2009年9月アーカイブ


アシダカグモ

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起床時刻は日によって違うが、今朝は午前5時半に起きた。

目が覚めたのは午前4時半ころだが、あれこれ仕事の段取りなどが頭の中を

巡り始めて、そうなるとぐっすりと眠れない。

考えようとすると何もアイデアが浮かばないのに、もっと寝ていたいときに限って

次々とああしよう、こうしよう、などと考えが勝手に暴走を始める。

仕方が無いので布団から出て、居間のカーテンを開けた。

すると目の前にアシダカグモのオスが貼り付いていたのである。

JX3099972.jpg先日はタイワントビナナフシが子供部屋のガラス窓に貼り付いていた。

それにしても脚の並びが、記号の※みたいで綺麗だなあ、などと頭もぼんやりしていた。

クモの脚は6本かあ?

ありゃあ?と、よく見れば、脚2本が抜け落ちているのであった。

JX3099991.jpg脱落した脚の行き先は想像しようもないが、アシダカグモもそれなりに厳しい生活を送って

いるに違いない。

( 写真/ E-620  ZUIKO D 35ミリマクロ )







家庭内昆虫記

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昨日、エンマコオロギの撮影のことを書いたが、

その飼っているエンマコオロギの一匹が脱走してしまった。

そこでエンマコオロギ注意報を家族に発令。

「ええ~!!コオロギって、ゴキブリみたいじゃん!!」

嫁さんはそういう事をおっしゃる。ゴキブリが大嫌いだからだ。


脱走後、一夜明けての今朝。洗面所で嫁さんの甲高い声が聞こえてきた。

「コオロギ、いたよお~!!」

それとばかりに駆けつけてみれば、

「おお~こんなところにいたかあ~!、、、、あれ!?

ありゃあ、これは探しているエンマコオロギではないよ。

クチキコオロギのメスやんけ。」

IMG_19141.jpg「まぎらわしいヤツじゃのう~。

しかし、こんなのがうちの中には自由に出入りしているのだから、でっかいムカデも入ってきて

当たり前だなあ。

クチキコオロギがやって来るというのは、嬉しいような気もするがねえ~。」


ようやく今日は雨となった。

蒸し暑い日が続いてきたが、この久々のお湿りは歓迎したい。


( 写真/ EOS-5D  EF100ミリマクロレンズ )


鳴く虫のなかで一番好きな音色は、エンマコオロギだ。

反対に好ましくない、むしろ不快にすら感じるのが、アオマツムシの音色。

アオマツムシは宮崎に引っ越してきた2年前の夏には、少なくともわが家の敷地内には

いなかった。街中に出れば少ないながらアオマツムシの声が聞けたが、うちの家の中に

居るかぎり、その音色が聞こえてくることはなかった。

ところが今年はうちの林で鳴くようになった。まだ数は少ないが、いづれ増えていくような

気がする。

さて、エンマコオロギの撮影を始めた。仕事だからという理由と音色が好きだから、という

二つの理由がある。

エンマコオロギのくらしぶりを撮影するには飼育下で行う。

野外ではほとんど不可能に近い。

そこでまず飼育スペースを大幅に改善して仕事をやり易くしてみた。

これには丸一日掛かった。

エンマコオロギの鳴き声は素晴らしいが、くらしの様子はなかなか観察できるものではない。

飼育下で再現できる行動だけを、撮影する。

今日はメスがオスの上に馬乗りになって行う、交配の様子をかなり細かく撮影できた。

オスの求愛行動や、精球を渡す瞬間をしっかりと見たのは、恥ずかしながら初めてのことだ。

メスがイネ科の葉っぱをときどき食べていた。

オス同士の争い鳴きや、闘争の様子も面白かった。これも撮影できた。

飼育ではキュウリやナスなどを与えるが、実際はそんなぜいたくな物は食べていないはずだ。

IMG_1743トリミング.JPGときに柔らかい枯葉も食べていた。



モンキアゲハが庭のヒガンバナにやって来た。夕方、午後5時すぎ。

赤いヒガンバナはほとんど終わりかけだが、入れ替わるようにして黄色花が咲いた。

モンキアゲハは頭を花びらの奥に突っ込んだまま、ずいぶんと熱心に吸蜜していた。

W2286809.jpg(写真上/ EOS-5D  EF100ミリマクロ   )

(写真下/ E-520   ZUIKO D 50-200ミリズーム )








シオカラ天国

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車で5分とかからない近所へシオカラトンボを見に行った。

ここへは2週間前に観察会で初めて来たのだが、シオカラトンボの多さが気になっていた。

なるほど午前中はなわばり争いをするオスが元気に飛び回っていた。

しかし、さすがにヨレヨレのオスばかりだ。

シオカラ.jpg上の写真は、上段左→上段右→下段左→下段右、という順序。

いづれもストロボを使用しているが、最初の3カット連続では、チャージが追いついていない。

竹竿の部分を見れば、だんだんと光量が落ちて暗くなっているのがわかる。

この写真のように午前中の観察では、オスの体の上に、またオスが乗っかるというシーンも

しばしばあった。さすがに3段重ねにはならない。なれば、トンボ運動会の団技だ。

メスも2、3匹現れすぐさま交尾連結が成立していた。

残念ながらもっとも期待していた産卵行動は一回のみしか見られず、撮影は叶わなかった。

オオシオカラトンボの警護産卵は何回か見られた。

W2276488.jpg
( 写真全て/E-520  ZUIKO D 50-200ミリズーム ストロボFL36R使用 )



ジョロウグモ

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JX269592.jpg
秋は、ジョロウグモの最盛期。

うちの敷地のあらゆる場所に網が掛かっている。 

よく見れば網の中心にいるメス蜘蛛の傍らには、小柄なオスが控えていることが多い。

例えばコガネグモが全国的に減少する一方で、ジョロウグモの数は半端ではない。

それはなぜなのか?

