場面は多いので

アングルファインダーは必須である。

12月中旬に発売予定のフルサイズカメラ、EOSー6Dも気になるが、

惜しむらくは内蔵ストロボが無いことだ。軽量でありマーク3に比べて格段に安価で

あるから検討したいが、発売になってからしばらく様子を窺ってみたい。









ロードキル

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[  宮崎県 三股町 ]

我が家の前の道を400mほど西に向かって歩く。

するとトノサマバッタの死骸をはじめ、交通事故死した昆虫は多い。

IMG_1410.JPGトノサマバッタ死.JPG交尾したまま雌雄ともに死んでいた。

IMG_1401ショウリョウバッタ.JPG生き残ったものの、後ろ脚に損傷があるショウリョウバッタのメス。

草むらに戻らないと、それこそせんべいになりそうだ。

IMG_1407マイマイカブリ.JPG昼間にも関わらず、元気に歩いていたマイマイカブリ。草むらへと追いやっておいた。

IMG_1474.JPG褐色型のハラビロカマキリはかなり弱っていた。

よく見るとすぐ傍に干からびたハリガネムシが転がっていた。

IMG_1479.JPG
ハリガネムシに宿られたカマキリは喉の渇きに誘われて水辺に行く。

そうしたシナリオ通りにならないことも多いようで、カラカラに乾いたハリガネムシを

見かけることも少なくない。


( 写真: EOSキッスX6i EF8-15ミリズーム、EF-s60ミリマクロレンズ )

※ 私のメール受信サーバが満杯になってしまい、

ここ数日のこと送受信がうまくいかなかった。そこでサーバ管理画面を

開いて受信サーバ容量の設定を変更しておいた。これで問題解決。

 
白菜が旬の季節となった。

今夜は私の定番料理、白菜と豚肉の味噌煮込み。

いただいたシシ肉も添えてみたが、柔らかくてとても美味しかった。

今度は是非、イノシシをさばくところを見学して撮影しておきたいと思った。








ヤマトシジミ

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IMG_0104ヤマトシジミ夕暮れ.JPG
尻尾を振りながらご機嫌でバッタ狩りをする我が家の犬。

ロープで繋いで犬を飼うことに抵抗があるので、

せめて散歩の時間は犬の好きなようにさせたい。「ああ、そこに行きたいの?

仕方がないなあ~」と、ぼやきながら犬の後ろを歩く。「ええ~!逃がしたの~。

さっき掴まえたのに何で見逃がすかなあ~、バカあ~!!」とけなすこともある。

我が家の犬はどう思っているか知らないが、少なくとも私が一番、犬の立場を考えて

散歩させていると思う。でも、犬の側からすればあまり関係ないかもしれない。

いろいろ観察の対象にされたり、途中で撮影に付き合わされることもあるのが、私だから。

今日もHさんがオオスズメバチの様子を見に来る。巣を見つけるまでは毎日、うちに

通うわけである。で、今朝はHさんからイノシシの肉をいただいた。

その肉は三日ほど前、地区のはずれで車にはねられて重症を負ったイノシシを

Hさんがさばいたものだ。

肉の由来を聞いて、ちょっと複雑な気持ちにもなるがこれが現実である。

可哀想だからお墓に埋めてあげましょう、という感覚ではなく、

いただける自然の恵みに、感謝という気持ちでいいと思う。









シイタケ、ふたたび

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[ 宮崎県 三股町 ]

昨夜はシイタケ胞子の舞を観察、撮影した。

光源は最初ストロボであったが、後半はLED懐中電灯でも撮影してみた↓

DPP_110044.JPG
DPP_110045.JPG
DPP_110046.JPG
DPP_110047.JPG
この撮影は室内にほだ木を持ち込んで行っている。

屋外でも撮影したが、風の影響を受けて胞子の舞が写るのはほんの数回しかなかった。

しかも途中で雨になったので室内撮影に変更した。

室内でもちょっとした空気の流れの変化があって、胞子の舞も様々な姿を見せてくれる。

( 写真: EOSキッスX6i  EF100ミリマクロ )

シイタケの胞子

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[ 宮崎県 三股町 ]


うちの林ではシイタケが次々と出てくるので、店で買う必要はない。

いやそれどころか豊作ゆえ食べきれないので、知り合いの方に分けてあげてもまだ余裕が

あるくらいだ。

ZB045147.jpg
埴沙萌さんの写真絵本「きのこ~ふわり胞子の舞」(ポプラ社)から

刺激をいただき、私も胞子の舞を撮影してみた。どうしても見てみたい!