ジョロウグモはどうして、こんなにもたくさんいるのだろう。

クモの種ごとに生活事情が違うのであって、その違いが盛衰の差となっているのだろうか。


JX259500.jpg先日、ヒガンバナに何度もやって来たナガサキアゲハのメスだろうか。

うちの林でヒメジャノメの交尾を見つけ、カメラを取って戻ってきたとき、ヒメジャノメの交尾番

は消えていて、代わりにこのナガサキアゲハのメスがいた。


「昆虫写真家って、そういう仕事だと自由な時間も多いでしょう?」

と、先日、ある方から言われた。

自由とはなんであるか、その捉え方によっても違うと思うが、

たしかに私は誰かに管理されているわけではない。もちろんタイムカードも無い。

ただ、昆虫写真家の仕事は、昆虫のくらしのリズムを尊重せねば成り立たないので、

やりたいときにやりたい作業をすれば、それで済む話ではない。

簡単な撮影内容であっても、その準備にはえらく時間と手間暇が掛かることの方が多い。

そして、撮影にえらく時間と手間隙が掛かった写真であろうが、

一瞬の偶然でうまく撮れてしまった写真であろうが、写真の料金は同じである。

頭の良い人は、そこら辺をきちんと計算して仕事をなさるのであろうと想像する。

私もずいぶんずる賢くはなったと思うが、賢い計算は苦手である。

これから昆虫写真を自分の仕事にしようと考えている方に参考になるかどうかは別として、

昆虫写真というのは、ともかく好き嫌いせずガンガンと何でもたくさん撮っていったほうが

収入は多い、というのは間違っていないと思う。もちろん撮影対象は教科書や学年誌で

扱われる人気種に絞り込まねばならず、浮気はそこそこにしておかないと、

大やけどを負う。

つまり昆虫写真家でちゃんと稼ごうと思えば、地味な仕事をきちんとこなすだけの精神力

も必要ということだ。

世間の虫好きの方々の一部には、昆虫写真家がとてもうらやましい職業に映るそうだが、

趣味と仕事には明らかな違いがあるという、基本的な認識をなぜ持てないのだろうか?




さて、

昨日とその前に紹介した謎のクサカゲロウの種名については、ある方からご教示を得て

ほぼそうであろうという種名を確認できた。

前回のアップ記事に補足しておいたので参照していただきたい。





日南市、南郷亜熱帯植物園。

じつは、先日訪れたこの園内では、もう一種、気になるアミメカゲロウ目の昆虫を見つけ

ている。

園内の「トロピカルドーム」のすぐ横の、石垣の中に産み付けられた卵である。

L12220144.jpg石垣の中に一個ずつ合計6個が確認できたが、固めて産むのではなく、それぞれ孤立して

いる。

JX2289812.jpgそれはどう見てもクサカゲロウ類の卵だが、紡錘型の卵というのも初めて見るものだ。

画面奥に白くぼやけて写っているのも卵。卵を吊り下げている糸の長さは5ミリくらいだ。

この産卵場所が選ればれた理由とは、雨が凌げることではないだろうか、と想像する。

それにしても奇妙な形の卵だ。

石垣の周辺を注意深く見てみたが、アブラムシのついた植物など何もない。

この場所に産卵した理由は雨を凌げること、乾燥していること、くらいしか思いつかない

ようなまさに人為的な環境であろうと思えた。

JX2289913.jpg見つけた卵のうち4個を持ち帰ったのだが、そのうち1個が本日の午後になってふ化した。

W22563391.jpgふ化した幼虫は、背中にびっしりと長い毛を生やしている。まるでヤマアラシのようだ。

大アゴは短くて頭長とほぼ同長。前屈みの姿勢のため大アゴを撮影するのは難しい。

クサカゲロウ類の幼虫の特徴を備えてはいるが、かなりの変わり者である。

※本種は、フトヒゲクサカゲロウ属の、オオフトヒゲクサカゲロウではないかと思われる。

本種の情報については千葉大学 応用昆虫学研究室のサイト図鑑を参考にさせていた

だいた。










私の虫の探し方は、主にルッキング(目で見て探す)に頼っている。

なので、長いこと昆虫写真をやっている割りに出会った虫の種類数は少ない。

昆虫採集学を駆使し、本格的に採集をしておれば、何倍、いや何十倍もの種類数の昆虫

に出会えていただろう。

もっともたくさんの種類数を目にし、手にしたところで、標本の同定作業をきちんと行わない

と、出会った昆虫の顔ぶれを憶えることにはならないのだが、、、、。


さて、先日22日、日南市の南郷亜熱帯植物園で、息子が素手で捕まえた虫が次の写真。

 JX2593201.jpgクサカゲロウの一種だが、こんな色模様の姿は初めて見た。

柔らかい体のクサカゲロウを上手に手のひらに挟んで捕まえたのは息子のお手柄だ。

明るい草地でクルマバッタを追いかけていたときだった。

クルマバッタのオスは数多くいたが、とくにでっかいメスは稀で、確認できたのは3匹

程度だった。

うちへ持ち帰ってから撮影していると、クサカゲロウのあの独特なニオイが漂ってきた。
W22463262.jpgいやしかし、この姿はなんとも謎めいている。

L1222005.jpg亜熱帯植物園の山には常緑照葉樹林が濃く残っている。

こんな森を眺めていれば、まだまだ謎めいた昆虫たちが姿を現すのではないかと

期待が膨らむ。こういう森は宮崎南部各地のあちこちで見られるが、

ただ残念ながら平地林はほとんど皆無に近く、森の中を彷徨うのは容易ではない。

(写真上/ E-620 ZUIKO D 35ミリマクロ+1.4倍テレコン )

(写真中/ E-520 ZUIKO D 14-42ミリズーム改造 )

(写真下/ E-P1  M.ZUIKO D 14-4ミリズーム )

※ 本種は、フトヒゲクサカゲロウ属の、セアカクサカゲロウ、ではないかと思われる。

写真同定については、千葉大学 応用昆虫学研究室のサイト図鑑を参考にさせて

いただいた。











昨日は連休中ということで、嫁さんと下の子供と三人で日南海岸方面へとドライブした。

出掛けたのはその日だけで、あとはうちで林や庭の手入れに忙しかった。

やるべきことは山積しており、一つ一つ片付けていっても終わりが見えない。


今日も作業をしていると、庭のヒガンバナには大きなナガサキアゲハのメスがやって来た。

「これ何、大きな蝶々!!」

嫁さんの声が甲高く響く。

W22362153.jpg嫁さんの声の先を見れば、ピカピカの綺麗なナガサキアゲハのメスが、

ゆったりとヒガンバナの花で吸蜜し始めた。

日曜大工は私の仕事になる。嫁さんが希望する棚を洗濯干し場の隣に工作しているとき

ナガサキアゲハは現れたのだ。。急いでカメラを取って戻ってくると、もう姿は無い。

「必ずまた戻ってくるから、、、」と、カメラを傍に置いてまた作業を続行。

ま、その言葉通り、ナガサキアゲハはやはりヒガンバナに戻ってきた。

さて、その次は、ミヤマカラスアゲハのメス。こちらも大柄である。


W22362441.jpgそして次には、モンキアゲハのメスが登場。

W22362282.jpg今年の傾向として、うちの庭にやって来るアゲハ類の中で一番多かったと感じたのは、

アゲハ(ナミアゲハ)であった。昨年、一昨年はモンキアゲハが圧倒的に多く、次いで

ナガサキアゲハがよく飛来し、ナミアゲハは一番姿が少なかった。

ナミアゲハを見かける頻度はかなり低く、これは仕事をする上では困ったことだと思って

いた。

ところが、今年は春からほんとうによくナミアゲハが訪れてくれて、しかもサンショの鉢植え

にはいつもナミアゲハ幼虫が居座っている状況が続いた。

これなら仕事の上では好都合だなあ、と思えるのだが、さて来年はどうなるだろうか?

(写真全て /E-520  ZUIKO D 50-200ミリズーム )






一昨日、紹介したウラギンシジミ幼虫の体色が緑色に変わった。

もうすぐ前蛹になる準備が始まる兆候だ。

この時期でも、チョンチョンと体に触れると、お尻の角から線香花火が飛び出す。

W2216069.jpgただし、このような写真を撮影できるのは限られた個体。気前良く花火を上げてくれる幼虫は

数少ないのである。


夕方、ねぐらについたタテハモドキは、もう秋型である。

秋型は一週間ほど前からちらほら見かけるようになった。

しかし、この個体の前翅は大きく欠損していた。鳥にでも襲われたのだろうか。

JX2189432.jpg指で触れてみたら、翅を開いた。これは威嚇行動だろうと思う。

JX2189691.jpg前翅を失ってはいるが、うしろ翅の目玉模様はちゃんと私を睨みつけている。


今夜は、昨日行われた敬老会の反省会があった。反省会というか、打ち上げといった性格

の集まりである。公民館には私の所属する支部の方々が集まり軽い食事と酒の席となる。

来年度は私がこの支部の支部長を務めることになっているので、挨拶に顔を出した。

支部長は回覧板を回したり、支部会費など諸々の集金業務などいろいろと世話役をする。

敬老会での各地区別の出し物も、そのれぞれの支部長が中心となって企画し、

実行することになる。

ま、支部長はけっこうたいへんな役目になるそうだ。

それはともかく、3年目を迎えた三股町の生活ではあるが、

今夜の集いでワイワイと皆さんが明るく談笑している、その話の内容の8割近くが

まったく聞き取れない、つまり理解できないのであった。ほとんど異国の辺境地にいるが

ごとく心境であり、皆さんがドッと笑えば、私も訳わからずとも、ニンマリと合わせておく。

これは、けっこう疲れるのであった。

最後は、来年度、支部長を務めるということで、私が一本締めをさせられたが、

これさえ、最初は何を言われているのかわからず、呆然としていたくらいだ。

さて、来年の敬老会では、他の支部に負けないような、面白い出し物を考えなければ

ならない。そして、それを実行するには練習も必要である。


一昨日のこと。犬の散歩の途中で右足にチクリと痛みを感じた。

一瞬、小さなアブが飛び去る姿を確認できた。

このやろう!刺したなあ!!イヨシロオビアブかな?

しばらくして、左足の膝の裏側も痛痒くなってきた。見れば、そこにも3箇所の刺し痕があった。

どうやらアブは左足で吸血したあと、右足に移ったようだ。

家に戻って軟膏薬を塗っておいたのだが、昨日になって左足のほうが腫れてきた。

刺された部分とそこからさらに下の踝の辺りもけっこう腫れてしまった。

かなり熱もある。そしてその腫れたところがたいへん痒くなってくる。

かけばかくほど、余計に痒い。

これは軟膏薬だけでは治らないな、と思い、今日は皮膚科の病院に行った。

アブと言えども、刺されると広範囲に腫れ上がることもあると、医者の説明があった。

早く完治するには、やはり飲み薬が必要だそうだ。


ススキの根元にナンバンギセルが生えていたので、撮影してみた。

JX2088692.jpg手前で邪魔しているススキを刈り払うとき、うっかり両手のあちこちをススキの葉の縁で

切ってしまった、けっこうこれは痛い。一瞬、やけどしたみたいだ。

なんだかやけに出血する。患部をチュウチュウ吸って、血止めしてみた。



夜のニュースで、クロスズメバチに刺されて数名の方が病院に運ばれたと報道されていた。

毎回、この手のニュースを見たり、聞いたりするたびに思うのは、

マスコミはこうした被害を騒ぎ立て過ぎではないか、ということ。

人はときに、いろいろな虫に刺されるのが当たり前であるという前提があって、

でもそれはできれば避けたいし、知恵を働かせるべきだろうけれど、

どうも悪者イメージだけでハチを描きすぎてはいないか?