若いシイタケはいくらでもある。

B_009687シイタ胞子.JPGシイタケはなるほど、胞子をずっと放出し続けておりその様子はいかにも神秘的である。

強力な懐中電灯があれば誰でも観察できる。嫁さんにも見てもらった。

「わあ~、ほんとだ!!」

休みなく胞子を放出するシイタケに、あらためて生命力を感じる瞬間である。

シイタケは食べるだけでなく、たまにはこうした観察も楽しめればいいだろう。

シイタケは、生き物なのである。

撮影にはいくつかの条件を整える必要がある。

その条件を見極めるにはデジタルカメラだからこそ手軽にできるのであり、

フィルムカメラ時代ではかなりの思考力と経済力が必要であっただろう。

でもその思考力を要する作業は大事だと思う。

(写真上: E-M5 E.25ミリレンズ+魚ロ目8号+2倍テレコン ストロボFL300R、

写真下: EOS-7D  EF100ミリマクロレンズ ストロボB3000s )



タイワンクツワムシ

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[ 宮崎県 三股町 ]

庭のツワブキが開花し始めたのは三日程前から。

ZB025038ツワブキ開花.jpgツワブキの黄花が庭を埋め尽くすころはもう冬と言える。

近所の畦道ではチカラシバが賑やかだ。

ZB035088.jpgここの道は私が草刈をさぼっているのであり、ちょっと後ろめたい。

子供達が通学でも使う道なので、私にも草刈の義務があるのだ。

軽トラやトラクターしか走行できない狭い農道だが、轍が深くえぐられている。

ここはトノサマバッタやショウリョウバッタが多い。

であるから草刈するタイミングも考えたいところだがここまでボウボウになることは珍しい。

今日はずっと室内作業。

休憩時間を使って庭や林を歩いてみる。

林の縁でタイワンクツワムシのメスを見つけた。

ZB035123.jpg緑色型はあまり多くないのか、あるいは目に付きにくいのか、のどちらだろう?

ZB035125.jpg( 写真: E-M5  M.12-50ミリズーム、E25ミリレンズ+2倍テレコン+魚ロ目8号 )








[ 宮崎県 三股町 ]

Hさんがオオスズメバチの様子を見に来た。

私:「一昨日の夜、イノシシが来ていたようです。」

Hさん:「え、ほんと!?どこ?」、と言いながらすぐに林へと歩き出した。

私は慌てて案内する。

「ほら、ここ、、、」と指差すも、その後ろで、

「ああ~!!ほんとだ!ここに足跡があるわあ~!!ホレ、ここよ。」

なるほどHさんが教えてくれなければ気付かないほどのわずかな窪みがあった。

「ひづめがなあ、こうして斜面で滑っとるわ。」

Hさんは、イノシシ狩りも得意だ。イノシシの残したフィールドサインをきっちり

拾い上げていく。歩く速度も早い。まるでイノシシみたいに勢いがある。

「それにしてもここまで来るかなあ~。何かを嗅ぎつけたんだなあ。」

と地面の掘り跡を見下ろしながらHさんも少し驚いた様子だ。

庭ではイチモンジセセリが日光浴したり、吸蜜したり賑やかだった。

コカマキリの交尾番もいた。ショウリョウバッタのオスもボロボロだがいた。

B_009146イチモンジセセリ.JPG
( 写真: EOSー7D  EF100ミリマクロ 270EXⅡ )





猪、現る

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[ 宮崎県 三股町 ]

昨夜のこと庭に出てみたら林の中でガサゴソと草をかき分ける音が聞こえた。

同時に飼い犬が激しく吠えた。

音には重量感があり、まさにイノシシだろうと思えた。

一昨日の夜中にも犬が珍しく吠え立てた、と嫁さんが言うので、

今日になって林の中を見て歩いた。

すると一箇所だけだが、地面を激しく掘った跡があった。

それはイノシシの仕業だ。

林は三日前に下草刈り作業を行ったばかりで、何か動物が歩くと

刈草のせいでガサゴソと音が際立つ。それでイノシシの気配も察知できたわけだ。

イノシシがうちの林で土を掘る、というのはこの5年間で初めてのことだ。

すぐ近辺の畑にイノシシは出没しているのだから、当然の成り行きかと思う。

IMG_1012林.JPG堀り跡の写真も撮ったが、わかりにくいので割愛する。奥行感を捉えきれなかった。

けっこう難しい被写体である。

それにしても今日一日、北西の冷たい風が強く真冬日だった。

夜になって来客もあり、客室ではストーブを炊いた。

来客の予定は前からわかっていたが、その1時間前になってある昆虫の脱皮が

始まりそうになった。一ヶ月前から狙っていた撮影なのですぐに準備に入った。

いつ脱皮してもおかしくない状況ではあってもそれがいつか全く読めないので

かなり苦労した撮影である。