と私などは感じる。多くの人に注意を勧告するのがマスコミの使命だというのはわかるが、

報道を聞いていると、どうも恐怖心を煽るだけ。

ハチが自然のなかにいて当たり前であることを、

もっと知識として知っておく必要性を訴えるべきではないか、などと思う。

虫に刺されるのは事故だが、事故はないに越したことないが、

まったくゼロにするのは無理だ。

事故が深刻な被害にならない最低限の努力はどうすればよいのか。

日頃から自然の成り立ちや、生業について、少しは関心を寄せておくべきではないか。

それが欠落すれば何かあるごとに、ただ大騒ぎするしかないことになる。


線香花火

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ウラギンシジミ幼虫は、今が旬。

JX198827.jpg
40数年前、といえばかなり昔のことだが、、、、、。

当時、花火の中でも線香花火が一番、安くそして一番、楽しめた。10円で一袋だったか。

そういう想い出をいつまでも引きずりながら、私は死んでいくのだろうと思う。

かつての花火の燃焼時間は長く、そして演出たっぷりの線香花火は

何処へ消えてしまったのだろう?

たしか国語の教科書にも、その線香花火の描写の文章があったはずだ。


さて、草刈り機のことをうちの辺りでは、「ビーバー」と呼ぶことは前にも書いたが、

その燃料は、ガソリンとオイルを自分で混合して作っている。

下の写真は、混合用3点セット。

L11919731.jpgガソリンは3リットルのタンクで買う。5リットルのタンクも考えているが、

3リットルあればけっこう間に合う。ともかく、混合ガソリンはできるだけ早めに使い切るのが

良いので、たくさん作り置きはできない。5リットル使いきると、体がボロボロになりそうだ。

L11919762.jpg調合用ポリタンクにオイル(青)とガソリン(赤)を入れて、混合する。割合は1:50.

市販の混合ガソリンは今ではまったく使用していない。混合ガソリンを調合するのは面倒

ではあるが、この方が機械の調子を最善に保てるから、苦労する甲斐は充分にある。

仕事というのはいろいろな手順を踏んでいくことの積み重ねである。

少しでも省力化できるところは考えるが、小型内燃機関のメンテナンスを考慮すれば、

市販の混合ガソリンは使うべきではない、と思う。










ジュースが一番!

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朝、洗面台に立って蛇口をひねる。

さてと顔を洗ってみれば、ほとばしる水がぬるい。

「水ぬるむ」とは春の季語だが、うちの場合はむしろ秋の気配を感じさせる言葉。

わが家の生活用水は水道ではなく、井戸水であるから大気が冷えるとその水温が

ぬるく感じるわけだ。春の到来を感じるときとは、その逆で水がひんやりするとき。


さて、庭に植えてあるサンショのアゲハ幼虫が次々と姿を消した。

その犯人とはクチブトカメムシ。

昨日、そして今朝の二度とも現場に遭遇できた。

ただし昨日ともに同じクチブトカメムシの仕業かどうか、確認はできていない。

ともかく、食べ応え充分の獲物には違いない。

JX1778774.jpg吸血性カメムシの狩りの常套手段として、獲物を吊り下げる。

足場を失った獲物がいくら暴れても、これでは抵抗のしようがないからだろう。

サンショの若枝にはアブラムシが群れていて、そこにはクロオオアリがたくさん

通っている。当然ながらアリもこの場所を通る。

どうなるかな、と見ていたら、やはり何匹かは興奮してクチブトカメムシに

噛み付いたり、アゲハ幼虫の体を探索していくことがあった。

しかし、クロオオオアリがこのでっかい獲物を横取りしようとはせず、

しばらくカメムシにちょっかいを出してはアブラムシ牧場へと急いで戻って行く。

アリにとってはアブラムシの甘露のほうがよほど魅力的な餌に違いない。

しかし、多数のアリがたかったために、クチブトカメムシはついに獲物を放り出した。

アゲハ幼虫は放り出されて、サンショの枝に逆さ宙吊りになってしまった。

そのうち、アゲハ幼虫の体の上をしきりと歩き回っていたアリが、「おや!」とばかりに

しばらく立ち止まった。

JX1780931.jpg幼虫の口からわずかだが、体液が溢れ出しているようだ。

その汁を、アリはすすっているのである。その時間がじつに長く感じられた。

言うならば「悪魔のキス」だ。

アリの成虫は肉塊を咀嚼して食べることができない。アゲハ幼虫の肉体は、小刻みにすれ

ば巣に持ち帰って、待っている幼虫たちの餌にはできるが、アリ成虫のえさはもっぱら

ジュース類に限られる。


先日から予定していた撮影のため、近くの林道へハンミョウを見に行ってみた。

うちの周辺にもいるにはいるが、滅多に出会えないほどに数が少ない。

車で3分程度の林道には、狭い範囲だがハンミョウがそこそこいる。

JX178137.jpg

ハンミョウはなんとも魅力的な虫だなあ、そう思う。全国的に減少しているが、

この虫はいわゆる普通種だ。本来、人里の自然環境に当たり前に棲んでいた虫だ。

それが姿を消すというのは、世の中つまらなくなっていくなあ、と私などはそう感じる。

さて、地面に腹ばいになって撮影したが、それでもまだ目線が高い。

地面に穴を掘ってカメラだけでも目線を低くしたい。

え?虫の目レンズ?   どうも近頃、そういうのは使いたくないんだなあ~。


今夜も、「俵踊り」の練習があった。嫁さんは三味線で伴奏。

俵踊り保存会では、「見ておぼえろ!」という方針。

細かい動きは何度見ても、なかなか覚えれない。それでも、なんとか参加しているというだけ

でも、楽しいものだ。



実りの秋

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柿の実が色づき始めた。

JX167733.jpgなかにはすでに熟して地面に落ちたり、鳥に突かれて大きな穴が開いているものまである。

まだ秋とは認めたくない気持ちも残っているが、稲刈り作業が始まった田んぼもある。

庭でプランターに植えた稲の穂には、先日からずっとヒメクロカメムシが留まっている。

W2165551.jpg( 写真上/ E-620  ZUIKO D 50ミリマクロ )

( 写真下/ E-520  ZUIKO D 35ミリマクロ+1.4倍テレコン )  


今夜は、近所の公民館で「俵踊り」の練習がある。

20日に敬老会があって、そこで踊りを披露する。私は、まだ踊りを覚えれないので、

本番には出れないが、ともかく練習だけには参加しておこうと思う。


夕方、6時過ぎ。

アスファルトの路面にしきりと産卵管を突きたてようとするキリギリスのメスがいた。

JX157696.jpgたしか去年の今頃、ショウリョウバッタのメスでも同じような行動を撮影して紹介したと思う。

ショウリョウバッタのときは、アスファルトの割れ目に産卵管を立てていた。

一見無駄と思えるこのような行動がなぜ触発されたのだろうか?

しかも、アスファルトの上ではたいへん姿が目立つ。まだモズなどもさかんに活動している

時間帯だから、かなり危険であろうと思う。

キリギリスのメスの気持ちは量りかねるが、

どうせ産卵するならうちでやっておくれ、とひとまずは採集ビンに身柄を確保したのであった。

( 写真/ E-620  ZUIKO D 50ミリマクロ )




三股町、JR三股駅の駅舎「みまたんえき」は多目的ホールになっており、

私の写真展もここで開催してきた。

今朝は宮崎放送(MRT)の生番組中継があって、私もギャラリー内で二言三言、

インタビューを受けた。本番では時間が押したのか、リハーサルで話していた内容よりか

だいぶ短くなった。本番の50分前に駆けつけたのだが、出番は十数秒だったと思う。

L11519223.jpg新しく導入したばかりのハイビジョン中継車は衛星通信ができるそうだ。

L1151933.jpg「みまたんえき」ギャラリー紹介のあとは、隣の物産館「よかもんや」へと移動。

私はずっと置物だと思っていたのだが、よかもんや店内の置いていた人形はじつは

ぬいぐるみで、中に人が入って動くのであった。インタビューに受け答えしていた。

ぬいぐるみは、しゃべりは苦手らしい。身振り手振りで応対していたようだ。

L11519321.jpg「みたんえき」ギャラリーの次の展示予定は、10月に入ってからだが、

中学生のY君が集めた蝶の標本コレクションの展示になるそうだ。L11519262.jpg
( 写真/  E-P1  M.ZUIKO D 17ミリ  ) 






今朝は濃い霧が出た。

午前6時25分。

庭の西側の草原で、タイワンクツワムシが羽化脱皮を終えたところだった。

W2145424.jpg
( 写真/ E-520 ZUIKO D 50ミリマクロ )


うちの林で繁殖したアカギカメムシたちは、成虫となってしだいに分散を始めたようだ。

アカメガシワの実にたかる成虫の姿もかなり少なくなった。

JX147426.jpg
( 写真/ E-620  ZUIKO D 50-200ミリズーム )

アカギカメムシの雌雄の区別点は、腹部末端節を見るのが確実。

写真下の左がオスで、右がメス。

アカギカメムシ♂♀.jpg
( 写真/ E-520 ZUIKO D 35ミリマクロ+1.4倍テレコン )



庭でときどき見かけるナナフシ類は、

トゲナナフシ、ナナフシモドキ、そして、タイワントビナナフシの3種類。

今朝、台所の外壁にペタリと貼り付いていたのはタイワントビナナフシ。

手で捕まえると、朝鮮人参の香りがする。

W21253112.jpg家壁には草刈した刈りクズが貼り付いており、それと紛らわしいところがさすが。

( 写真/ E-520  ZUIKO D 50ミリマクロ )


うちの林のアカギカメムシたちは、もうほぼ全個体が成虫となった。

それと同時にアカメガシワの実で吸汁するものが増えてきて、葉っぱで群れることが

少なくなった。なかには林床に降りて下草で佇んでいるものもポツポツ見かける。

写真は昨日撮影したものだが、今朝見た限りではこうした集団が一つもない。

JX1170691.jpgアカメガシワの葉に群れなす集団を眺めていると、映画『スリーハンドレッド』のラストシーン

を思い出す。楯を掲げて100万人のペルシア軍勢に立ち向かうスパルタの軍人300人。

うちのアカメガシワで育ったアカギカメムシの総数は、ざっと概算しても300匹以上はいる

と思われる。

( 写真/ E-620 ZUIKO D 50-200ミリズーム ストロボFL-36R )





午前7時半。庭のアカメガシワの葉うらで交尾していたのは、クワゴマダラヒトリ。
本種の幼虫はさまざな植物を食べる、いわゆる毛虫。

黒い色の方が、オス。オスの触角は櫛状で少し幅広い。
オス、メスの区別が白黒とはっきりとしているが、よ~く見れば細かい紋様や
飾り色など、同種であることがわかる。

W2115025.jpgヒトリガ類の成虫では、面白い実験ができる。
交尾が解けてから、その実験の様子も撮影していおいたのは言うまでも無い。

虫にはその姿と、そして秘めた習性という、大きくわけて二つの魅力がある。
その魅力をわかりやすく写真で表現し、本の形でまとめるのが私の仕事の主軸となって
いる。

今朝のゴマダラヒトリの実験では、じつは私にとって新しい発見があった。
それは私が単に知らなかっただけのことだろう。
これまで何度も行ってきた実験(実験と言うか、簡単な遊びとも言える)では、見落として
いたのか、あるいはゴマダラヒトリという種の特性なのか、わからない。
それでもこのように虫と対面していれば、ちょっとしたことでワクワクするような発見が
ある。
そのワクワクする気持ちは大事であり、いつまでもこの稼業を続けられる大きな理由で
あろうと思う。

( 写真/ E-520  ZUIKO D 35ミリマクロ+1.4倍テレコン、内臓ストロボ )



ウスイロコノマ

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写真のウスイロコノマを撮影したのは昨日のこと。場所はうちの林。
2年前の夏はクロコノマと並んで樹液を吸っている姿もあったが、去年は一度も
見かけなかったような気がする。

JX107043.jpg夏型だと翅裏のさざ波模様が目立ち、クロコノマとの区別はつきやすい。


(写真/ E-620  ZUIKO D 50-200ミリズーム ストロボFL-36R使用 )



火山灰

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L11017921.jpg今朝、車に乗ろうとしたら車体の表面に火山灰が白く積もっていた。

L11017992.jpgこういうことは何度か経験しているが、桜島の火山灰だ。
カメラを扱う者としてはたいへん困ったことだが、私の住む三股町は鹿児島県に近い位置
にあるから仕方が無い。
しかも、庭から毎日眺めている霧島山とていつ噴火してもおかしくない活火山である。
昨年、高千穂岳や中岳などの噴火口を見てきたが、沸々と白い噴煙が上がっていたし、
実際、新燃岳では小規模な噴火もあった。




生首事件

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ハンミョウはときおりわが家の敷地内にもやって来る。
うちの庭はねぐらの場所にもよく選ばれるようだ。

ハンミョウは肉食性の昆虫だが、実際に狩りの様子を見る機会はきわめて少ない。
万が一目の前で獲物を捕らえても、そこへ近づく前にハンミョウも素早く移動してしまう。

さて、そのハンミョウが妙な歩き方をしていた。
ときおり、ガガガガッーと激しく噛みつくしぐさもする。

そっと近寄ってみれば、ハンミョウの左中脚にクロオオアリの頭がぶら下がっていた。

W2104873.jpgクロオオアリの触角は動いているが、もう死んだのと同然であろう。
しかし、その大アゴはガッチリとハンミョウの脚を挟み込んでいる。
クロオオアリを襲ったところ反撃に会い、写真のような事態に陥ったようだ。
首以外はハンミョウが食べたり、噛み切ってしまったのだろう。

このような生首事件はそれほど珍しいものでもない。
捕食性昆虫がアリを襲った場合にはよく生じる出来事であり、私もいろいろな虫で
目撃している。
アリの生首は、死んだショックで大アゴが閉じたまま固着してしまうようだ。


さて、今年の樹液の出方は、高い場所ばかりに集中し、撮影はほとんどできなかった。
やろうと思えばできるのだろうが、体調のこともあって見送ったのである。
定位置で時間をたっぷりかけて撮影するためにも、うちの林はうってつけの場所である。
樹液の出る場所は毎年、変わる。今年は運悪く、どれも高い場所だった。
そこで来年の撮影のためにも高所での撮影ができるような準備をしておこうと思っている。

以前にも林の高所で撮影するための足場を検討していた。
ちょうど集落に足場を扱う業者の方がいたので、いろいろ聞いてみたのだが、
工事現場でよく使うような足場ではなく、単管をジョイントで組み合わせるほうが良いだろ
うとアドバイスをいただいた。うちの林は傾斜地であるから、単管のほうが地形に合わせ
て組めるということだった。
10メートル以上もの高所になると問題が多いので、せめて5~7メートルまでの足場を考
えている。

JX106902.jpg林には立ち枯れてしまった樹齢20数年のクヌギもあって、これも冬のあいだには
伐採しておきたい。枯れ蔓が樹上まで絡まり、これは何かと撮影の障害になる。
大きなクヌギを伐採するには周りのササ藪を刈り払う作業も必要で、かなりの時間と
労力がいることだろう。
しかし、こうした山仕事はやってみるとじつに楽しい。

( 写真上/ E-520  ZUIKO D 35ミリマクロ+1.4倍テレコン、B3000S使用 )

( 写真下:クヌギ樹液に来たノコギリクワガタ/ E-620 ZUIKO D 50-200ミリ
  ズーム   )





アカタテハの幼虫はカラムシやヤブマオなどの葉っぱを二つ折りにして、
その中に潜んでいる。二つ折りにするとき、白い裏側を表にしているので、
幼虫巣は遠目にもたいへん目立つ。

チョウや蛾の幼虫を好んで吸血するシロヘリクチブトカメムシが、
そのアカタテハ幼虫の動きをめざとく捉えたのであろう。
シロヘリクチブトカメムシの口吻は、アカテテハ幼虫の喉元をブスリと突き刺していた。
幼虫は食事をしたり、巣を補修するときに限って、巣から半身を乗り出していることがある。
そんな瞬間をねらわれたのだろう。

W20947022.jpgこの様子を下から仰いで見てみると、

W20947201.jpg

ふと気になって、そばにあった別の巣を開いてみれば、そこには蛹がぶら下がっていた。

W2094736.jpgもっとも、この蛹とて無事であるかどうかはわからない。
すでに寄生バチや寄生バエの産卵を受けているかもしれない。

( 写真全て/  E-520  ZUIKO D 50ミリマクロ )


このところ、うちの林で繁殖しているアカギカメムシを毎日、観察している。
いくつかある群れの中で、ある一群は昨日の段階で幼虫9匹、成虫13匹だった。
それが今朝になって幼虫3匹、成虫19匹となり、さらに夕方には幼虫1匹、成虫21匹とな
った。おそらく明日には、全て成虫となっていることだろう。
他の群れでもどんどん羽化が進行していて、しだいに成虫の数が幼虫の数を上回る勢いだ。

さて、今朝のこと、アカギカメムシの観察をしながらアカメガシワの梢を見上げていたら、
これまで見たことのない、ハネナガウンカの姿が目に入った。

JX0967943.jpg姿のみならず、初めて見るおどろきには、その翅の構え方にあった。
こんな翅の構え方って、他にいただろうか?

この謎のハネナガウンカ、いましばらく注目してみたい。

( 写真/ E-620   ZUIKO D 35ミリマクロ+1.4倍テレコン )




アブラゼミのメスが、クヌギの幹で産卵をしていた。

JX086619.jpgアブラゼミの産卵は、体を幹に沈めるようにして行い、そのときに産卵管は隠れて見えない。
そこで、体を浮かしていざ産卵管を突きたてようとする瞬間をねらって撮影してみた。

アブラゼミの生活史を撮影するには、むしろ街中の公園とか神社の方が個体数も多く、
仕事がやり易い。今年は見送ろうかと考えていたが、うちの林でも少しは撮影のチャンスが
ありそうだ。

ツクツクボウシの鳴き声が、私の耳には「トッポジ~ジョ!トッポジ~ジョ!」と聞こえる。

JX086569.jpg
( 写真上、下/ E-620  ZUIKO D 50-200ミリズーム  ストロボFL-36R )


訂正:先日、買い求めた焼酎「山ねこ」を、米焼酎と書きましたが、これは誤りで、
正しくは、芋焼酎です。ここに訂正致します。






羽化

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アカギカメムシは日中に羽化している場面をよく見る。
一日じゅうダラダラと羽化しているのだろうか?

今朝はクモの網を撮影したあと、アカメガシワの木でアカギカメムシの様子を覗いてみた。
午前8時過ぎ、朝陽が林にも射し込み始めたころ次々と羽化し始めた。

JX0760511.jpg( 写真/ E-620  ZUIKO D 50ミリマクロ :午前8時49分羽化脱皮開始 )

アカギカメムシがうちの林で繁殖しているという証拠写真も撮影しておいた。

W20744892.jpg( 写真/ E-520  ZUIKO D 魚眼8ミリレンズ  サンパックB3000S使用 )

お知らせ:

三股町「みまたんえき」ギャラリーでの写真展は本日~11日まで開催しています。
11日は午後5時までですが、7~10日までの間は午前8時半~午後8時まで
オープンしています。






クモの巣網

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先日の夕方、庭の小さなケヤキに富士山のような形の巣網を見つけた。
巣網がよくわかるように撮影するには、夕日の射す角度ではうまくない。
背景が建物になってしまい、ゴチャゴチャした絵になるからだ。

そこで今朝、朝陽が射しこむ時刻に巣網を撮影してみた。
今度は背景が少し遠い林になる。
それでもフォーサーズの50ミリマクロレンズでは深度が深いので、
背景をすっきりさせるため開放に近い絞りで撮影した。
35ミリ判換算で100ミリ相当とはいっても、それは画角の話であり、
50ミリは50ミリである。
100ミリ望遠の圧縮感といった描写は、やはり100ミリでないと表現できない。
フォーサーズでも100ミリマクロレンズを出して欲しい、とずっと思っている。
シグマ105ミリマクロレンズがあるが、このレンズは逆光にたいへん弱いので、
最近はほとんど使わなくなった。したがってオリンパスから100ミリマクロあるいは
90ミリマクロレンズを発売していただきたいのである。

JX0759982.jpg
この巣網はまるで富士山みたいだなあ、と感じたが、クモの図鑑にもそういう記述があった。
(『クモ』学研の図鑑(1976))
この網は、「ドームきぬ網」と呼ばれているが、スズミグモとキヌアミグモの2種が作る。
キヌアミグモは近所の林縁でよく見かけるが、スズミグモのほうは庭でもときどき見るクモだ。
写真はおそらくスズミグモの網だと思うが、クモの姿は探しても見つからなかった。

網の全景はこちら↓

JX0760031.jpg
( 写真上、下/  E-620    ZUIKO D 50ミリマクロ )




先日、うちの雑木林で見つけたアカギカメムシ幼虫群。
幼虫群は居場所を少しづつ変えており、その群れの数は一本のアカメガシワで7つほど確認
できた。
JX065646.jpg今がちょうど羽化時期となっており、羽化直後の成虫の姿もみえる。そして幼虫のほぼ全部
が終令である。一本の木で凄い数の幼虫が育っているのだろう。

JX065840.jpg羽化直後の成虫の体色は浅く、時間を掛けて赤味が増してくる。いや、その美しさといえば
何に例えることができるだろうか。

私が初めてアカギカメムシに出会ったのは、八重山諸島の西表島であった。
その派手な色彩を目の前にして、亜熱帯の島に来ているんだなあ、と改めて感激したものだ。
それがなんと、今では庭の先の林にわんさか群れているのである。

( 写真上/ E-620 ZUIKO D50-200ミリズーム ストロボFLー36R )
( 写真下/ E-620 ZUIKO D35ミリマクロ+1.4倍テレコン )

昨日、都城市内で日本酒 『春鹿』 と焼酎 『山ねこ』 を買った。
『春鹿』は奈良県の酒だが、ルリセンチコガネの撮影で赴いたときにおでん居酒屋で初めて飲んだのも懐かしい。
『山ねこ』も以前に飲んだ記憶があるが、これは芋焼酎。
最近、焼酎を飲むことは稀となった。しかし、ラベルを見ているだけで美味しそうだったので、買ってみた。まあ、誰かへのおみやげにしようか、と思う。

L1061714.jpg( 写真/ E-P1  M.ZUIKO D 14-42ミリズーム )


写真展

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先日、動物写真家の前川貴行さんから写真展の案内が届いた。

前川貴行写真展1.jpg会場は品川のキャノンギャラリーS、会期は9月17日~10月29日。日曜・祝日は休館。
私は10月の末ころに仕事で上京するので、写真展会場に駆けつけることができそうだ。
前川さんの講演は9月26日にあるから、こちらは聞けないのが残念。


前川さんとは今年の5月に一度だけお会いしたことがある。
背が高く、体もゴッツい、なんとも力強さを感じる方だった。
やはり動物写真家って、カッコええなあ~! と思った。

さて、私の写真展「新開孝の写真昆虫記」は本日が終了日であったが、来週まで延長することになった。ただし、明日5日(土曜日)、6日(日曜日)はお休みとなる。
延長期間は、7~11日までで、11日は午後5時に撤収作業となる。7~10日まではこれまで通り、午前8時半~午後8時まで開館。

「みまたんえき」ギャラリーでの写真展は、11日で終了するものの、10月なかばから11月1日あたりまでの期間、こんどは三股町町立図書館の方で、図書館祭りに合わせて展示が引き継がれる予定になっている。

JX0252571.jpg( ルリタテハ:写真/ E-620 ZUIKO D 50ミリマクロ+2倍テレコン )

今日は午後7時半~9時まで、都城市、今町小学校で講演の仕事だった。
昼間に草刈作業を1時間半やったので、少し疲れた。







JX035347.jpgアカギカメムシは、近年、九州において確実に分布を広げている。

宮崎市内の平和台公園でも見つかり、それならばと、うちの林でもこれまでかなり気をつけて

きたつもりだ。ところがつい先日まで、アカギカメムシの姿はまったく見かけなかった。


今日のこと、ふと林を眺めてみれば、いつも見慣れているアカメガシワの梢に無数の

アカギカメムシが群れていたのであった。

ほとんどが終令幼虫であり、赤色鮮やかな新成虫もポツリ、ポツリと混じっている。

抱卵期の頃の成虫は葉陰に紛れて、ひっそりと過ごしていただろう。抱卵中はまったくその

場から動かないので、目に触れる機会も稀だったに違いない。

しかし、ふ化してのちの幼虫が成長するにつれ、餌を求めて移動が頻繁となり、体も大きくな

って目立つようになったわけである。

アカギカメムシが見つかったアカメガシワの木は2本。一本は林の中央にあって、幼虫たちが

ついている場所もおよそ10メートルの高さがある。もう一本は林の縁近くにあるが、やはりつ

いている場所は少し高い。

( 写真/ E-520  ZUIKO.D 50-200ミリズーム ストロボFL-36R )


お知らせ:

8月23日から開催しているJR三股町駅「みまたんえき」ギャラリーでの写真展、

『新開孝の写真昆虫記』は、明日が最終日となる。

ただ、もしかしたらこのまま展示を延期する可能性もあるようだ。

延期が正式に決まったら、またお知らせしたい。

明日は午後1時ころから会場に出向く予定。

そして午後7時半からは、都城市内の小学校で講演を行う。


長時間交尾

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先月、29日は早朝にJR三股駅を発ち、宮崎に向かった。

午前中、宮崎神宮内で「むしムシ教室」と称して、昆虫観察会を行い、

そのあと県立図書館にて講演をするためである。集合時刻は午前9時。

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( 写真/  E-P1  M.ZUIKO D 17ミリ  8月29日、撮影 )

今回の催しは「NPO法人みやざき子ども文化センター」さんの企画。

ほとんどの子どもはお母さん同伴だったが、お父さんの姿もお二人ほどあった。

トンボを捕まえて、催眠術の実験もやってみた。この実験はどうやら気温が高いと

少し手間取るようである。

講演を終了してから、北九州へ向けて電車の旅となった。

日向灘の海を眺めながら北上し、延岡市を過ぎたころからトンネルの多い山間を走り抜ける。

森や川の眺めが続き、ときおり小さな集落や国道10号線が見え隠れする。

大分で特急ソニック号に乗り換え、中津、小倉を経由して折尾駅で降りた。


折尾駅では写真家の武田晋一さんが出迎えてくれた。

30日、31日の二日間、北九州での武田さんのフィールドを案内してもらい、

武田さんの仕事場も見学させてもらった。30日にはトンボ写真家の西本晋也さんにも

ご案内いただき、トンボの濃いフィールドも巡った。

今回の北九州巡りでは特に撮影の目的はなかった。かといって、さすがに丸腰しとは

いかない。最低限の機材だけ担いでいったのだ。

「ずいぶん、身軽な格好ですね!」武田さんの開口一番の言葉だった。

北九州の自然環境にも興味あったが、それ以上に武田さんや、西本さんという

人物そのものに関心があったので、お会いしてお話できれば良いのであった。

こういう方々と一緒にフィールドを歩けば、それぞれの人柄や考え方が感じ取れる。

それが、私にとっては貴重な経験となる。

平尾台の洞穴に案内してもらう道中、狭い山道の地面でハリサシガメを見つけた。

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( 写真/ E-P1  M.ZUIKO D 17ミリ    8月30日、撮影 ) 

武田さんの説明によれば、カルスト地形では土の層が薄く、

一旦人の足で踏み固められた地面などは草が生えにくいということだった。

今にも草で埋もれてしまいそうな狭い道は、こうした明るい露地環境を好む昆虫

にとって格好の棲みかとなる。ハリサシガメはこういう不安定な環境に棲んでいる。

ハリサシガメを見るのはこれで2回目だが、1回目は愛媛県の面河町であった。

その場所も猫の額ほどの露地であったことが思い起こされる。

さて、洞穴探検を終えてからハリサシガメ2匹をうっかり同じケースに入れておいた

ことが気になった。ハリサシガメは肉食のカメムシである。

西本さんも心配してくれて 「カメムシは一緒のケースで大丈夫ですか?」

と声を掛けてくださった。

ケースを覗きこんでみればなんと交尾中。2匹は偶然にも雌雄だったのである。

JX0149202.jpg( 写真/ E-620  ZUIKO D 35ミリマクロ+1.4倍テレコン  8月1日、撮影 )

ハリサシガメのカップルは交尾したまま、30日の午後3時~今朝までそのままの状

態であった。つまり約3日間もの長時間に渡って交尾していたことになる。

午前9時03分発特急ソニック号に乗り、博多から三股町、餅原駅に到着したのは、

午後3時35分だった。

約6時間半の電車の旅は、長かった。

とは言え、自分で車を運転することを考えれば、なんと楽なことであろうか。

餅原駅からゆっくり歩いてわが家まで15分程度の道のり。

L1011519.jpg北九州からここ南九州の見慣れた光景へと辿りついたとき、ふとカメラを向けたくなった。

「ただいま。」

久しぶりに犬の散歩に出てみれば、

威勢のいいオオカマキリが出迎えてくれた。

JX014994.jpg
( 写真上/  E-P1   M.ZUIKO D 17ミリ )

( 写真/      E-620   ZUIKO D 35ミリマクロ+1.4倍テレコン )